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#22 会う前から嫌な予感
翌日。
第20班の会議室には、重い空気が流れていた。
夜通し続いた調査のせいで、皆の表情には疲労の色が濃い。
葵生が資料を片手に立ち上がり、静かに口を開いた。
「……昨夜の男、なんとか一命は取り留めたよ」
煌真は安堵しかけたが、その続きを聞いて眉をひそめる。
「ただ、自傷行為がひどい。拘束状態にしても暴れるし、
誰が話しかけても、一言も返さない。完全に“塞がれてる”状態だ」
「じゃあ……組織の情報も、聞き出せないってことか」
煌真の拳が机を強く叩く。
悔しさが滲み出ていた。
「くそ……“俺達”って言葉が、ここまで引っかかるのに……」
沈黙。
だが、葵生はそこでわずかに表情を変えた。
「……いや、まだ可能性はある」
「え?」
「“ある人”に協力してもらえれば、糸口は掴めるかもしれない」
その言葉に、千紗や陽も顔を上げた。
しかし、葵生はそのまま口を閉ざす。
「……けど、あの人と話すの、あんまり得意じゃないんだ」
「どういうことですか?」
煌真が尋ねる。
葵生はわずかに目を逸らした。
「説明するより、実際に会った方が早いかもね……。ただし、覚悟はしといた方がいい」
その声には、普段の柔らかさはなく、どこか“警戒”の色が混じっていた。




