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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
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夕香とリン編 3

 ユルユルホワホワな2人が繰り広げた前話は、如何でしたか?

 今回もユルユルホワホワだと思ってて下さい。

 ではね、早速続きを如何ぞ〜。

第80話 続 逃げるリン


 天然2人、ほわほわしながら大きな木の下で、其々のエネルギーを回復する為に、夜を明かそうとしていた。

 何故エネルギーの回復をしなければいけないのかと聞かれれば、其れはリン本体が何故か、大蛇に食べられたり、カラスに奪われたりして、大人しく一箇所に留まる事が無く、其れを追い掛ける夕香に降り掛かるハプニングにより、大ダメージを負って仕舞ったのだ。

 更に言えば、宝具達の中でも最弱なリン。

 あっという間にエネルギーを使い切り、急遽、エネルギーを補填しなければ為らなかった。

 夕香の役には立たなかったと思うリンは、今後の事も考え、最低でも元のエネルギーの8割は回復させたいとも思っていた。

 そんなリンを他所に、夕香が

「ねぇリンちゃん、こう言う星空の下で寝泊まりする事をね、野宿って言うの知ってた?」

 と聞き、更には

「私、草花で造られたホテルや旅館に泊まるモノだと思ってたの」

 と、かなりのぶっ飛び発言をするのだ…。

 リンは思う…。

[言ってる意味が分からない…]

 と…。

 そんな事を思いながらも

「リンちゃんって本当凄いわね〜、何でも知ってるのね〜」

 の言葉に、何言ってるんだろうとは思いながら、褒められた事が嬉しくて

(そんな事〜無いですよ〜夕香様〜♪)

 と、遂返答して仕舞う。

 其れがいけなかった…。

 其の返答から話に花が咲き、夜通し夕香とリンのほわほわわいわいな会話が続くのだった…。

「うふふっリンちゃんのお話し、とても面白くて楽しいわ〜」

(なぁ〜に言ってるんですか〜、夕香様のお話しも愉快で楽しいですよ〜)

「あはははっ言うわね〜リンちゃんって〜。うふふ〜嬉しくて笑いが止まらないわ〜うふふふふ〜」

(私もです〜夕香様〜。ふふふふふ〜)

 ………とまぁ〜こんな感じで、気が付けば朝に成っていたのでした。

 エネルギー回復が目的だったのに、話し込んでいた2人はと言うと…

「あら?空が明るく成って来たわね…」

(……あっ本当ですね…朝に成っちゃいましたね…)

「もぅそんなに時間が経っちゃったの…?」

(…みたいですね…夕香様…)

「楽しいと、本当時間が早く過ぎちゃうわよね〜…」

(ですです…)

「楽しく話しちゃっててすっかり忘れてたけれど、ねぇリンちゃん、少しは回復してる?」

(あっ!……済みません…話に夢中に成って、回復したエネルギーをポンポン使って仕舞ってました…。エネルギー…全く回復してません…)

「あらまぁ〜…」

 夕香との会話の最中に、過去の出来事などの話題に成り、当時の状況を映像化したりしていたリン。

 少し回復しては、そんな事にエネルギーをバンバン使う事を繰り返し、全く回復して無いお間抜けさんを披露するリンなのでした。

 やらかしたぁ〜と思うリンに

「うふふっリンちゃんらしいわね〜。本当うっかりさん♪って言ってる私もね、少しずつ回復してる魂力をね、知らずの内に使ってたみたいなのよね〜…。ちょっと疲労感が抜け切って無い感じだし…」

 夕香は夕香で、回復した魂力を無意識に使用していた。

 何に使用していたのかと言うと…

(あっ本当だぁ…。夕香様も全然回復して無いですね…何に魂力を使った…あれ?えっ?今、私の検索範囲に居る動物や草木に、変化が有りましたよ…。まさかこんな広範囲のモノ達を癒していたんですか!?夕香様…)

 リンが、最低限の警戒をする為にしていた検索に、昨夜と違う反応をするモノ達に気付く。

 動物や植物達の生命力が強く成り、傷を負ったモノ達も癒されていたのだ。

 其れを無意識にしていた夕香。

 其の為、夕香も魂力を全く回復していなかったのだ…。

「あら其うなの?」

(はい夕香様〜。夕香様の権能で、何だか皆んな元気モリモチいっぱいですよ〜)

「へぇ〜其うなのね〜、其れってとても嬉しい事だわね〜♡皆んなが私の力で元気に成ってくれたのなら、とても嬉しいわ〜うふふ〜」

 此処でまた、キャッキャと花を咲かせる2人なのでした。

「でも其う成ると、未だ暫く動けそうには無いわよね…。困ったったわね…如何しましょうか…。少しでも早くリンちゃんを、カラスさんから奪い取らなきゃいけないのにね…」

(ですよね〜夕香様〜、掻っ攫わなきゃですです〜)

 ……………オイオイあんた達、何物騒な言葉を使っているんだ!?

