23苦しいほど好きなんだ(アイス)
俺の気持ちは‥
俺はずっとアンドレアが好きだった。
俺はウィルダー・バッカロの息子で侯爵家の次男だった。早くから剣の腕を磨き10歳の時力が目覚めた。
それからは怒涛のような快進撃でティートン侯爵家でも頭角を現してきたと思う。
その反面俺を見るみんなの目は冷たかった。
アンドレアは俺の5歳年下で、出会ったのは7歳の頃だった。
初めて見た時その美しい瞳に思わす吸い込まれた。そして見惚れた。
初恋だった。
俺はどちらかと言えば見かけも冷たい印象だったし、夜会とかも無縁の生活で女性との付き合いは仕事でしかなかった。
任務をこなすようになると汚い部分ばかりを見せつけられ女性に対する疑心が深くなった。
汚い人間関係に気持ちは塞ぎ込みこの世界の不条理に嫌気がさして来た。
一方で無垢で穢れのないアンドレアの成長は俺にとってなくてはならない存在になって行った。
任務でアンドレアが婚約をする事になってすごく心配した。
でも、全く心配なかった。
いや、違う。
最期のチャーリー・ラーションあいつはひどかった。アンドレアに事あるごとに言い寄りそれを迷惑そうに断るアンドレアがもう、可愛そうで。
それに万が一にもチャーリーが無理やりということもあるのではと俺は肝を冷やしたもんだ。
とにかくどれもこれもひどい男達ばかりでアンドレアが可哀想だったのは間違いない。
半面そんな奴らで良かったと思う自分もいたが。
そして今回の任務。
きっと噂通りエークランド辺境伯は冷酷で冷たい奴でアンドレアが泣かされるのではないかと心配だった。
なのに、楽しそうに一緒に食事をしたり買い物をしたり。あんなに嬉しそうなアンドレアをあまり見たことがない。
俺はアンドレアを好きだけどアンドレアにふさわしいとは思ってはいない。
彼女にはもっと立派で頼りがいがあって優しい言葉を囁いて彼女を笑顔にしてくれる奴が似合うだと思っている。
なのに、なんであんな奴に微笑むんだ?
あいつはただの任務の対象で会ってもしかしたらすごく悪い奴かも知れないし、それに女遊びも激しいと聞いた。
何であんな奴にころっと騙されてるんだ?
いや、あれはきっと芝居だ。
アンドレアは任務だと分かっているからあいつを油断させるためにあんな顔をしているに違いないんだ。
俺は覚悟を決めよう。
この任務が終わったらアンドレアに好きだって告白する。
別に付き合いたいとか一緒になりたいとかそんな事指先ほども思ってない。
でも、この気持ちはもうどうしようもないんだ。
そう言えば父に頼んだお守りアンドレアにやったのかな?って思っていたが。
あのピンク色の水晶とってもきれいで思わず買ってしまった。
俺から何て言えるはずもなくてアンドレアは親父の所にはしょっちゅう行くから何かのついでに渡してほしいって頼んだ。
もちろん俺からだって事は内緒でだ。
俺は眠っているアンドレアの胸元にそれがある事に気づいた。
俺がどれだけうれしかったか‥わかるかアンドレア。
アンドレアお前が好きなんだ。どうしようもないほど。




