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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
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85/85

聖司と神音編 2

 前回の投稿から既に、4ヶ月?経ってるそうですよ、其処の皆さん。

 信じられます?

 僕は信じます。

 って無駄話は如何でも良いとして、4ヶ月振りの最新話をパパッと読んじゃって頂〜戴。

 文字数9,000超えですけどね。

 さぁさぁパパッとね、パパッと読んじゃって下さいまし。

第85話 核の在り方


(聖司様、早くして下さい)

「……………」

(聖司様!これ位の事で、何へたばっているんですか!ほら早く!)

 容赦ない叱咤を浴びせられる聖司。

 ピクピクしながら

「か、神音…俺未だ…力が回復…して…」

(ダラシないですよ!聖司様!何弱音を吐いてるんですか!?)

 ピキィッ…

「……おい神音…黙って聞いていりゃ〜…!俺メッチャ疲れてんだぞ!!あれだけの魂力を使われたのに其の言い方!!幾らお前でも、其れは言い過ぎ何じゃないのか!?」

 ブチ切れる聖司。

(!!)

「ちょっと位は余裕を持てよ!…あっ…今ので魂力…使い切っ…」

 パタン…。

 怒り任せに怒鳴った所為で、最後の魂力を使い果たした聖司は、其のまま気を失うのでした。

(聖司様!?聖司様!!)

 何度も呼び掛ける神音だが、全く反応無し!の聖司。

(あぁ…私とした事が…主人で在る聖司様に何て事を…)

 ピクリともしない聖司を見ながら、神音は考えた。

[まぁ良いでしょう…。今後の事も考えて、私がしっかりと聖司様を鍛えましょうか…。少々ハードに成りますが、主人の事と思えば、如何って事無いですしね…フフッ…]

 と、聖司にすれば、迷惑極まり無い事を平気で思う神音だった。

 其うとは知らない聖司は、家族の誰よりも、哀れなのかも知れない…。

[さて、未だ魂力が回復してませんが、強制的に目を覚させて頂きますか]

 何処か楽しそうな神音の、容赦無い強制覚醒を施される聖司。

 魂力に直接、少し?強めな電撃を撃たれた聖司は

「ウギャアァ──────ッ!アババ…」

 悲鳴を上げ、仰け反りバタバタと悶絶し、目を覚ますのだ。

「ななな!何ダ───────ッ!おい神音!い、今のは何だ!」

 ブチ切れの聖司が、神音に問う。

 だが残念、目は覚ましても、未だ疲労から起き上がれない聖司は、うつ伏せのまま怒鳴るしか出来なかった。

(良かった、ようやく起きられた様ですね)

「あぁありがとう…って違うだろおー!今のは何だって聞いてるんだ!」

(………?何の事か…さっぱり…?)

 しれっとなのか、本気で言っているのか、私には分かりませんと答える神音。

「ぅおおお〜い!神音!!な〜にしれっと、何の事かさっぱり…?だ!?何しら切ろうとしてんだよ!お前俺の魂力に直接、ダメージ喰らわせたじゃないか!メッチャ激痛で泣きそう何だが!?」

(あぁ〜其の事ですか)

「!!」

 平然と“あっ其れの事?”みたいな感じで答える神音に、驚きまくる聖司。

(そんな事よりも、早く起きて下さい聖司様)

 そんな事と吐き捨てる神音。

「おい神音!何だ!?其のそんな事よりってのは!お前、一体俺に何をしたんだ!?」

(………あぁ其れの事ですか、何をされたかとお聞きされてるのですね?其れは、何時迄も、()()()()()寝ておられた聖司様を起こそうと、魂力に直接微量の電撃を与えたまでです。其のおかげで、やっと聖司様が起きられました、とても良かったです。で、スッキリされましたか?)