 奪い取らなきゃって、掻っ攫わなきゃってあんた達…。

 リンに保護された解放されし魂達が、失礼だとは思いながらも、其うツッコミたかった。

 だが、幾ら天然お間抜けな2人だとしても、王族の1人と其れに従事する宝具に対し、そんな無礼は出来無いと無言を貫くのでした。

「しょうがないから、もぅ暫く此処で休んでましょうか?」

(ですね〜…ふあぁぁ…)

 休むと言う言葉に反応したのか、あくびをするリン。

「あらあらあら…リンちゃん疲れてるみたいね、あくびしちゃって…」

(あっすいません夕香ふあぁぁ…様…。休むって思ったら、思わずふあぁ〜眠く成っちゃいました、エヘッ)

「ふふふっ可愛いわね〜リンちゃんは♡其れじゃ〜お寝んねしちゃいましょうか?私も少し眠く成っちゃったし、一緒に寝ちゃいましょ♪」

(は〜い夕香様〜♪)

 と言って、即座にスースー寝息を立てる2人だった…。

“おいおいおいっ!確かに回復は大切だが、本体を放ったらかしで大丈夫なのか!?”

 と言いたい、解放されし魂達。

 夕香が王族じゃ無ければ、リンが王族のみに使われしモノじゃ無ければ、総ツッコミをしていたと、魂達は強く思ってもいた。

 リンに保護された魂達は、リンの中で保護された事により、リン本体の状況をある程度だが、把握出来ていた。

 本気でスースーと寝ている2人に少し?呆れながら、2人の代わりにと、リン本体を監視する事にした魂達。

 監視して直ぐに、リン本体の異変に気付く魂達。

ー リ、リン様!ユイナ様!起きて下さい! ー

(スースースー…)

「スースースー…」

ー リン様!ユイナ様!起きて!起きて下さい!寝てる場合では無いですよ! ー

「ん?…」

(フニャ?…)

ー やっと起きましたか ー

「おはよう、皆さん…」

(フニ…おはようです…。何処したんですか?そんなに大きな声で…ふあぁぁ…)

ー おはようございますユイナ様リン様…って何言ってるんですか!?大きな声でってリン様、そんな悠長な事言ってる場合じゃ有りませんよ!リン様の本体が大変何です! ー

 失礼だとは思いながらも、声を荒げて仕舞う魂達。

(ホェ?た、大変…?何がです?)

ー リン様の本体に異変が起きてるんです!直ぐ確認してみて下さい! ー

 切迫詰まったかの様に言う魂達の声に、驚きながらも

(わ、分かりました!)

 と、直ぐ様本体を確認するリン。

 其の様子を同時に見ていた夕香が

「あら?ねぇリンちゃん…これって…何か、おかしくない?」

(あわわわわわっ…どどど、如何成ってるの!?私の本体がアッチコッチにチョコチョコ動いてる!?エエッ!?)

 如何やら何故か、似た様な場所を細かく移動しているみたいだ…。

 しかも上下左右に移動していて、止まる気配が無い。

ー ですから起きてと申したのです!今の私達では、リン様のイメージを覗き見する事しか出来ない為、詳しい状況が分かりません。1度しっかりと、周辺状況を確認してみて下さい ー

 焦りながらの言葉に、“ちょっと怖いよ〜そんなに怒らなくても〜”と思いながらも、言われた通りに確認するリン。

 確認し始めた途端

(アイタッ!痛い痛いっ!ちょっと痛いですって〜!止めて〜!痛いってです〜!!)

 何故か痛いと連発するのだ。

 其のリンに

「痛いってリンちゃん、一体如何しちゃったのよ!?お腹でも痛いの!?大丈夫?」

 と、またちょっと的外れな心配をする夕香。

 夕香は何故か、誰かが具合が悪く成ると必ず、腹痛を気にする傾向が有るみたいだ…。

(ち、違いますよ〜夕香様〜!わた、私達には消化器官何て在りませんから〜って痛い〜!!痛いから〜!!)

「あら其うなのね〜…お腹が痛くは無いのね?」

(ですから、其うですってば〜!)

