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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
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84/84

聖司と神音編

 今回は、と有る事情で、小説を投稿するのを控えてました。

 詳しくは後書きにて、理解出来ると思います。

 さぁさぁさぁ、この小説の主人公で在る聖司のお話が始まります。

 では始まり始まり〜♪

第84話 ヘロヘロ聖司…


 聖司は、大切な家族達と別れ、向かう現代にて、“神音”と名付ける宝具の意思が宿る指輪と共に、現代へと向かっていた。

 他の家族達は過去の時代に対し、神音の本体が在るのは現代。

 肉体の無い魂の状態の聖司がもし、依代と成る肉体を手に入れられたなら、皆んなには悪いが、現代の快適な文明を満喫させて貰おうかと、密かに考えていた薄情者。

 現代に思いを馳せて、アレコレ楽しそうにしているのだが、聖司の従者で在る神音は、これから幾つもの試練が降り掛かる事を分かっているのだ。

 他のどの家族達よりも、聖司に待ち受ける試練と()()の多さを思うと、聖司のやる気を削ぐ事に成るだろうと、其の事を言えずにいた。

 正に今、現在に向けて、楽しそうにほくそ笑んでいる聖司には、とてもじゃ無いが、言えそうには無い…。

 隠し事は無しだと約束したばかりなのに、既に約束を反故している事に、罪悪感を感じながら、目的の時代の現在に到着する。

 案の定、現代に着くなり

「隠し事は無しだと言っただろうが!」

 と、激しく怒る聖司。

 だが、名を授かる前の神音が、胸の内を正直に話し謝罪した事で、主人で在る自分の事を想っての事だと知った聖司は、自分の言動を謝り、指輪に宿る宝具の意思に、神音と名付けた。

 名を授かった神音は、これ迄に味わった事の無い幸福感に満たされ、歓喜する。

 其の喜び様が、絆で結ばれた聖司にも伝わり、聖司も心から良かったと、共に喜びを分かち合うのだった。

 だが其れも束の間、聖司は愕然とする。

 何故なら神音を手に入れるには、何度も時を行き来し、正しい手順を踏まないと、本来の神音本体には成らないのだ。

 其の最初の年代に到着した時に、神音が検索した結果、何故か同じ年代に、神音本体の一部が2つ存在していると言う。

 この時点で既に、ややこしい事態と成っていると、神音が言う。

 約束の異空間で検索した時には、こんな事態に成っているとは思っても無かった神音。

 神音も困惑しながら、何がややこしいのかと聞く聖司は、其の内容を聞いて、ゲンナリして仕舞う。

 先ずは、手順を間違えずに手に入れなければ成らない。

 今この年代に、2つの本体のかけらが在る。

 其の何方かを先に手に入れるのか、同時に手に入れなければ成らないのかが、分からないと言うのだ。

 今居るこの年代で手に入れた後、時代を未来に進めた先で、次の本体のかけらを手にしなければ成らない。

 其の後また、年代を飛び越えて過去に戻り、更にまた時を超えて、本体のかけらを入手しなければいけないのだ。

 本来ならこの年代には、1つしか存在していなかった筈。

 其れなのに、2つも存在している事が、神音を困惑させ、悩ませていたのだ…。

 この時点で既に、ややこし過ぎて、頭がパンクして仕舞う聖司。

 これ程迄にも面倒なのかと、嘆くのだった…。

 こんなにも面倒だとは思ってもいなかった聖司は、確かに、ウキウキ花咲頭の自分に対して、ややこしい事は言えないよな…と神音に対して、申し訳ない気持ちが強く成るのだった。

 悪いと謝罪し、再度検索を頼むと

(謝罪等必要有りません、聖司様…。主人の助けになる事が、私達の喜びなのですから…。逆に罪の意識を持たせて仕舞い、大変申し訳有りません…)

 と、逆に謝られるのだ…。

「神音、お前に謝らせるつもりは無かったんだ、だからこれ以上、謝らないでくれないかな…?お願いだから…」

(………聖司様……。お心遣い、感謝します…)

「あぁ俺も感謝するよ神音…」

(…はい聖司様…。ではお互いの謝罪は此処迄にして、検索結果を申しても宜しいでしょうか?)

「あぁ其うしてくれ、神音」

(承知致しました…では早速。…両方共、この年代で、手に入れるモノでした)

「おっ!?其うなのか?」

(はい其の様です…。唯…)

「ん?如何した神音…。唯…何だ?」

(この年代の2つは、同時に手にしなければいけないと、判明しました…)

「へぇ〜成る程ね〜…。で、何が気に成るんだ?」

 この時神音は

[この方は、理解力が少々足りない様ですね…。これは少々鍛え甲斐が有ると思えば宜しいかも知れませんね…]

 と、思うのだ。

 其う思いながらも、主人の聖司を成るべく傷付けない様に、言葉を選び

(聖司様、先程もお伝えしましたが、正しい順序で手に入れなければいけません。其の事は、ご理解頂けてますよね?)