「………お、おまっ…か、神…」

 余りにも堂々と、悪びる事なく言う神音に、言葉が詰まって何も言えなく成る聖司。

 この時、聖司の中で、色んな感情の糸が()()混ざり、ワナワナと爆発秒読み開始する。

 3・2・1・0

「ふざけるなぁー!おい神音!お前、俺に何したのか分かってんのか!?少なくともお前の主人で在る俺に対し!何電撃喰らわせてくれてんだ!?其れが主人に対して、従者のお前がする事かあ!?」

 未だグッタリと倒れ込んでいながらも、キレた聖司の怒声が激しく落ちる。

 まさか此処迄キレるとは思ってもいない神音。

(!!も、申しわ)

「黙れ!!今更謝罪等要らん!!確かに俺は不甲斐ないさ!此処ぞって時に、色々とやらかすのも分かってるさ!でもな!絆を結んだ相手に、こうも平気で好き放題されると我慢ならん!お前とは主従関係では無く、対等に、共に歩み続けたいと思ってるのに、これじゃとてもじゃ無いが、出来そうには無いぞ!!」

 神音の謝罪を遮って、怒りを()つける聖司。

 本気の怒りを聞き、聖司の性格を見誤っていた神音。

 何方かと言うと、弄られキャラの聖司。

 そんな聖司だからと、これ位なら許される筈だと思っての今回の言動。

 其の結果、聖司の怒りに触れて仕舞ったみたいだ。

(本当に、申し訳あり)

「聞く耳持たん!」

(!!)

 余程、聖司の逆鱗に触れたのか、再度謝罪を遮り、一切許す事は無いと言うのだ…。

 暫し無言が続き、お互い気不味く成って来た頃…

(……では独り言を呟きたいと思います…)

 と、神音が話し始めたのだ。

(私はどの宝具よりも強く、我が主人の為に全てを捧げようと思っていました…。其の思いが強く成り過ぎて、間違った方に思い進んでいた様です…。永い時を経て、やっと仕える主人と出逢い、其れだけでもこれ迄待ち続けた使命が果たせると、喜びが私の存在を満たしたのに、更に絆だけでは無く、持つ事を許されなかった名迄与えられ、私と言う存在価値迄見出されて、これ以上も無い喜びと幸福感で満たされました…。私の存在全てを賭けて、この方に従い尽くそうと、心から思えました…。ですが、主人と決めた方の心の器の大きさを知り、其の寛大さについ、甘えが生じた様です…。情け無い…私は私が情け無いです…。護り支えるお方の優しさに甘えるとは…本当に情け無いです…)

 暫し沈黙を挟んで、神音が“独り言”をまた、言い始める。

 其れを無言で聞く聖司。

(如何やらやはり、名を与えられた私は、“意思”から“意志”に成り変わったのかも知れません…。寛大な聖司様のお心を裏切るやも知れません…。このままでは、与えられし使命を果たす事が出来ません。其れでは私の存在意義も無く成ります…。果たすべき使命を果たせぬのなら、この名をお返しし、私は自我を2度と持たぬ様、破壊封印しようと思います…)

「!?」

(聖司様、大変短い間でしたが、私に主人と名を与えて下さいまして、誠にありがとうございました…。聖司様と絆を結べて、更に名迄与えて頂けた事を感謝します…。如何ぞ、今後の聖司様に幸在らん事を…)

 神音の独り言が終わった途端


 ピイィ──────…


 甲高い音が鳴り響き、神音が自身の自我を破壊し始めた。

「!!?」

 絆の繋がりで、本気で自我を破壊しようとしている事を理解し、驚く聖司。

「や、止めろ!!神音!今直ぐ止めるんだ!」

 慌てて止めさせ様と叫ぶが


 ピイィ──────…


 破壊しようとする音が止まらない。

「神音!!今直ぐ止めるんだ!!俺の言う事が聞けないのか!!これは王としての命令だ!!神音!!」

 止めようとしない神音に、王の命として止めさせ様とする聖司。

(!!は、はい聖司様)

 王命と言われ、即座に自我の破壊を止める神音。

「バカ野郎!何勝手に自我を消滅しようとしてんだ!勝手に自己完結しようとしてんじゃ無いぞ!!」

(も、申し訳)

「神音!よく聞け!」

(はは、はい!)

