聖司と神音編 3
第86話 ヒント
グダグダなままの聖司。
相変わらず、魂力が回復しなくて、ま〜〜〜〜ったく動く事さへ出来そうに無い状態。
時間が止まっているとされているこの空間に、居る事は分かっているのだが、其れでも刻一刻と過ぎて行く現世の事を思うと、焦らずには居られない。
何とかしてでも、フルに魂力を回復したいと、アレやコレやと無い知恵や知識をフル回転させるのだが、言葉通り、全く知識も知恵も無い訳で、なぁ〜んにも思い付かない聖司なのでした。
聖司の助けと成る神音も、知識や知恵は有るのだが、これも試練だと無言を貫いています。
まぁ本当の所、神音にも如何すれば良いのか見当も付かないってのが、正直な状況だったりするのだが…。
(手助けはしたいのですが、こうも何も分からないままだと、流石に不味いですね…。でもまぁ、聖司様の性格を考えると、このまま放置してても差し支えは無いでしょう…。其の間寝て、意識を9割方、私の存在感を回復しておきましょうか…)
と、簡単な受け答えが出来る分だけ残し、こっそり眠りに着く神音なのでした。
其うとは知らない聖司は1人、あーでも無いこーでも無いとブツブツ呟き始めました。
この呟きが、只ひたすら続くものだから、思わず神音が
(喧しいですよ聖司様、もう少し静かに出来ないのですか!?煩過ぎて、寝るに寝られません!もう少し静かにして頂けますか!?)
と、ちょっとキレ気味で文句を言って仕舞いました。
「………はぁ?………えっ!?」
思いもよらない言葉が、神音から聞かされ、放心して仕舞う聖司。
(ふ〜ぅ…全く…聖司様の独り言は、他のご家族の方よりも大きくて、独り言とは思えない時が有ります…。これ迄其うだと言われた事は有りませんか?…もう少し静かに独り言を仰って下さい。眠りの妨げに成りますので…)
はぁ〜やれやれ…みたいな感じで、聖司の癖を指摘する神音。
神音に指摘されて、初めて自分の癖を知る聖司。
“俺の独り言って…マジかぁ!?”
と、衝撃事実を知り、今迄を振り返りながら
「なぁ神音、俺ってそんなにデカい声で、独り言言ってるのか?其れがマジなら俺って奴は…ん?ちょっと神音?お前寝てるって…何だ其れ!?んんん!?煩くて眠れない!?はあ!?おいおい神音…お前って奴は〜!」
神音の指摘の確認をしている途中から、神音の言葉を思い出し、ワナワナと怒りが湧き起こる聖司。
“あっコレは不味い!”
と、直様
(ちょっと聖司様!無駄なエネルギーを消費しないで下さい!聖司様は今、ギリギリのガス欠状態なのですよ!?これ程の時間を費やしていても、全く回復しまする兆しが無いじゃないですか!このままだと先程の約束を破り、私の存在感をエネルギーとして譲渡しますよ!?其れでも良いのですか?聖司様…)
と、一気に捲し立てて、有耶無耶にする神音なのでした。
其の神音の策にまんまと嵌る聖司。
「あっ…いや…其の…んん!?………あっはい、済まないっす…」
何だか腑には落ちないが、キレる神音をこれ以上怒らせるのは得策じゃ無いと、素直に謝る事にした様だ。
(ったくもぅ、しっかりして下さい。もう少ししっかりして下さらないと、聖司様の威厳が損なわれますよ?良いですか?)
「………あっはい……宜しいです…」
(分かって頂ければ結構。取り敢えず今暫くは黙って、少しでも回復出来る様に努めて下さいね…)
「……はい、其れも分かりました……はい…」
ガクッと気落ちする聖司とは裏腹に
“あぁ良かった、何とか有耶無耶にする事が出来ました…。危ない危ない…”
と、してやったり〜!感満載で、ルンルンな神音は、超ご機嫌です。
超ご機嫌を絆の結び付きで感じ取った聖司は
(何だか俺って…段々と家族の中のヒエラルキーが、下がる一方だよな…グフッ…トホホ…。あぁ…何だか情け無い…。俺、家長だよな…?前世では、国を統べる王だったんだよな…?其の俺が1番下に成りそうだなんて…あぁ泣けてくる…)
と、自分の立場を理解して、シクシク泣くのでした…。
哀れとしか言えない聖司。
そんな聖司に、偶然と言う幸運が舞い降り様としていました。
「なぁ神音、ちょっと聞いても良いか?」
(?…はい、宜しいですよ?何をお聞きしたいのですか?)