 と、問うと

「あぁ其れ成りにはな…」

 と、何とも頼り無い返事が返って来た。

 ハァ〜と思いながらも

(何と無くでもご理解頂けたのなら、嬉しく思います。では本題として、今回は私の本体のカケラを()()()()()手にしなければ成りません…。1つは何処の誰かは知りませんが、私の本体の1部を所持し、もう1つは展示されています。付け加えて言うと、其々別の場所に存在しています。其の別々に存在している其々を同時に手に入れなければ、本来の力を失って仕舞います…)

 此処迄聞いて

「ハァ!?其うなのか!?」

 やっと少し、事の重大さを理解する聖司。

「マジかぁ…ややこしいなぁ…ん?あれっ?なぁ神音、其う言えばさっき、この年代に在るという本体の一部は、何処かの誰かが所有してるって言ってなかったか?」

(はい其うです)

「更にさ、確か展示されてるとも言ってたよな?」

(えぇ其の通りです、聖司様)

「エエエッ!?そ、其れじゃ如何するんだ!?」

(何をでしょうか…?)

「何をでしょうかって神音、お前の本体が、所有物として存在してるんだろ!?」

(えぇ其うですよ?)

「おいおい、ちょっと何軽い返答してるんだよ神音!?所有物って事は、其れを盗みに行くって事だろ!?」

(いいえ、其れは違います。盗むのでは無く、勝手に私を無断で所有してるので、此方も無断で返して頂くだけですよ?聖司様)

「いやいやいや、其れは間違い無く盗みだろう!?無断で掻っ攫いに行くって事だろ?」

(まぁ其う成りますかね…)

「〜〜〜っ!其れって、犯罪だろ!」

(…?…何を仰っているのですか?元来は私自身を元に戻すだけですし、本来の所有者は、聖司様なのですよ?犯罪には成りませんが…?)

 この時聖司は

(何サラッと怖い事言ってるんだよ…)

 と、神音の平然とした態度に、少しだけ恐怖を覚えたのだった。

「犯罪に成らないって、怖い事言うよな〜…。あっでも、本体と同じモノに似せて、気付かれない内に変えちゃえば、バレないよな〜…」

(フフッ…聖司様、聖司様も怖い事を仰ってますよ?)

「あっ…ハハッだよな〜アハハハハッ」

(ですが其の案使えますね…)

「おっ?本当か?イケそう?」

(えぇ本当です、其の案で行きましょう。では早速、宝飾された私の模造品を作ります。暫しお待ち下さい…)

 其う言って今居る上空に至所から、何かを収集し始める神音。

 一体何をしてるんだ?と思った聖司が

「なぁ神音、模造品を作るって言って、一体今、何をしてるんだ?」

(模造品を作るにあたって、材料を収集してます…)

「ほぉ〜…材料ねぇ〜…。ん?って事は、宝石に成る石か何かを集めてるのか?」

(いいえ()()です…)

 ……………

「んん!?ゴ、ゴミ!?」

 聞き間違いかと思い、思わず間を空けて聞き直す聖司に

(はい()()です…)

 と、平然と答える神音。

「ゴゴゴ、ゴミィ〜〜〜!?聞き違いじゃ無く、マジでゴミを集めてるのか!?」

(ですから其うだと申してるじゃないですか…)

「おいおいおい神音!?何平然とサラッと言ってるんだよ!?だ、大丈夫なのか!?ゴ、ゴミを掻き集めて模造品何て作れるのか!?」

 聖司の疑問は、至って当たり前に出て来る疑問だろう…。

 其れなのに

(?…何か問題でも…?)

 と、何がいけないのかと、逆に聞き返す神音なのだ…。

「おいおいおい、ちょっとちょっとちょっと神音!?い、幾ら模造品だからって、そんな適当なモノで作られたら、さ、流石に直ぐバレるだろう!?」

(ご心配には及びません。元素に分解し、再度整形するだけですので…)

 サラッと凄い事を言う神音。

「ハア!?そんな高等技術が出来るのか!?」

 驚く聖司に

(?…其うでしょうか?)