「其れなら良かった♪」

(な、何が良かったんですか〜[汗])

「あっ其うだわよね…ゴメンね、リンちゃん…。で、何が原因で痛いの?」

(そ、其れがハッキリとは分からないんですがね、カツコツ突かれてる感じと、蹴られてる感じがするんですよ〜…あ痛たっ!)

 未だほんの少ししか回復してない為か、状況を把握出来ないリン。

「突かれたり、蹴られたりしてるって言ってるけど、確か本体には其れ程痛覚が、今は無かったんじゃないの?」

(そ、其の筈何ですけど痛い!…な、何故か痛みが強く感じるんです〜って痛いーぃ!!)

 何度も痛いと言うリン。

「大丈夫リンちゃん!?如何したら良いの!?私に出来る事はない!?」

 尋常じゃないと焦る夕香に

(ととと、取り敢えず、今直ぐ現地に行って確かめないとです〜[汗])

「確かに其うよね…でも今の私達じゃとてもじゃ無いけれど、力が足りなくて向かうに向えないわ…如何したら良いの…」

 普段ほわほわな夕香が珍しく、超マジで悩んでます。

 思い付く限りの対策をアレやコレやと考えてみるが、良い案が思い付かない…。

 其処に…

ー ユイナ様、リン様、我等がお助けします ー

 と、魂達が助けると言う。

「えっ?助けるって…」

ー 我等がお2人をお助けさせて頂きます… ー

「助けるって貴方達…其れって貴方達の力を使うって事よね…?」

ー ……… ー

「黙ってるって事は、其うだと言う事よね?ダメ!ダメよ其れはしちゃいけないわ!そんな事したら、貴方達を使役しちゃうじゃないの!折角自由に成ったのに、私達が不甲斐ないからってそんな事しないで…お願い…」

(其うです皆さん、私もですが、夕香様はそんな事を望んではいませんよ!そんな事されても嬉しくは有りませんし、悲しく成っちゃいますよ〜…)

 夕香とリンは、魂達の手助けを拒否すると言うのだが

ー 大丈夫ですよユイナ様、リン様。我等の手助けは、何も我等を使役してでは有りません ー

「えっ?其れって…如何言う…事?」

ー ユイナ様とリン様は、エネルギー回復の手段や方法を理解して無いご様子。ですから、我等が其の手段や方法を無礼だとは思いながらも、指南させて頂きたいと思った次第です… ー

 これ迄の2人を見て来た魂達が、2人には、其の手段と方法を理解して無いと、其う判断したみたいなのだ…。

 其の手段と方法を教えなくてはと魂達は思い、無礼だと思いながらも其う伝えた。

 王族に対して、指南する立場は無礼だと思っている魂達に

「わぁ〜嬉しい♪ありがとう皆さん♡其う言う事なら、是非お願いしますね〜。其れだったなら、皆さんを傷付けたり使役しないものね〜。本当嬉しい提案だわ〜♪うふふ〜」

(ですですよね〜夕香様〜。私、皆さんと友達に成って良かったです〜♪是非是非教えて欲しいです〜)

 と、単純純粋な反応をする2人。

ー ゥブッ… ー

 無礼かもと内心ドキドキしていた魂達は、2人の余りも軽い反応に、ガクッと拍子抜けして仕舞う。

ー ハハッ…ハハハ… ー

 乾いた笑いしか出で来ない魂達に

「其れじゃぁ早速やり方を教えて下さる?」

(私も早く知りたいです〜、早く早く〜教えて下さいよ〜)

 と、また気が抜けそうな感じでお願いしてくるのだ…。

 ちょっと?だけ、苛っとしながらも

ー ではご指南させて頂きます…。先ずは、ユイナ様なら魂の根源に、リン様でしたら存在の核とでも言えば良いのでしょうか、其れに集中して下さい。其処から感じ取れる波長と同じ波長が、この自然の中に在る筈です。其の波長と自身の波長を合わせて下さい。其うすれば、自然と回復する筈です… ー

 簡単な説明ではあったが、2人には其の方が理解し易く、言われるまま実践する。

 すると…

「まぁ〜凄いわ〜…こんなにも力が満たされるだなんて…」

(こんなやり方が有ったんですね〜知りませんでした…)

 魂達の指導の下、失ったエネルギーの回復が上手くいったみたいだ。

ー 無事回復出来て良かったです。ですがこの方法は、緊急時だけの使用として下さい。一気に回復する技術ですので、魂の根源や存在の核にかなりの負担が掛かります。連続しての使用は、根源や核を消耗するか、別のモノに変化する恐れが有りますから… ー