「此処に来てからどれ位の時間が経った?」
(ん?時間…ですか?)
「あぁ其うだ…」
(…?また何故其の様な事をお聞きに…?)
「いや何、只ちょっと気に成っただけ何だが、この空間って、時が止まったまま何だよな?」
(えぇ其うですが、其れが何か…?)
「あ〜えっとだな、其れって俺達の時間も止まっている?って事だよな…」
(まぁはい、正に其うですが…其れが何か…?)
未だうつ伏せのまま、“ん?”と少ししかめ面をする聖司。
「おいちょっと待て、其れって可怪しく無いか?俺達の時も止まっているのなら、こうやって話す事も、動く事も出来ないんじゃないのか?違うか?」
聖司の指摘に神音は
(えぇ正に其の通りです、聖司様のお考えに間違いが有りません…)
「やっぱり!其うじゃな」
(が!…)
聖司の言葉を一言で遮る神音。
「!?………驚いた…で、何が『が!』何だ?」
聖司の質問に神音は
(確かにこの空間は、他の異空間と違い、時が止まったまま留まっています。有と凡ゆる物体や質量ならば、この空間に入った瞬間に、時は止まります。が、私達思念体や聖司様の様に、幽体でエネルギーの塊ならば、其の影響下の元でも無効と成るのです)
「ハェッ!?…」
余りにも話の状況が飛び過ぎて、理解が追い付かない聖司は、間抜けな声を出し、プスプスと頭から煙を昇らせるのでした…。
(こんな言い方は失礼だと思いますが、聖司様に分かり易く説明します。人や動植物、岩や鉄等の物質、要は原子で出来たモノは、この空間の影響で、時が止まります。ですが、エネルギー体ならば、エネルギーが尽きない限り、時間と言う概念が無くなり、自由に時を行き来したり、過ごす事が可能なのです。先程失礼だと言ったのは、聖司様は死に、今現在、意志の有る、エネルギーの塊として存在しているのです。ですからこれ迄の様に、エネルギーを使って自由に、時間を行き来出来ているのです。そして時間の概念が当て嵌まらない聖司様と私達は、此処でも動く事が可能なのです)
少し説明が長くは成ったが、理解し易く成ったおかげで、すんなりと理解した聖司。
この時聖司は、謎でも有るこの世の理の1つをまた、理解した気がした。
其の時聖司は、幽体に成った今、世の理を理解しつつ有るんだなぁと、そんな気にも成っていた。
これは生きていたら、絶対知り得るモノでは無いだろうとも思った、聖司なのでした。
(聖司様、ご理解頂けましたか?)
優しい口調で問う神音。
暫く間を置き
(聖司様?…)
と尋ねると
「あっいや済まん…ちょっと考え事してただけだよ…。お前の砕けて分かり易い内容の説明は、ちゃんと理解したから…。ありがとうな、神音…」
(いいえ、聖司様がご理解頂けた様で、大変嬉しく思います。説明した甲斐が有って何寄りでした、此方こそありがとうございます)
「神音…」
神音の素直な気持ちが伝わり、心が熱く成る聖司。
心が熱く成ったと同時に聖司の中で、何かをしたいと言う衝動が、湧き起こって来た。
其の衝動が何なのかは分からないが、何かをしたいと言う思いが強まり、モヤモヤとし始めて、ムズムズする聖司。
“う〜〜〜ん…”
と、呟き始めた聖司に
(聖司様、先程から何やら1人でお考えのご様子、如何なさいました?)
モソモソしている不審者みたいだと、神音は思った。
其う思いながら、聖司に其のモソモソしているのは何かと尋ねてみるたのだ。
で、返って来た内容は
「あ…う〜ん…いや 何だろ?」
だった。
(……………ハア!?ちょ、ちょっと聖司様!?何だろとは一体如何いう事ですか!?しかも無駄に意味の無い間を空けての『何だろ』とは、答えに成ってませんよ!?)