 と、またサラッと軽く言う。

「いやいや凄いって!俺達の時代でさへ、そんな技術は不可能何だぞ!?其れを平然と当たり前の様に…」

 驚きを其のまま語る聖司。

 だが、返って来た言葉は

(私達には、次元を超える力がございます。次元を超える時に物体を元素に分解し、再構築するのです。其の応用なので難しい事では有りません…。更に言えば聖司様達も、基本と成る技術を習得されましたら、同じ事が出来る様に成られますよ?)

 と、簡単なレクチャーをするのだ。

「………マジ?……」

(えぇ本当です…)

「……そっかぁ…基本をしっかり覚えれば、俺にでも出来るんだな…成る程…」

(聖司様なら、必ず習得出来ると確信しています…。何せ、聖司様の属性は、特殊な属性のご様子ですから…)

 此処に来て、何かを含んだ様な言い方をする神音に

「属性!?…なぁ神音、お前にはさ、俺の属性が何なのか分かっているのか!?」

 聖司の疑問に神音は

(はっきりとは分かりません…)

 と答えるのだ。

「分からない!?何か分かってる口振りだったのに、何故分からないって言うんだ?」

(…正直にお答えしても…?)

「あぁ是非答えてくれ、神音…」

(では…。絆が結ばれた事により、聖司様の属性が、私の使用する能力にも影響が有るのです。我等宝具は、主人の属性に影響され、其々の仕様能力が変化するのです。唯私の場合、聖司様が属性をご理解していないので、変化し切れてません…。宝具の主人が、ご自分の属性を理解しないと、我等の仕様属性が、確定しないのです…。ですから聖司様が属性を理解する迄は、私の仕様属性も定まらないのです…)

 と、宝具の隠された秘密を知った聖司だった。

 この説明により、護都詞の識の使用する能力が闇だったり、信康のロマンが炎系だったり、風属性の権也の宝具で在るカンちゃんが、風の攻撃を得意とした理由が判明したのだった。

 其の事を理解した聖司は

「其うなのか…。なら俺は、少しでも早く、自分の属性を理解しないといけないなぁ…。神音の為にもな…」

 と思うのだった…。

(焦らなくても大丈夫ですよ?時が経てば、自ずとご理解する筈ですので…)

 みたいに、焦らなくても良いと言ってくれるのだ…。

「あぁ其うだな…。ありがとう神音、少し気が楽に成ったよ…」

(そんな感謝の言葉等勿体無い、聖司様のお役に立てたなら、私くしとしても嬉しく思います。此方こそ、感謝のお言葉ありがとうございます…)

 神音も、聖司の役に立った事が、嬉しいと思えたのだった。

 絆の繋がりにより、本当に感謝してるのだと伝わり、嬉しさが増す聖司と神音。

 嬉しいと思いながら、黙って神音の作業を見ていた聖司が

「なぁ神音、ちょっと聞いても良いかな?」

 と、神音に尋ねる。

(何んでしょう…?)

「あっいやな、精巧な偽の模造品を作ってるが、本当にゴミで作っても良いのか?」

(?仰ってる意味が分かりません…)

「あ〜え〜っとな、幾ら偽物だと言ってもさ、お前自身の偽物を作ってるんだから、せめてゴミでは無く、ちゃんとした宝石とか、綺麗な石とかで作らなくても良いのか?」

 そんな聖司の問いに神音は

(元は私で在り、本来の所有者は聖司様なのですよ?無断で所有したモノに、其処迄高価なモノは必要有りません、ゴミで充分です…)

 認めても無いモノに、勝手に所有された事が腹立たしかったのか、ゴミで充分なのだと、スパッと言い切る神音。

「あっ…はい…」

 この時点で神音の性格と言動に、何も言えなく成り、何んでも有り何だなぁ…と、思えた聖司だった。

(少々お時間が掛かりましたが、完成しました…)

 完成した模造品を見た聖司は

「エェッ!?こ、これ、マジでゴミから作り上げたのか!?とても精巧に作られてるじゃないか!」

 余りにも出来が良くて驚く聖司。

 イメージを共有した時に見た、神音本体のカケラと、全く同じモノが目の前に作られていたから、本気で驚く聖司だった。

(そんなにも驚いて頂けるとは、とても嬉しく思います。ありがとうございます聖司様…)

「此方も、神音の凄さを知れて、とても嬉しいよ…」

 喜ぶ聖司に

(喜んで頂けて幸いです…。ですが、作り終えてから気が付いたのですが、問題がございます…)

「ん?如何したんだ?何が問題何だ?」

(…この2つを同時に手に入れなくてはいけないと、申し上げましたよね?)