 其う付け加えて説明して貰えた夕香とリン。

「まぁ其うなのね〜、色々と沢山教えてくれてありがとう〜皆さん。使役じゃないって思えるやり方を知れて嬉しいわ〜」

(ですです!本当、皆さんが教えてくれなかったら、私…役立たずのままでした。ありがとうございますです♪…でも、私にでも知らない事が未だまだ有ったんですね…反省です…)

 リン以外は、このやり方で、自身の存在感を底上げしていた。

 其れを唯ボ〜ッと見ていただけのリンだったから、やり方を知る事は無かったのだ。

 そんなリンと夕香に

ー 連続でしなければ、魂力や存在感の核の底上げは出来ます。時間を掛け、少しずつ底上げをされては如何でしょう? ー

 と、魂達が提案する。

 其の提案に

「あら其うなの?其れならこれから先、私頑張って特訓してみるわね〜。ありがとう皆さん♡」

(私もです〜♪)

ー お2人のお役に立てて、我等も嬉しく思います。では直ぐにでも、リン様の本体へ向かって下さい ー

「あっ其うだったわね…忘れちゃってたわ〜…」

(…わ、私もです…)

ー …………… ー

 やはり其うだろうと思ってた魂達は、呆れて何も言えなかった…。

「其れじゃ早速行きましょ!善は急げだものね〜」

(ですよね〜夕香様〜。早速行きましょ〜♪)

“いやいや既にかなりの時間が経っていますけど!?”

 と、言いたいのをグッと堪える魂達。

 何故なら、今ツッコミを入れて仕舞うと其のツッコミで、ワイワイキャッキャッと花を咲かせ、また無駄な時間が掛かりそうだと思ったからだ。

 其れ程迄にもマイペースな2人は、そんな事を思われてるとは知らずに、リン本体へと向かう。

 向かった先では、カラス達が、リン本体を奪い合っていた。

(アアアッ!ななな、何でカラスさん達、わ、私を突いたり蹴ったりしてるんですかぁ!?)

「あら…リンちゃんを集中攻撃してるわね〜。如何してかしら?あっもしかして、リンちゃんを奪いたい程、リンちゃんが好きなのかしら?もし其うならリンちゃん、凄く人気者なのねぇ〜ふふふ〜」

(えっ?…)

ー はぁ!? ー

 何処か的外れな事を言う夕香に、リンと魂達が、思考停止して仕舞う…。

(エエエッ!?ちょちょっと夕香様!?な、何言ってるんですか?如何見ても私を壊そうとしてるじゃないですかあ〜!)

ー そ、其うです夕香様!如何やら数羽のカラス達が何故か、リン様から力を得ているみたいです。このままではリン様本体が破壊されて仕舞います! ー

 双方からのツッコミと、破壊されて仕舞うと言われた夕香は

「エェッ!?其れ不味いじゃない!今直ぐ奪い取らないといけないわよね…」

 自分が思っていたのとは違うと分かり、今迄に無い程の焦りを感じる夕香。

「リンちゃんから得たって言ってたけど、其の奪われてる力は戻す事は出来ないの?ねぇリンちゃん」

 焦る事で、天然から冷静さを発動させた夕香は、頭の回転をも早く回る様に成ったみたいだ。

(今の私では、本体から力を奪われない様にするのが精一杯です…。其れ程にも、カラスさん達に力を奪われてます…)

「えっ…其れ本当なの!?」

(はい…。更に言うとですね、奪われたまま私が本体に戻ったら、其れが基本の本体になっちゃいます…。幾ら皆さんから教えて貰ったやり方をしたとしても、元の状態に完全回復する迄には、少なくとも500年は掛かると思います…。元に戻る迄、ご家族の方達との再会迄、500年もこの時代から過ごさなければ成りません…。其の間にも多くの危険が襲って来る筈ですし、何とか力を返して貰わないと何です…)

 リンが言った事が本当なら、リン本体が本来の力を取り戻す迄の期間500年は、軽く夕香が生きていた時代をも過ぎ去っている事に成る。

 其う成れば、使者によって殺された時をも過ごさなければならず、下手をすれば同じ時代に転生していない夕香の魂を感知される恐れや、リンの存在をも知られる恐れが有るのだ。

 幾ら天然(おつむ)の夕香でも、其の危険性をあっさりと理解するのだ。

 そんな危険性を理解して仕舞う夕香が

「そ…其れはとても危険よね…。更に言えば、私達が体験出来なかった未来迄も、私達は経験しなければいけない訳よね…?リンちゃんと皆さんが一緒に居てくれたとしても…他の家族の事を思うと私…とてもじゃ無いけれど、耐えられそうに無いわ…」

 其の事を危惧していたリンと魂達。

(申し訳ありません…夕香様…)

「うぅん気にしないでリンちゃん、私こそ弱音を吐いてゴメンなさい…」

(…夕香様…)

 シュンとする2人に

ー では我等が今度こそお助けさせて頂きます ー

「(えっ?)」

ー 今回ばかりは王族の、ユイナ様の意に背きます。お赦しを… ー

「ダメよダメ!」

(そそそ、其うですよ!ダメですから!)