 神音の謝罪を遮り、話を聞けと怒鳴る聖司に、ビクッとしながら、はいと答える神音。

「確かにお前のする言動に、怒りをぶち撒けたさ!でもな、其れはお前のズレた感覚に怒りを覚えた迄で、お前の存在や意思に怒りを感じた訳じゃ無い…。確かに不貞腐れて、無言を貫いたが、だからと言って、即座に自己完結しようとするなよ…。悲しいだろ…?なぁ…神音…」

(………聖司様……)

「俺も言い過ぎたよ神音…済まない…。其れに、最初の俺セルジとは違い、王でも無いのに、王命だと言って命令した事も謝るよ…」

 最初の自分ならば、王として命じても可笑しくは無いが、今の自分では、只虎の威を借る狐でしか無いと、王命を口にした事を恥じる聖司だった。

(………聖司…様…)

「なぁ神音…頼むから勝手に消えようとか、自己完結しようとか、しないでくれないか…?永い時を経て、やっと繋がった絆なんだ、もっと気を楽にして、自由を謳歌してくれても良いんだぞ?まぁ其の行き過ぎる考え方をさ、もう少し直してくれると嬉しいんだがな…。如何だ?出来そうか?神音…」

 聖司の労りの心に、存在感の中心から熱が込み上げ、心が震える神音。

(……聖司様…はい、今後其の様にさせて頂きます…。ありがとうございます聖司様、そして誠に申し訳ありませんでした…)

 誠意を込めた、感謝と謝罪の言葉に、聖司も胸が熱く成るのだ。

「分かってくれたなら、其れで良いから…」

(はい、聖司様…)

「ははっこの遣り取り、ちょっと小っ恥ずかしいなぁ〜。でもありがとう、これからも宜しくお願いするよ神音。ずっと一緒に居てくれよな?」

(フフフ…はい聖司様…。私からも是非お願い致します)

 アハハと笑い合う聖司と神音。

 この時点で怒りも無く成り、またお互いに、信頼と信用が高まった2人だった。

(フフフ聖司様、これからも如何ぞ宜しくお願いします。唯…)

「あぁ宜しく神音。で、唯?如何したんだ?」

(申し上げ難いのですが、未だうつ伏せでの説教では、其の…何と言いますか、威厳が全く感じられません…)

「グフッ!」

 今迄の一連の遣り取りをしてる間中も、ずっとうつ伏せで動けないでいた聖司。

 神音に指摘される様に、全く威厳が感じられない聖司なのでした…。

 少し回復した魂力を、怒声や説得するのに使い果たしたからなのでした。

 今この場に、残りの家族が居なくて良かったと思う、情け()無くて締まらない、聖司なのでした。

 信康と阿沙華がよく言う“抜けている”が、しっくり来るよな…とも思う、聖司自身。

 動けないまま、情け無さだけが今も、駆け抜けている様です…。

 ピクピクしている聖司に

(………あの…聖司様…)

 少し恐る恐る話し掛ける神音。

「ん…何だ…?如何した神音…」

 相変わらずうつ伏せ状態の聖司なのだが、何処か未だちょっと機嫌が悪そうだ。

(未だご機嫌が戻られて無いご様子…。誠心誠意、お詫び致します…。で、聖司様にお話をしても宜しいでしょうか…?)

「……良い大人が何時迄も不貞腐れてちゃ〜いけないよな…。あぁ話をしても良いぞ?で、どんな内容の話何だ?」

(ありがとうございます聖司様。ではお伝えしたい事を話します。実は先程、聖司様を強制覚醒させた時に、魂力の底上げも同時に致しました。ですから、ほんの少しでは有りますが、聖司様の魂力が増加強化されています)

 此処に来て、サラッと重大な事を言う神音。

「………!?」

 暫し思考停止をした聖司。

 思考停止した後、神音の言った内容を反芻し、理解して驚いて仕舞う聖司。

「かかか、神音!?こ、魂力を底上げ?どどど、如何言う事だ!?魂力の底上げってのは!?」

 疑問を其のまま()つけると

(…?えっ…底上げですか?)

 ちょっと言ってる意味が分からないみたいに、逆に聞き返す神音。

「いやいや何聞き返してんだよ神音。まるで言ってる意味が分からないみたいな、知ってて当たり前でしょ?みたいな感じで聞き返してもさ、俺、ま〜ったく理解出来て無いんだが!?頼むから、ちゃんとした事を教えてくれないかな…」

 と、焦りながら聞き返す聖司。

(あっ成る程…其う言う事ですか…)

「成る程、其う言う事ですかって…お前…。神音、如何やらお前は、自分の中で自己完結する癖が有るみたいだな…。自分の中で完結しているから、既に伝えた気に成ってるみたいだな。其れでは相手に伝え切れないぞ?本当に伝えたい事なら尚更な…」

 これ迄の遣り取りで、神音の()を何と無くでは有るが、理解した聖司は、神音に諭すのだ。

 此処に来てようやく、本来の聖司らしい言動が出始めた様だ。

 諭された神音は

(……聖司様、ご指摘ありがとうございます。今後は其う成ら無い様に、気を付けます。では先程の疑問にお答えしても宜しいですか?)