「あぁ其うだったよな…。其れが如何したって言うんだ?」

(私を手にするには、聖司様が直接触れなければ成りません…)

「ほ〜ぅ其うなのか…で?」

(………聖司様、もう少しご自身で考える様に成らないと、ご子息様達に笑われ、呆れられて仕舞いますよ?)

「うっ…」

 神音に叱られる聖司。

(まぁ今後の課題として、取り敢えず簡単にご説明します)

「…はい、宜しくお願いします…」

(離れた場所に其々が、存在しています。其れを同時に手に入れるには、聖司様が同時に2人必要に成る訳です…。ご理解頂けましたか?)

 此処迄聞いて、初めて事のややこしさを理解した聖司。

「………えっ…っておいおい、其れって如何すれば良いんだ!?同時に俺が2人は、先ず不可能だろ!?」

(まぁ其う成りますよね…。ですから、如何すれば良いかと、悩んでるのです…)

 解決策を見出せない難問に、初っ端からぶち当たる聖司。

 如何すれば良いんだと考えていたら

(如何しましょうか、聖司様…。取り敢えず、このモノ等と対峙するか、何か良い案が浮かぶ迄、何処かに退避しますか?)

“はぁ?”

 と思って周りを見ると、10体モノの怪物が、聖司を取り囲んでいた。

(はぁ〜…さっきから何か居るなぁ〜とは思っていたが、まさかコイツ等だとは…)

 愕然としながら

「何んで俺だけこんなにも多いんだよ!ふざけるなぁ───っ!!」

 憤って吠えるのだ。

(まぁまぁお気を鎮めて下さい聖司様。今の聖司様ならこれくらいの数、何んとでも成りますよ?)

 お世辞では無い、本音で言う神音の言葉に

「おっ言うね〜…。ふ〜…腐っててもしょうが無い、神音の期待を裏切らない様、一丁やってやるかぁ〜!」

 一気に張り切る聖司。

(フフフッ其れでこそ、聖司様です。私もサポート致しますので、ご自由にストレス発散して下さい)

 怪物退治をストレス発散の道具扱いする神音。

 其の発想に

「アハハッ其れじゃ〜思いっ切り暴れさせて貰うなぁ〜!行くぞー!雹風月!爆轟炎覇ー!」

 神音と共に、10体の怪物と対峙している聖司は、何処か楽しそうに対峙していた。

 其れは多分、神音が本心で言ってくれた激励が、心から嬉しく思えたからだろう…。

 1体1体と対峙し、怪物を撃破すると

「ん?何んだ…このキラキラ光り輝く粒達は…」

 他の家族同様、解放された魂達の昇天して行く現象に、思わず呟くと

(あの腐れ外道(ししゃ)に取り込まれた、善なるモノ達の魂です。今、彼のモノから解放されて、昇天しているのです…)

 其れを聞いた聖司は

「……そっか…こうやって解放されて行くのか…。これで自由に成るん」

(成りません)

 言葉を遮り、スパッと否定する神音。

「ブフゥーッ!!ハアッ!?何綺麗に言い切ってるんだ!?そそそ、其れマジなのか!?」

(本当です…)

「………えっ…マジ…?」

(ですから本当ですよ?聖司様…)

「マジかぁ───!…で、自由に成らないってのは…」

(聖司様の居た時代の魂とは違い、五千年前迄の魂達は、特殊な力を持ってます。ですので、昇天する時には1度、彼のモノの居る次元を通過しなければ成りません。其う成ると、また彼のモノに取り込まれる恐れが有るのです…)

 神音の説明を聞き、次第に怒りが込み上げる聖司。

「ハア!?そ、其れじゃ、折角自由に成れた筈なのに、またあの使者(クソやろう)に使役されちまうってのか!?何んだ其れ!?馬鹿げてる!!」

(ですので、私が責任を持って保護します)

「!?ほ、保護!?」

(はい、保護です。我等宝具に保護されれば、どんな手段を使おうとも、奪われる事は有りません…。保護しても宜しいですか?)

 神音の問いに

「保護出来るのか?出来るなら、是非其うしてくれ…。絶対にあの使者(クソやろう)には、渡したくは無いからな!俺達が彼奴を倒す迄、神音、悪いが保護してて欲しい…」

(了承しました…。では早速保護します…)

 其う言って、即保護する神音。

 この遣り取りをしている間にも、残りの怪物を倒し続けていた聖司。

 全ての怪物を倒し、囚われし魂達を解放し、保護すると

ー 我等を解き放ち、助けて頂き、誠にありがとうございますセルジ様… ー

 保護と同時に、翻訳機能を施した神音。

 其のおかげで、魂達の声が神音から聞こえて来た。

 其れに驚く聖司だったが

「もしかして今の声は、解放された魂達の声なのか?」

(はい其うです…。このモノ達が、聖司様に感謝を述べたいと申していましたので、話せる様にしておきました…)

「本当凄いな神音は…。ありがとう神音、そして解放されし魂達の皆んなも、感謝の言葉を言ってくれてありがとう…」

 素直に嬉しく思えた聖司が、神音と魂達に、感謝を伝えると


 パァ─────ッ……


「!!」

(!?)

