Prologue
とある世界で、ふたつの星が生まれた。
ひとつは可能性へと導き誘い、明るく輝く。
ひとつは死の予兆を操り、幽かに輝く。
一際輝く母なる星が双子として創った星々は、
創造を祝して小さな箱庭を授かった。
優しい微笑みを浮かべた星は双子に向かって呟いた。
「これは君達の箱庭、好きにするといいわ。」
創られた星々は母から授かった小さな箱庭の中に
自分達の管理する世界、天狼星を創った。
その世界は瞬く間に成長を遂げて、
惑星の中には新たな生命体が産声を上げた。
天狼星の創造主である双子の星々は、
その生命体の進化に必要なものを与えて愛で続けた。
幾年、時が経っても、
星々がその生命体に飽きることは無かった。
育まれた生命体は与えられた環境の中で、
其々の文化を築き、繁栄を切り返していく。
そして、意思を持ち始める。
「ねぇボク、天狼星の生命体に会ってみたい…!」
小さな青い物体から紫色の雲を漂わせた星は願う。
「あぁオレも、この目でこの生命体を見たい。」
刺々しい赤い物体から黒い水を滴らせた星は望む。
天狼星に生まれし生命体、"人間"との関わりを。
蒼月と名付けられた明るい星の少女と、
或空と名付けられた幽かな星の少年。
少女の想いを宿すように、人間には可能性が芽生えた。
少年の運命を受け継ぐように、人間には寿命が存在した。
自由に生きることを謳歌する命
美しく儚く散り逝く命。
人間の姿を模した双子の星々は、
その姿に魅了されて、人間界へ降り立つことにした。
そうして、
世界は、天狼星は。
アカシックレコードを基準に廻り出した。




