表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

#17 班長の証明


仮想空間の照明が落ち、炎も瓦礫も跡形もなく消えていく。

床に仰向けに倒れていた椎尾は、焦げ跡だらけの上着を乱暴に払いつつ、上体を起こした。


「……クソ……あそこで仕掛けてくるとは思わなかった……」


悔しさを隠そうともせず舌打ちする。だがすぐに、ぐしゃりと前髪をかきあげ、肩で笑った。


「にしても――」


ゆっくりと顔を上げ、まだ息を整えている煌真を見据える。


「お前……目ぇ潰されてんのに、よく俺の位置特定したな。正直、ゾッとしたわ」


煌真は肩で息をしながらも、にやりと笑う。


「……耳が残ってたので。聞こえてんのに負けるわけないですよ」


椎尾は鼻で笑い、立ち上がると歩み寄った。距離一メートルほどで足を止め、真正面から煌真を見下ろす。


「認めてやるよ。――テメェが班長っての、文句はねぇ」


その言葉に、観戦ルームで見ていた千紗と夕音がほっと息を漏らす。


だが次の瞬間、椎尾は視線を動かし、透明なガラス越しにこちらを見ていた葵生を指差した。


「だったらよぉ……副班長って枠、空いてんだろ?」


突然の申し出に、観戦ルームがざわっと揺れる。


「――え?」


千紗が間の抜けた声を漏らし、夕音は目を瞬かせた。


葵生は無表情のままモニター越しに椎尾を見る。


数秒だけ沈黙が落ち――やがて、静かに口を開いた。


「……別に。構いません」


「マジで...?即OKかよ!」


千紗がツッコむが、葵生は淡々と続ける。


「陽が班長をやらない以上、煌真が一番適任。それに……あなたの能力は、チームにとって脅威でもあり武器にもなる。副班長を名乗るなら、責任だけは取ってもらいます」


椎尾は薄く笑い、親指を立てる。


「上等だ。喧嘩の売り方も買い方も心得てる」


煌真は黙ってそれを見ていたが、やがてぽつりと呟く。


「……変な班になってきたな……俺の初日から」


陽は苦笑しながら肩を叩いた。


「“まとも”だった時期なんて一日もないわよ、うちの班は」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