「あぁ頼むよ…」

(了解しました、では。今回の様に、魂力を使い果たした時に魂力を回復させるには、其れぞれの属性の波長と合わせる事で、失った魂力を回復します。此処迄はご理解出来ましたか?)

「…あぁ、何と無くイメージし易くて、一応理解はしたよ」

(其れは良かったです。聖司様以外のご家族の方なら現世にて、其れぞれの属性の波長で回復出来ます。ですが属性が定まってない聖司様の場合、私が行った強制覚醒か、私の存在感の元で有るエネルギーを譲渡しなければ成ら無いのです。これもご理解、頂けましたか?)

「……あ、あぁ…」

 神音の説明に聖司自身、属性が定まってない事が、とても面倒なのだと思った聖司。

 更に、気に成る言葉に

「なぁ神音、説明の最中だが、また聞きたい事が有るんだが、聞いても良いか?」

(はい、構いません。何をお聞きしたいのでしょうか?)

「いや何、エネルギーの譲渡って言ってたが、其のエネルギーとは、お前の存在感の元から来るエネルギーって事だよな?」

(はい、正に其の通りです)

 普通に其うだと答える神音に

「おい、ちょっと待て!其れってお前の存在が危ぶまれる、かなり危険な行為何じゃないのか!?」

(えぇ、其う捉えて頂いても宜しいかと…)

「!!そんな!!ダ、ダメだ!!お前の身に危険が及ぶのなら、譲渡何て行為は絶対するんじゃないぞ!!そんな事されても、俺は嬉しくは無い!絶対ダメだ!」

 未だうつ伏せのままなのだが、聖司の必死さが伝わって来る。

(聖司…様…)

「何かの、誰かの犠牲で助かるだなんて、俺は嬉しく無い…。だから神音、犠牲に成る行為だけは、しないでくれ…頼むから…」

(……はい了承致しました…聖司様…)

「分かってくれたのなら…ありがとう…神音…。で、またもう1つ聞きたいのだが…」

(如何ぞ、何がお聞きしたいのでしょうか?)

「……ぅ〜ん…え〜っと〜だな、もう1つの方の強制覚醒の事何だが…」

(はい、微力の電撃を与えてってヤツですね?)

「あぁ其れ。あれ本当に微力だったのか?メッチャ激痛だったんだぞ!?未だ他の遣り方は、無かったのか?其れに、魂力の増加ってのは一体…ってあれ?疑問1つだけじゃ無いよな…済まない…」

(ウフフ…別に1つだけじゃ無くても大丈夫ですよ?お聞きしたい事が有れば、何なりとお聞き下さい。答えられるモノならば、全てお答え致しますから…)

 優しく応える神音に、未だうつ伏せのままの聖司が

「あぁありがとう、神音…。済まないなぁ…未だこんな状態のままで聞くだなんて…情け無い…」

(其の事は、如何かお気になさらずに聖司様)

「悪い、ありがとう。で、答えられる質問だったか?」

(はい、全てお答え出来ます。早速お聞きに成りますか?)

「あぁ宜しく頼むよ」

(では…)

 相変わらずうつ伏せ状態の聖司に、優しい口調で話し始める神音。

(聖司様に与えた電撃、分かり易く言うのならば、聖司様の時代に存在した()()()()()?程の、ごく微弱な電力を与えました)

「!?えっ?…あの痛みでか!?」

(はい、其うです。魂力の核に直接でしたから、微弱でも痛みの度合いが増した様です。ですが、魂力が回復しないままでは有りますが、強制的にも覚醒した事で、聖司様の魂力の核が以前よりも、増加増強された事は事実です)

 此処に来て、また重要なキーワードを聞かされた聖司は

「か、神音?なぁ今サラッとまた凄い事言わなかったか?魂力の増加増強って…」

(…?はい、其う申しましたが、其れが何か?何か問題でも?)