ー いえ、今回は我等の力を使わせて頂きます。悠長な事を言ってる余裕は御座いません。其れに力を使うと言っても、然程の力を使用する事は有りませんから、如何かご安心して下さい ー

 魂達の強い意志に2人は

「皆さん…」

(ゴメンなさい、皆さん…)

 曇る表情をしながら、分かったと、そっと頷くのだった…。

ー 我等の我儘をお聞き下さり、誠にありがとうございます… ー

 逆に感謝される2人。

 魂達の温かさに応える為にも

「ありがとう皆さん、貴方達の気持ち、とても嬉しかったわ〜ありがとう〜」

(ですですです!とてもポカポカしちゃいました〜♪っで、何か作戦とか、どんな事をしようとか有るんですかぁ〜?)

 と、明るく戯けてみせるのだ。

 其の気遣いに、喜びを感じた魂達が

ー 何、そんな大した事をするのでは有りません。我等が力を奪いしモノ達の時間を止め、其の間にリン様が、奪われた力を奪い返して下さい ー

(成る程〜、分〜かりました〜!確かに其れでしたら、其れ程の力は使いませんもんね〜。皆さん頭良いですね〜!凄〜〜〜い!)

 頻りに感動するリン。

 其の感動の仕方に、ちょっと引き気味に成る魂達…。

ー よ、喜んで頂けて何よりです…。ではリン様、準備は宜しいですか?早速始めます… ー

(は〜い、始めちゃって下さ〜い。お願いしま〜す♪)

ー 相変わらず軽いですね…ふぅ〜…。ではっ !ー

 解放されし魂達が、ほんの僅かな力で、カラス達の時を止める。

 動きが止まり次第、すかさずリンは、奪われた力を取り戻して行く。

 完全に取り戻した時、止まったカラス達の時間を解除する魂達。

 時が戻ったカラス達は其のまま、リン本体を突きだすのだが

(あれ?痛く無い…。あれだけ痛く感じていたのに、今は全く痛く無いです…)

ー 如何やらリン様から得た力で、カラス達が攻撃してたからでしょう…。今はリン様の意思で、力を奪われない様にしてますから、余程の事が無い限り、大丈夫でしょう… ー

(其う何ですね〜、良かった〜♪これで一安心です♪)

「良かったわよね、リンちゃん♪」

ー 我等も安心しました ー

(其れじゃ〜夕香様〜、パパっと掻っ攫って下さい。お願いしま〜す)

「はいは〜い分かったわ〜。じゃ、リンちゃんを手に…ってエッ!?…」

(!!エエエーーッ!?)

ー ハアッ!? ー

 皆んなが一斉に驚いたのには、理由が有った。

 リン本体の在るカラスの巣に、今度は猿が現れ、リン本体を握り締めて、奪い去って行くのだった。

(ウソーーーッ!またですかぁ〜!?)

「あらあら、まただわね…」

ー ハッ…ハハハ… ー

 一難去ってまた一難。

 こう何度も繰り返される事に、乾いた笑いしか出ない魂達…。

 この時、魂達は思った。

 トラブルを惹き付ける何かをリンは、持っているのだろうと…。

 魂達の思いとは裏腹に

「うふふっリンちゃんってやっぱり人気者なのね〜。こんなにも、奪い合いされちゃってねぇ〜うふふ〜」

(……やっぱり其う思います〜?私、皆んなに好かれてるんですね〜納得〜♪)

 と、メッチャポジティブ勘違い発言をするのでした。

“この人達って…この先大丈夫なのか?”

 と、とても不安に成る魂達なのでした。

 未だ手に入れられない夕香。

 一体何時に成ったら、無事リン本体を手に入れられるのでしょうか…。

 頑張れ魂達よ…そして負けるな魂達。

 如何か、この自由な天然ズを導いてやって下さい…。

 

第80話 続 逃げるリン 完

 ってな感じで今話は終了です。

 ね?言ったでしょ?

 ユルユルホワホワだって…。

 次回もまた、ユルユルホワホワだと、覚悟しといて下さい。

 何の覚悟なのかは、分からないけどね…。

 では次話を待つか待たないかは、全て貴方次第だ!

 っと、語尾強気で言ってみました。

 ではでは次話で〜。

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