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魔王になって復讐を  作者: 桐生紅牙
魔王の誕生
6/13

出会い

新ヒロイン登場

サリアさんがどうなるかは未定です


 初めて依頼を受けてから、七日がたった。

 その間にも俺は依頼を受けて魔物や盗賊を狩っていたので魔力を取り込み、少しではあるが力が増しスキルを得ることができた。

 今の俺のステータスはこのようになった。


ステータス

名前:橘 夜行

種族:魔王

称号:『鬼才』『魔神の寵愛』


スキル:【武王】+(【剛腕】+【俊足】)New【魔導王】(【全属性魔導】+【術理魔導】)New【再生】+(【生命力強化】)New【状態異常無効】【不老】

【鑑定】【眷属化】【簒奪】【愚者】(【隠蔽】+【気配遮断】+【気配察知】+【偽装】+【罠設置】+【罠解除】)New


 多くのスキルを手に入れたが、統合されてより強くなった。

 新しくなったり、新たに手に入れたスキルを説明すると

 

 【魔導王】

  魔法の実験をしているときに科学知識を利用して魔法を使っていたら手に入れることのできた【術理魔導】が【全属性魔導】に統合されたもの。

 異なる属性の魔法を同時に並列起動できるようになる。


 【愚者】 

  もともと持っていたいくつかのスキルと盗賊を狩る中で手に入れたスキルが統合されて新たに手に入れた。  

 隠密性に上昇補正があり、自身や物に対する鑑定系のスキルを無効化する。


 このようなものとなる。

 特に【愚者】のスキルは、俺の復讐の大きな助けとなる。

 なぜならば勇者たちは全員が、鑑定のスキルを持っているからだ。

 スキルがすべてではないが、スキルから相手の戦闘方法をある程度予測はできる。

 なので【愚者】によってステータスをを隠せる俺はそれだけ有利になるのだ。

 以上がこの七日で手に入れたスキルの説明だ。



 そして今日も少し遅めにギルドに行き依頼を受けようと思ったのだが、サリアがある提案をしてきた。 


「ヤコウさんもランクが上がってきて依頼にも慣れたと思うので、そろそろクランを作るか入ってみたらいかがでしょうか。一人だと何か不測の事態に陥った時に危険ですよ」


「クランか、俺は一人のほうが楽なんだが」 


 最近はサリアともよく話していて、前よりも親しみが感じられる。

 サリアの方でもそのように思ってくれているのか、よくアドバイスをしてくれる。

 クランのことも、ギルドのランクがDランクまで上がり一人で危険な依頼を受けるようになった俺を心配したのだろう。 

 

「そんなことを言わずに考えてみたらいかがですか」


 サリアは少しだけ心配そうな顔でそう続ける。

 それでも俺が渋っていると今度は悲しそうな顔になった。

 そんな顔を見て罪悪感を感じ始めていると、ある考えが浮かんだ。


「わかった、新しくクランを作ろう」


 俺がそういうとサリアは一転して笑顔を浮かべる。


「わかりました、でも新しく作るとなるとメンバーはどうするんですか?これから探すんですか?」


 確かにすでにあるクランに入るならともかく、新しくクランを作るならメンバーを探さなければならない。

 俺もいくつかのクランに誘われてはいたが、それは俺がすでにあるクランに入るので自分勝手はできない。

 しかしさっき思いついたことなら両方解決できる。


「ああ、メンバーはこれから探すから今日は依頼を受けないでおくよ」


「そうですか、頑張っていいメンバーを探してくださいね」


 サリアと話を切り上げてギルドを後にする。

 そして俺はさっき思いついたことを実現するために、奴隷商に向かった。

 奴隷を買うことにした理由は、二つある。

 一つ目の理由は奴隷であれば命令することで俺の情報を話すことができなくなる、二つ目は俺がどう行動するか決めることができるからだ。

 奴隷を買う金も依頼を受けたり盗賊の財宝を売り払っていたので十分にある。

 相手が望むのならば眷属にしてもいいだろう。

 そうして俺は奴隷商に到着した。



 奴隷商に案内されて売り出されている奴隷を見て歩く。

 高級奴隷など美しいものもいるが、外見だけでは意味がない。

 鑑定を使ってステータスを見ているが目につくような奴隷は男にもいない。


「今見た奴隷で全員なのか?」


「いえ、まだ居るにはいるのですが」


 奴隷商は何かを言いにくそうにしていたが、そんなことわは構わずに案内させる。


「ここにいるものは問題があり売れ残っているものです」


 奴隷商の言葉通りに病にかかっていたり、手足のないものもいる。

 しかしその中で一際、輝くようなものがいた。

 腰まである銀色の髪に俺と同じ紅の瞳、背はそこまで高くはないが女性らしい体つきをしている。

 清純な見た目であるが確かな力が感じられ、瞳の紅と合わさりバラのような印象を受ける。

 ステータスを見ずとも感じる力から、確かな実力があると分かる。

 瞳には絶望が浮かんでおり着ているものもほかの奴隷と変わらないが、俺は彼女に見とれていた。

 俺が見とれていることに気付いた奴隷商が説明を始める。


「彼女は吸血鬼で大貴族の令嬢でしたが、領内で暴れていた死霊を討伐したときに死の呪いを受け此処に売られたのです」


「死の呪いというのは何だ?それになぜ貴族の令嬢が死霊の討伐に参加している?」


「死の呪いとは受けると一年で死に至る呪いです。そして彼女が討伐に参加していた理由は、彼女は一種の先祖返りで魔王であった祖先の力を大きく受け継いでいるからです」


「呪いを受けても何で奴隷商に売られることになるんだ?」


「貴族様は穢れを嫌い、血を吸うことなどで穢れや呪いが広がるとして忌避したからです」


「売られた理由は分かったが、あれだけの美貌を持つならだれか買おうとしなかったのか?」


「それはさっきも言いましたが、呪いが移るとして怖がったり貴族の令嬢としてこちらもそれなりの値段で買い取ったので、呪いで一年で死ぬものに大金を払う気がないなどという理由で買われなかったのです」