「ぅおぉい神音!な〜にが何か問題でも?だ!メッチャ問題って言うか、重要事項だろ!?如何言う事か、詳しく教えてくれよ!ま〜た自己完結してんじゃないっての!ったく…」

(あぁこれは申し訳ありません…。先程お約束したのに、未だ習慣が抜け切って無いみたいで、大変申し訳ありませんでした。更に言えば、最初の聖司様で在る、セルジ様の時代のモノ達は、モノの理りを理解していましたので、遂其の時の感覚で話を進めて仕舞いました。重ねてお詫びします…)

 神音の詫びの説明で、セルジの時代の凄さを改めて知り、其れが当たり前だったのなら、神音の言動も、しょうがないのかもと思う聖司だった。

「…今の話を聞いてて、改めて、始まりの俺達の時代の凄さを知ったよ…。俺達の時代とは、かなり掛け離れてるってな…。まぁ其う言う事だから、今後は今の俺達に合わせてくれないか?」

(はい了承致しました)

「じゃ、早速宜しく頼むよ、魂力の増加増強ってヤツをな…」

(分かりました…では早速お答えします。聖司様達なら魂力、私達宝具は存在感に、力の源と成る核が存在します。其の核に蓄えられたエネルギーが、様々な不可思議な現象を引き起こします。聖司様の術や、私達が使用する次元を越える現象も、此処から生み出されるのです。其処迄はご理解頂けましたか?)

 本当はもっと複雑なのだが、聖司にも分かり易くと、かなり砕けた説明をする神音。

 聖司とセルジの時代が違う為、理解するのは不可能だと判断した神音。

 其れが正解だった様で

「成る程、其う何だな…。ありがとう神音、此処迄は理解したよ。なので、続きをお願いするよ」

(はい聖司様、では続きを…。限界迄力を失われた状態で、無理矢理魂力や存在感を回復すると、其の核が底上げされ成長します。核の成長は、時間を掛けて行う事も出来ますが、手っ取り早く成長させるのは、このやり方が1番なのです。我々宝具も永い年月を掛け、同じ様に存在感の底上げをして参りました。何時か出逢う主人の助けに成る為に…。ですから我等宝具は、超常現象を引き起こせる、莫大なエネルギーを所有しているのです…)

 神音の説明に、只々驚くばかりの聖司。

 驚きながらも、ふと疑問として思った事を聞く。

 返って来る返答に、余りにも安直な疑問を口にしたと恥じるのだが…。

 其の疑問とは

「其うなのか、其うやって力を高めて行くのか…。ありがとう神音、分かり易かったよ、お前の説明は」

(いいえ此方こそ、即座にご理解頂けた様で嬉しく思います。ありがとうございます聖司様)

「いや、ハハハッ本当お前の解説が上手だっただけだよ。で、思ったんだが、今の俺の状態なら、さっきの神音の強制覚醒で、魂力の核の底上げは出来てても、未だガス欠状態何だから、俺さへ我慢すれば、先程の電撃を与え続けていたら、あっという間に魂力の底上げが大幅に完了するんじゃないのか?もし其うなら、我慢は得意だからさ、是非其うしてくれないか?今の内に、家族を護れるくらいに強くなりたいからな…」

 と、家族を思う聖司の提案に、気が重く成りながらも答える神音。

(……聖司様、大変申し上げ辛いのですが、其れは出来ません…)

「ん?えっ?…神音、出来ないとは…」

(聖司様が考えたやり方では、魂力の核に負担が掛かり、本来の聖司様とは別の存在に、変化する恐れが有ります。其う成った場合、聖司様とは別の存在として扱い、我等宝具との絆や使命を果たす事が出来なく成ります。更に言えば、()()聖司様の使命も無くなり、彼のモノの呪縛も破棄されます)

「ん!?呪縛も破棄!?なら呪縛が解けて助かるのなら、家族皆んなが同じ事をすれば呪縛は解け、万事上手く行くんじゃないのか?」

(其れは其うなのですが、其れでは聖司様達の使命で有る、輪廻を終わらせる事と、彼のモノに囚われている善成る魂を解き放つ事が出来ません…。先程も言い掛けたのですが、()()聖司様達が解放されたとしても、()()()聖司様達を彼のモノが、其う成らない様に阻止し、()()聖司様達を歴史から消滅する恐れが有ります。其う成ると、これ迄習得された全てが無駄に成るでしょう…。ですから聖司様のご提案は、実行出来ません…)

