表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

 渡し守のおじいさんは、眉のひとつも動かすことなく舟を漕いでいます。

「前乗せたのは髑髏だったか」

「まあすてきな先輩ね」

「永遠の命を得る魔術を完成させたんだと。ただ欠陥があったんだ」

「肉体には効かなかったのかしら」

「魔術を完成させたのは、八十を過ぎた頃だった。魔術が発動したのは、それから七年も後だった。その間に先の戦で焼け死んだのよ。ただ骨は欠けずに砂に埋まっていたもんで、命もそこに在ったんだ。永遠の命に変わるまで。そう言っていたよ」

「私達、その方に逢えるかもしれないわね。バーチ」

「楽しみだね、ケルマ」

 湖の浮き島に舟が着くと、渡し守のおじいさんは、さっきバーチがあげた煙草を吸いはじめました。日が沈んだばかりの薄闇に、火魔法の小さな明かりが浮かびます。

「では、星の花を採集したら戻ります」

バーチはケルマの入った鳥籠を舟に置いて、小島に出掛けていきました。

「渡し守さん、もっとあなたとお話がしたいわ」

「俺ぁ、あんたの話も聞きたいな。生首のお姫様」

「あいにく、私はなんにも覚えていないのだけど、こないだ王都で聞いた話でも……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