何故か冷たいツッコミを的確に言う神音に、聖司は
「う〜〜〜〜ん…ん?……」
とだけ言い、クエスチョンマークを幾つも頭の上に出現させている。
まさか擬音語を認識させるとは思ってもいない神音が、半分呆れながら
(聖司様?本来なら見える筈の無い文字が、頭の上に現れてますよ?如何やら本当に、分かって無いご様子…。でも何か聖司様の中で、何かが弾け出そうみたいですね…。他に弾けそうな何かの刺激が有れば、もしかしたらご理解するかも知れませんね…)
聖司の様子を見て、神音が思い付いた事を言うと…
「…………ん〜〜〜確かに其う…だよなぁ…」
と、神音の言葉に納得するのだ。
暫し無言で、何か刺激に成るモノは無いかと、アレコレ考え込む聖司。
だが何も思い浮かばず
「───ッダハア!こぅ何も考えが纏まらないんじゃ、息が詰まるってぇの!ウガアァ──ッ」
遂には雄叫びを上げる始末。
(せ、聖司様!?お、お気を確かに…)
「んあ!?あっ…すすす、済まない神音。見っともない所を見せちゃったな…済まん…」
(いいえ、其の様な事はお気に為さらずとも宜しいですよ?聖司様…。ですが、息が詰まりそうとは…)
聖司を心配し、神音が尋ねたら
「ん?…あぁ〜え〜っとな、ずぅ〜と同じ異空間に居るだろ?」
(えぇ…はい…)
「でな、この時間が止まってる空間自体もさ、殺風景で何もかもが止まってる様に思えてさ、こう何と言うか…」
(聖司様の仰る通り、この異空間自体も時が止まってますから、他のご家族の方が居ない限り、聖司様の魂のカラーしか反映されませんので、殺風景に思えるでしょう…。其れが何か…?)
神音の問いに、未だうつ伏せのまま動けない聖司が、少しだけ顔を上げて
「やっぱり其う何だな…。なぁ神音、またちょっと聞きた」
(良いですよ!)
ちょっと?ウダウダ感に苛立った?のか、言葉を遮り、先読みして答える神音。
「ゥビッ!ビックリした〜…。なぁ神音…何だか俺の扱い…雑?に、成ってないか?」
少し険しい顔をして問い詰める聖司に
(えっ?………いえ、全然?そんな事は有りませんよ?至ってこれ迄通り、普通ですか…?)
と、しれっと交わす神音なのでした。
「………何だか納得行かないが、まぁ良しとするか…。其れに、グダグダしててもしょうがないよな」
(そ、其うですよ聖司様。で、一体何かお気に成るのでしょう…)
雑に扱うと言うか、聖司を弄りたい対象に位置付けしている神音は、上手く誤魔化せて一安心しています。
が、絆の繋がりで神音の考えが伝わり
“このヤロウ…神音、後で説教だな…”
と、心に決める聖司。
結構不機嫌な状態のままで
「あぁ──っ!このまま此処に居ても、何にも解決する気がしないぞー!!ッダア───ッ!!」
と、遂には吠えたのです。
聖司の咆哮に“ビクッ”と驚く神音が、機嫌を確かめる様に、聖司に問い掛ける。
(せ、聖司様?大分ご機嫌が宜しく無いご様子ですが、如何な感じなのでしょうか…?)
機嫌を確かめる神音に、聖司は
「ん〜?機嫌かぁ?………まぁ正直に言えば、余り宜しく無い!って感じだな…」
(そそそ、其うですか…)
「はい其うです。…なぁ神音、またちょっと聞くが、この異空間は時が止まっている上に、他の皆んなが居る其々の時間とも、繋がってるんだよな?」
(……えぇはい其うです…。其れが何か…?)
少し間を空け
「ならさ、皆んなの居ない時代に行って、また此処に戻って来ても、リンクしてる時間は変わらないって事でも有るのか?」
聖司にしてみれば珍しく、中々的を得た疑問を問うのだ。
“如何した聖司!?”