 聖司の考えた遣り方をした場合の弊害や、其れによって起こり得るであろう未来予測を聞き、安直な考えをしたのだと、聖司は恥じた。

 此処でも修練場で言われた、信康と阿沙華の言葉、“良く考えろ”が頭に響くのだった。

 其の言葉を思い出し

「……へへ…ほ〜ん当俺ってダメだな…。信康や阿沙華に忠告されてたのに、ま〜た深く考えもせず、簡単に思った事を言っちまったよな…。情け無い…」

(………聖司様……)

「良くよく考えれば、そんな甘いモノじゃ無いって、分かるのになぁ…。修練してた時に、既に体験してたって言うのに、な〜んで其れを忘れちまうのかなぁ…。本当、俺の考えの甘さが情け無いよ…」

 考えの甘さを悔やむ聖司に

(聖司様、そんなに卑下されないで下さい…。今回の提案は、ご家族の事を思っての事。何とかしたいと強く思うからこそ、出て来た考えで有って、決して恥じるモノでは無いと、私は思います)

「……神音……」

(其れに聖司様は未だ、この世の理をご理解しておりません。ですから、今後も思った事を仰って下さい)

「…ありがとう神音…是非其うさせて貰うよ…。頼り無い俺だけれど、宜しく頼む。其れに、俺が誰もを護れる位に、悪いが指南してくれないかな…?」

(はい、お受け致しました…聖司様…)

 こうして、2人の心が通い合い、また絆が強く結び付くのだった。

「所で神音、この始まりの異空間ってのはさ、時間が止まっているのか?家族の助けに行きたいんだが、1度に行く事は出来ないし、其れに未だ俺自身が回復して無いから、助けに行きたくても行けそうに無いんだが…」 

 今現在を思うと、当然と出て来る疑問に

(この始まりの異空間は、全ての時が止まっています。ですから誰を先に助けに行こうが、余り関係は無いですね…。唯、順序良く助けに行く方達を決めた方が宜しいかと思われます)

 何やら含んだ言葉に

「其うなのか…」

(聖司様?如何されましたか?何か思い当たる事でもございますか?)

「う〜んいや何、此処は時が止まっているのかと思ってさ…」

(…?其れが何か…?)

「あのさ神音、ちょっと聞きたいんだが、時が止まってるのは此処だけで、他の家族達の時間は如何何だ?進んでいるのか?」

(…進んでいます…)

「ハァ!?其れじゃ家族皆んなが同時にピンチの時、いっぺんに助けに行けないじゃないか!」

(其れは大丈夫です。何故ならば、今居るこの空間は、全ての時と結び付いているからです)

「んんんん!?…神音、そ、其れは如何言う…」

(先程にもお伝えしましたが、効率良く行えば良いと言った事は覚えてますか?)

 神音の質問に

「………あっ何と無くそんな事言ってた気がする…」

(………ふ〜ぅ聖司様…聖司様が()()()()とご子息様達に言われるのは、そんな所ですよ?)

「うっ!…」

 神音のツッコミに、反論出来ない聖司。

(まぁ今後は其う成らない様、しっかりと行動して下されば良いので、話を進めます。先程も言いましたが、全ての時と結び付いているこの空間は、全ての時にリンクされているのです。ですから順序良く進めれば、全てのご家族の元に行く事が可能なのです)

 今説明された内容に


 プシュゥ─────………


 聖司は頭から煙を上げ、意識を飛ばすのでした。

 余りにも理解不能と、難解な説明だった様です…。

 煙を上げる聖司に

(…聖司様?…聖司様!?…聖司様!!)

 情け無い姿を更に晒す聖司に、唯ひたすら焦る神音なのでした…。

 如何やら今回は、此処迄の様子。

 聖司に理解する事が出来るのでしょうか?

 只焦る、聖司を呼ぶ神音の声だけが、この空間に響くのでした…。

(聖司様!大丈夫ですか聖司様────!)


第85話 核の在り方 完

 間を空けた割に、こんな感じのお話でした。

 皆さん如何でしたか?

 満足ですか?

 僕は満足?です?かね?

 さぁ次話は何時に成る事やら…。

 寛大な心で待ってて下さいませ。

 何せ1日の、活動限界時間が短く成って来てますからね…。

 ゲホゲホゲホ…病人は辛いっすわ…。

 ゲホゲホゲホ…。←嘘咳

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