 聖司と神音が同時に、力を増すのだった。

「ななな、何んだ!?と、突然力が満ち溢れて来るぞ!?」

(わ、私もです…)

 突然の事に、困惑する2人。

 何故だと、困惑していたら

ー 良かった…どうやら私達の力の一部を上手く譲渡出来た様ですね… ー

 と、魂達が言うのだ…。

「えっ?…ちょっと待て…。其れって、お前達を使役してるって事に成るんじゃないのか!?」

 険しい表情をして問うと

ー ご安心をセルジ様。使役とは、無理矢理にされる事ですが、今回は、我等が勝手にした事なので、使役には成りません。如何か、我等の気持ちを汲んで頂けたら幸いです… ー

 と、聖司の役に立ちたいと想いを込めて、魂達が伝えてくれる。

「………皆んな……あぁ分かった、ありがとう。だがそんな事は、もう2度としないでくれ!頼むから、其れ以上身を犠牲にしないでくれないか?お願いだから…」

 聖司の慈愛の籠った申し出に

ー セルジ様…はい、今後は致しません…お約束します… ー

 と、敬愛の念で溢れる魂達だった。

 穏やかな時が流れそうだったのだが

(せ、聖司様!ご家族の方達に危険が迫ってます!)

 と、緊急事態を宣言する神音。

「な、何んだって!?誰に危険が迫ってるんだ!?」

(ほぼ全員です!)

「ハ、ハア!?」

(如何なさいますか!?)

「如何なさいますかって、助けに行くに決まってるだろ!?」

(了承しました。では一旦、この時代の私を探すのを保留とします)

「!!あっ其うだったよな!?でも其れで良いのか?神音…」

(何を仰います、私よりも、ご家族様を優先して下さい。其れに、この時代の対処法も未だ、確立されてはいませんので…)

 この神音の言葉で

“確かにややこしい事態に成ってたよな…”

 と、思い出すのだった。

(では取り敢えず、始まりの異空間に戻ります。宜しいですね?聖司様…)

「あぁ済まないが、其うしてくれ神音…」

(了承しました…では早速向かいます。時間も惜しいので、少々聖司様の魂力を使用しても宜しいでしょうか?)

「あぁ勿論構わない」

「了解致しました、では出発します」

 其う言って直ぐに、始まりの異空間に向け、聖司の魂力を使用して飛び立つのだった。

「ウヘェッ!?か、神音…」

(如何されましたか?聖司様…)

「こ、魂力を使うって…こんなにも多く使うのか…!?少々所じゃな、無いぞ…ウヘェ…」

(大至急向かわなければ成らないので、弱音を吐かず我慢して下さい)

「…あ…あぁ…」

 何処か手厳しい神音に、これ以上言葉が出ない聖司なのでした…。

 暫くして

(無事始めの異空間に到着しました)

 しれっと言う神音に

(ど、何処が無事何んだよ…。お、俺はヘロヘロで、無事じゃ〜無いぞ…神音…)

 と、グッタリと倒れ込む聖司。

(聖司様?何チンタラ休んでるのですか。早くご家族の方達を助けに行きますよ?)

「!!」

 ちょっと待ってくれと思う聖司。

(ほら早く聖司様!)

 此処迄手厳しい神音に、一緒にやって行けるのかと、不安に成る聖司なのでした…。

 一体この2人の旅は、如何成るのでしょうかね…。

 頑張れ聖司、負けるな聖司。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


第84話 ヘロヘロ聖司… 完

 家族其々が、別々に行動する章に入って、やっと主人公の聖司の物語が始まりました。

 此処迄来るのに2年も過ぎちゃってます…。

 長い…長いわ〜…。

 でもね、まぁ〜だ未だ話は続きますよ?

 これ迄語られて来た、其々の話の中で出て来た疑問のアレコレも、聖司と神音編にて、明かされて行くだろうとも思ってて下さい。

 まぁ〜如何成るのかは、今後のストーリー次第何ですがね〜。

 ってな訳で、次回を待ってて頂戴っす!

 因みに今日、誕生日何ですわ。

 ハッピーバースデー僕〜♪

 うほほほほほ〜い♪

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