と、思わされた神音。
(え、えぇまぁ其の通りですが…其れが一体…何か?…)
動揺する神音の言葉にちょっと
(このヤロウ〜、俺がちょっとでもまともな事を言うと、直ぐこれだ…。チクショ〜!俺ってそんなに抜けてるかぁ!?…トホホ…)
と思えて、半べそ状態で更に問う聖司。
「……いやな、他の空間や現世に行ってもさ、此処に戻って来れば、皆んなのピンチの時間も進まないんじゃ…と…思った…ん…だが…」
何故か最後の辺りで、自信を失いつつ喋る聖司。
ありゃ〜そんな訳無いよなぁ〜と、内心ドキドキしながら聞くと
(─ッ!!聖司様、流石です!今言われた考え通り、正に其の通りです。いや気付きもしませんでした…。まさか聖司様が正解に辿り着けるだなんて…正直思ってもみませんでした…。流石聖司様、我が主人として、誇りに思います)
アンタスゲェ〜よと言いながらも、途中デスる神音。
ピキィッと音を立てて、怒りマークを幾つも貼り付けた聖司が
「ハッ…ハハハ…そりゃど〜も!…お褒め頂いて嬉しいっすよ…ええ…。で?神音、其れが可能ならさ、別次元か現世に気晴らしに行きたいんだが、無理か?ん?如何だ?アハハハ…」
拗ねた言い方をして問うのでした。
ありゃ?これはまた面倒臭い拗らせだわ〜と思いながら、神音は軽くため息をし
(其うですね、其れも宜しいかも知れません。聖司様のされたい事を致しましょうか…。出来れば、他のご家族の方と干渉しない時空か、現世にしないと、後々面倒に成る可能性が否めません。ですから、干渉の少ない時空間か現世に行きましょうか…?)
「後々面倒かぁ…。まぁ確かにこの状態で、夕香達と下手に干渉しちゃ〜、迷惑を掛けるだけだしなぁ…。オッシ!分かった!其れで行こうか!」
ヨシッ決まり!と思ったら
(聖司様、唯1つお伝えしなくてはいけない事がございます…)
「ん?何だ?何を伝えたいんだ?」
少し間を空けて
(別次元や時空間なり、現世に行くとしても、此処に戻るエネルギーがまた、莫大に消費するって事です。別次元や時空間に現世からなら、其々のご家族の方達へと向かうのは容易いのですが、時が止まったこの空間に戻るには二度手間と成り、倍のエネルギー消費する事に成りますが…大丈夫でしょうか…?)
「!!??………えっ…マジで…?」
想定してなかった答えが返って来て、一瞬声が出せなかった。
そんな聖司に
(はい本当です。更に言うなれば、場合に寄っては、倍のエネルギーでは済まない可能性もございます)
「ハアッ!?…ハァッ!?」
思わず2度驚いた声を上げる聖司。
(………聖司様、1つお聞きしますが、先程言われてました別次元や現世にての、気分転換は如何なさいますか?)
驚く聖司に、再度確認をする神音。
「あっ…いや…」
神音の質問に対し、暫く間を空けて、聖司が答える。
「其うだな、気分転換に現世にでも行こうか?」
(現世にですね?了承致しました。ですが何故現世に?付け加えお聞きしますが、何故エネルギー消費が多い方を選んだのですか…?)
神音が、聖司の思う所に興味を持ったみたいだ。
「ん?あっいや何、只何と無く、現世に行きたく成っただけ何だ…。あ〜いや違うなぁ〜…今迄見慣れた景色が見たいってのが1番しっくり来るなぁ〜…。其れに、別にエネルギー消費の多い方を選んだ訳じゃ無いぞ?神音」
(えっ?選んだ訳では無いとは一体…)
聖司の考えが分からず、普通に聞き返す神音。
「いや何、現世に行けば、確実にエネルギーは回復するだろうと思ったのと、上手く戻ったらさ、そのまま1番近い家族の元へ向かえば良いって思ったんだ」
この説明に、疑問に思った神音は
(聖司様、またお聞きしますが、何故現世に行けば、確実に回復すると思われたのでしょうか?また、確実に回復したとして、そのまま向かわれるのは良いとしてですが、如何して確実だと思われ、いえ、言い切られたのでしょう…?)
当然として出て来る疑問に
「ん?いやだって、良く考えてみろよ。今此処に居ても全く回復しないんだぞ?でもさ、よくよく考えてみたらさ、此処に来る前の現代ではさ、何だかんだと回復してたよな?…となると、普通に考えても、現世なら回復出来るって…事だろ?だから確実って言ったんだよ」
珍しく、聖司の言葉から、真っ当な内容が聞かされるとは、露にも思って無かった神音。
思わず
(せせせ、聖司…様?お気は確かですか!?)