 商人の説明を聞いて彼女のステータスを確認する。


ステータス

名前:レイア・スカーレット

種族:中位吸血鬼

称号:『先祖返り』『才媛』


スキル:【鬼王】【刺突剣】【闇魔導】【火魔導】【詠唱破棄】【状態異常耐性】


状態:死の呪い


 確かに死の呪いがついているがそれよりもステータスに驚かされる。

 未だ中位であるのに、その辺の上位魔族よりも高位のスキルを多く所持している。

 【鬼王】は先祖返りで手に入れた物だろうが肉体の高速再生に身体能力の強化、身体変化と俺のスキルに負けていない。

 魔法も二属性だが上位の魔導になっているし、【詠唱破棄】を持っている。

 呪いの効果も確認したが俺の眷属になれば寿命で死ぬことはなくなるので問題ない。

 これだけの力を持つなら、ぜひ仲間にしたい。

 あとは本人と話してみて決めることにしよう。


「彼女と話してみたいんだが構わないか」


「どうぞ、ほとんど反応しないので話せるかはわかりませんが」


 奴隷商の返事を聞き彼女に話しかける。


「俺の声が聞こえているか」


 名前を呼ばれ、わずかに反応する。

 言い聞かせるように強い言葉を使う。


「俺の物になれば、生きることができるが共に来るか?」


「無理よそんなこと、この呪いは誰にも解けない。私は死ぬしかないの」


 反応はないと言っていたがきちんとした返事が返ってきた。


「なら、俺が呪いを消すことができればお前は俺の物になるか?」


「いいでしょう、もし呪いを消すことができたらあなたの物になるわ。でも、もしできなかったら私はすぐに死ぬから」


 どこか諦めたようにそんな返事をする。

 レイアから返事を聞いたので、奴隷商にレイアを買い取ることを伝える。

 奴隷商は俺がレイアを買い取ると言うと驚いたが、買ってくれるのならばありがたいとかなり値引きしてくれた。

 それでも金貨五十枚はしたので普通の人では買えないが。

 どうやら奴隷商もなんだかんだ言って、呪いを持つレイアを速く手放したかったようだ。

 レイヤと奴隷契約を交わす。

 契約の方法は主人の魔力で紋章を奴隷の体に刻むのだ。

 刻むといっても魔力であり手の甲などであるため痛みもなく傷もつかない。

 レイヤとの契約が終わり奴隷商を出て、宿へと向かう。

 宿へ着くと二人部屋に部屋を変えてもらったが、そのとき女将のマーサさんにからかわれた。

 部屋の中に入るとここまで来る途中で一言も声を発しなかったレイアが声をかけてきた。


「どうするの此処からまた別の場所へ向かうの?それともやっぱり呪いを消すなんて嘘なのかしら」


「何処にも移動はしない、今からその呪いを消そう」


「そんなのどうやってs」


 レイアの言葉を遮るようにして右手をレイアの額にあてる。

 そしてスキルを発動させる。


「眷属化」


 すると俺からレイアに魔力が流れ込んでいく。

 そして一瞬レイアが白い光に包まれ、それが収まるとレイアから手を離す。


「ステータスを見てみろ」


「わかったわ」


 突然のことに驚いていたが素直に指示に従う。


ステータス

名前:レイア・スカーレット(夜行の奴隷)

種族:上位吸血鬼

称号:『先祖返り』『才媛』『魔王の眷属』


スキル:【鬼王】【刺突剣】【闇魔導】【火魔導】【無詠唱】New【状態異常無効】New【不老】New



 そしてステータスも見て唖然としている。

 

「呪いがなくなっている」


「そうだ、これでお前が死ぬことはなくなった」


 そして俺はレイアの呪いを消すまではしないように注意していたことをする。


「これからよろしく、‘レイア’」


 そう笑いかけながらレイアに声をかけると

 俺の声を聞き、顔を見たレイアが目を見開く。

 そして次の瞬間には声を押し殺しながらも泣き出してしまった。

 なのでやさしくレイアの頭をなでながらベットに座らせ落ち着かせようとする。

 レイアも嫌がらなかったので、そのまま落ち着くまで待ってから話をしようとしたが、そのまま寝てしまった。

 俺がレイアと話していて感じたのは死ぬことに対する恐怖もあったが、それと同じくらい誰も頼るものがいなく一人でいることの恐怖だった。

 そしてその恐怖を隠すために強がっているとも感じた。

 その様子はかつて両親が死んだときの俺に似ていたと思う。

 だから俺はレイアの呪いを解いたら、笑って名前を呼ぼうと決めていた。


 俺の親友が、声をかけ笑いかけてくれたように。




サリアさん、墓穴です。

でもまだまだチャンスはありますよ!


読んでくださっている方、遅くなって申し訳ありません。

今回の最後は少し物悲しくなりましたが、基本的に明るく終わると思います。

つたない文章ですがこれからもよろしくお願いします。

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