と、聞いちゃったのです。
「(怒)おい神音…。今の言葉の意味は、如何言う意味だ?」
キレてる聖司の質問に、未だパニックに為っているからか
(如何言う意味と言われましても、そのままの意味ですよ?聖司様)
と、素直に答える神音。
「ハアアッ!?」
怒りを込めた相槌にも平然と
(一体何をそんなに興奮されてるのですか?今とても珍しい状況を聖司様が、作り出したのですよ?ご家族の誰もが其う思う筈ですし、総ツッコミが入ると思われます。特に信康様と阿沙華様が、私と同じ反応をする筈です。断言出来ます)
と言い切られて
「フグゥッ……………グフゥ……」
と、神音の言葉に撃沈するのでした。
撃沈したまま
“あ〜これもぅ〜良いや〜”
と、投げやりに成った聖司は
「はぁ〜も〜ぅ良いや…俺の威厳とか、アレやコレやは如何でも良いかぁ…。其れより神のぉ〜ん、悪いが今の俺じゃぁ、次元移動の役には立たないからさ、お前の力で何処か良い場所に、連れてってくれないか…?お願いするよ…」
と、言葉に力が籠らない感じで、お願いするのでした…。
自ら聖司にトドメを刺したのに、何故か少し?可哀想に成って来た気がする神音。
しょうがないと
(分かりました聖司様。では1番手頃な現世に向かいましょうか?)
「あぁ頼むよ…」
(了承しました…。では早速出発します)
弱々しい聖司の声に、やっぱり少し、やらかしたと思う神音。
(あっ其うそう聖司様、お1つお伝えしておく事がございます)
「ん〜?何をだ〜…」
戻って来る返事も、最弱ヘロヘロ。
“あ〜これは伝えるの躊躇うわ〜”
と、思った神音。
其れでも伝えると言って仕舞ったからには、伝える事を伝え様と覚悟を決めて
(……聖司様、今向かっている現世に到着するのに、暫くのお時間が掛かります。其の間、ゆっくりお休み下さい)
「んあ?時間が掛かるぅ?其う言や、俺達が現代からあの時代に向かう時も、体感的に時間を感じていたよなぁ…。で、何でだ?」
聖司が疑問を抱き、神音に問うと
(聖司様、其の疑問にお答えする前に、この場を離脱します。説明は、現世に着く迄にしても宜しいですか?)
と、早くこの空間から移動しようと言う。
「ん?あぁ其うだな、其うしてくれ」
(了解致しました。では…)
其う言った瞬間に、この約束の異空間を飛び出した。
(無事、彼の異空間から離れました。で、聖司様、先程の説明をしても宜しいですか?)
「おぅ良いよ、宜しく頼むな、神音」
(はい、了承しました。先程の空間でも説明しましたが、エネルギー体の我等は、時間の概念が無効と成ってます。其れは覚えてますか?)
神音に、覚えてるかと聞かれ
「ももも、勿論おおお、覚えてるとも!」
と答える聖司。
ー あぁ〜これは忘れてましたね… ー
と、直様見抜かれる聖司。
(ふぅ…まぁ良いでしょう…。覚えてたと言う事にして、時間も勿体無いですから、説明しますね)
「ギュ、ギュゥゥ…」
無様な敗北音を奏でる聖司。
(さて、簡単な説明として先ず、先程も言いました、時間の概念が無効でも、エネルギー体の我等の中の体感時間は、有効なのです。更に時空移動では、時間をも飛び越えますから、体感的に、時間を感じる錯覚に為るのです。ですから今この時点でも、体感的に時間を感じているのです)
少しややこしい感じの説明だったが、何故かすんなりと理解する聖司。
「成る程!だからだったんだ、何時何処でも、時間を感じてたのは…。成る程〜…」
と、こんな感じで…。
(すんなりご理解して頂けて、大変良かったです。更に付け加えての説明ですが、現世では、リアルな時間が流れてますから、此方もリアルな時間を体験するのです)
追加の説明にも
「ほほぉぅ…成る程なぁ…。良く分かったよ、ありがとうな、神音…」
と、珍しく理解した聖司でした。
「正直今の魂の状態ってさ、生きてる時よりもずっと快適に過ごせてるよな…」
(…?快適…ですか?)
「あぁ快適」
(…其れは一体…如何言う…)
「この今の状態ってさ、様々な理を知り得て、更に強く思えば思いのまま、其れこそ様々な現象を起こせるんだ…。生きてた時には、味わえ無かった不思議体験を今、魂の根源で味わえてるって事だよ…」
(………成る程…)
「其れが唯、生きてる時に味わいたかったよな…はは…」
(………聖司…様…)
聖司の心の内を語られ、神音の存在感が震えていた…。
そんな時に
「んあ!?ななな、何だ!?」
突然、驚きの声を上げる聖司。
「わわわっ!うわあっ!!」
(どどど、如何なさいましたか聖司様!?)
驚き続ける聖司に、神音が慌てて尋ねる。
其れと同時に、聖司に異変が無いかと、聖司をスキャンする神音。
「わああ!!はあっ!?」
(聖司様!?こ、これは一体!?)
聖司の異変の原因を理解した神音も、其の異変に驚くのだ。
「な 何だこれは一体!?突然急にエネルギーが回…復?したぞ!?」
(えぇ、其の様ですね聖司様…。でも一体何故…)
「そ、其れは俺が聞きたいよ…」
困惑する2人が驚く原因とは、何と聖司の魂力が回復し、魂力の底上げもされていて、更に今迄の3倍の力を扱える様に為っていたのだ。
突然の完全回復と共に、3倍もの底上げもしたのだから、驚くのも無理は無い。
驚きから戻らない神音が、聖司に
(せ、聖司様、お体は大丈夫ですか?)
「………うん、あぁ大丈夫だ」
(其れは良かったです。ですが一体何故この様な事が起こったのでしょう…。何か心当たりはございますか?)
神音に心当たりは無いかと尋ねられ、少し考えて答える聖司。
其の思い当たる事とは
「…理…?俺今、時間や空間…其れに、生命に付いての理の在り方の凄さを思ったんだ…。もしかしたら…もしかしたら、この中に俺の属性が在るのも…」
今現在、神音の存在感を凌ぐ程に強く成った、聖司の魂力。
今語った中で、聖司の属性に刺激を与えたモノが在る。
現に、聖司の魂力が回復し、更に力を大幅に増した事で、ほぼ確定と成った。
(理…ですか…。もし今語られた中のどれかなら、大きな進歩ですね…良かったです、聖司様…)
聖司の属性のヒントと為るモノが、判明した事により、後は1つ1つ確かめて行けば良い。
只其の数が、他の家族達とは違って、確認する作業が数多く在るだけだ。
「よし神音、現世に行くのは一旦止めだ。緊急に、俺の属性判別を先に済まそう」
(ですね、聖司様。ですが、ピンチのご家族の方達は、如何致しますか?今の聖司様なら、約束の異空間に戻り、再度ご家族の元へと行くのは容易いですが、ご家族の元に参られますか?其れとも、属性判別に専念されますか?)
其の問いに聖司は
「フフフ神音、決まってるじゃないか」
(決まってる…?)
「勿論両方だ!」
(両方!?また如何してそんな…)
聖司の考えに、追い付かない神音の驚く声に、聖司が少し、嬉しそうに答える。
「ハハハッ家族の元へと向かえば、必ずエネルギーが減るだろ?」
(はい…まぁ其うですが…)
「なら減った其の時にさ、1つ1つ回復出来るモノを試せば良いだろ?違うか?」
(おぉ…何とまぁ〜其処迄お考えしての事なのですね、流石聖司様です、我が主人として、とても誇らしく思えます)
神音の驚きと喜びを感じ、自分も誇らしく思えた聖司。
「あはは、ありがとう神音。其う言ってくれて…」
(いえ、正直に思った迄の事です)
「アハハハハッ其れでもありがとう、お前の其の思いに感謝するよ…」
(はい、聖司様…)
こうして、聖司の属性のヒントと為るモノが、朧げだが判明した。
後は追々分かれば良い。
其う思いながら、約束の異空間へと向かうのでした。
「さぁ行こうか!」
第86話 ヒント 完
はいはいはいはいはあいはい!
皆さん、↑これ、上手く読めましたか?
ってな感じで何事も無かったかの如く、しらっとお聞きします。
今話は如何でしたか?
まぁ〜僕らしい、ぐだぐだ感満載仕様のお話でしたね〜。
然もまた、匂わせ感漂わせての終わり方…。
うん良い♪
これでこそ、喜遊元 我可那使用っすわ。
では次話ではね、今回の続きが読めると思いますよ?
そんなの当たり前だろうが!ってツッコミ下さいまし。
宜しくね。
無理矢理弾けた感じで、後書きを締めたいと思います。
済いません…長らく続きを投稿しませんで…。
其れじゃまた次話で〜。




