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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
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73/85

護都詞と識編

かなり間を空けてしまいました。

私事で、時間が作れないのが原因なのですが…。

そんな言い訳をしつつ最新話をどうぞ〜。

第73話 一緒に踊ろうかい?


仏教の国インド。

この国の何処かに、識の本体が在る。

あの異空間から、現世のインドに辿り着く迄の間中、自分の力を試してみたいからなのか、其れとも純粋に思ったのかは、分からないのだが、ずっと識を誘惑していた護都詞。

龍野瀬一家の中で、此処迄節操の無い者は居ないだろう…。

根っからのタラシで在り、ナンパ師の護都詞の性格は、其れだけでは無く、興味の無いモノや事には一切の興味を示す事をしない、無駄を嫌う一面をも持つ。

だが、興味を持ったモノにはトコトン執着するという、傍迷惑な性格の持ち主でもある。

其の傍迷惑の標的に選ばれたのは、自分の宝具で在る識。

異空間に居る時からずっと、識を口説き続ける護都詞。

其の口説きを全て、はぐらかして来た識。

其れでも目的地に到着したのに、誘惑を止めそうに無い護都詞に、疲れて仕舞う識だった。

我が主人だからと、傷付けずに諦めて欲しいと、やんわりとはぐらかしていたのに、識の思いなど関係無いと、口説く事を止め無い護都詞に、頭を悩ませていた…。

護都詞にとって、口説き落とせない事は、タラシのプライドとして、引け無い、許せ無い、譲れ無い事でも有るのだ。

過去に1度だけ黒星が付いた時、タラシプライドが傷付き自信喪失し、立ち直れる迄に、時間が掛かったトラウマも有ったのだ。

たった1度の失敗で、ナンパ成功率100%では無くなった事がとても悔しくて、自信喪失し、立ち直る迄3日掛かったのだ…。

…ん?…えっ…3日?たったの3日?

ハァ?バカなのか?このジジィは…。

其う思えるのが、普通の感覚の持ち主だろうが、この男護都詞、ナンパが日課で有り、生き甲斐にも成ってる程だから、3日もナンパをしないのは、先ず有り得なかった。

護都詞計算では、1日少なくとも5人はお持ち帰りしているので、どんなに少なく見積もっても、15人の見知らぬ素敵な老若男女との、出会いと愛の語らいが出来無いのは、絶え難いモノだったみたいだ。

正直、だから如何した?知らんけど…。

と、誰もが思うだろう…。

そんな護都詞だったからか、ピカさんに付与された権能により、強力に成ったタラシ(りょく)を試したい気持ちも有ってか、ひたすら識を口説いている。

だが悲しいかな、ノラリクラリと護都詞の口説きを躱す識には、タラシに対しての耐性が有った。

其れ所か耐性が有る所ではなく、実は護都詞以上にモノを魅了する力の持ち主なのだ。

識が発する魅了は、識本人の意思など関係無く、自然に漏れ出るモノで、其れにあてられたモノは、知らずのうちに識を口説き、識が其の口説きを受け入れた時、識の従順成る(しもべ)に成るのだ。

其れを充分理解している為、流石に自分の主人を(しもべ)には出来無いと、断り続けていた。

1つ付け加えるとするのなら、護都詞は識のタイプでは無かった…。

残念護都詞…。

其れを知ら無い護都詞は、まさか自分が識の発する魅了によって、口説いているとは思っても無く、更にタイプでも無いので、どれだけ口説こうとも、靡く事など無いのだ…。

其れを知らない護都詞は、花咲頭で、今もあの手この手で、識を誘惑していた。

如何やれば護都詞を傷付けずに、しかも威厳を損なわずに諦めさせる事が出来るか、とても悩み所なのだが、何時迄も適当にしている訳には行かず、無意識にだが、ほんの少しだけ魅了の力を使い、今居る時代のインドに付いてガイドを始めれば、やっと興味を持ってくれた様で、何とか切り抜けたと一安心する。

一安心したと思えば、護都詞の知らない知識を語り、其処から“識”と言う名を与えられ、禁止されていた命名だったのに、名前を付けられた喜びと昂ぶる幸福感に、感謝の気持ちに満たされる識。

でも内心、罪悪感迄もが識を襲う。

大切な主人で在る護都詞に、微力だとしても、魅了の力を無意識ながらにも使用した事が、識に罪の意識を持たせていた。

詫びて許される事では無い…。

幸い、護都詞に使った魅了の効果は既に消えていて、使用した痕跡すら見当たらない。

本来なら、微力でも力を使い僕としたなら、識が解除しない限り留まり続ける。

罪悪感により、その事に気付かない識。

だが、護都詞が識の本体の在処を聞かれ、その時初めて、魅了の痕跡すら無い事に気付いた。

識に魅了され僕と成ったモノは、識に質問などする事は無いからだ。

有り得ない出来事に、何故かと不思議に思い、護都詞が何かしら対処したのかと、本人に直接聞こうと迷っていたら、運が良いのか悪いのか分からないが、使者が放った怪物が出現する。

出現した怪物数体は、以前よりも強化されたモノだったのだが、何故か負ける気はしなかった。

今の護都詞なら、1人でも簡単に、軽く遇らう事が出来るとも思えた。

「おやおや、お客さんがお出ましだが、どうしたもんか…」

などと言う護都詞に、吹き出しそうに成りながらも

(今の護都詞様なら、全然余裕では?私も居ますので、何とでも成りますよ?)

其う言って、護都詞の全てを信頼しているのだと、伝えた識。

「おぉ?言ってくれるね〜。それじゃ一緒に楽しもうか?」

(はい是非)

何処か楽しそうな護都詞。

其れが嬉しく思える識。

其の様子が、とても気に入らない怪物達。

咆哮を上げ、護都詞を襲おうとしたが

「おやおや機嫌が悪い様だが、お前さん達如何したんだい?機嫌を直して、私と一緒にダンスでも踊らないかい?」

情熱を乗せた眼差しと、フワッと優しく笑う表情に、目を奪われて仕舞う怪物達。

其処に識の魅了の香りが漂い、護都詞を口説き落とそうと声を掛けて仕舞う。

この時点で怪物達は、護都詞と識の僕となり、最早脅威の存在では無くなったのだ…。

懐柔された怪物達は、使者の使役から解放されて、以前の善成る魂へと変わる…。

阿沙華や弥夜に権也の時とは違い、全ての魂が、生前の姿に成って(こうべ)を垂れる。

王族の魂の持ち主で在る護都詞に対して、敬意と謝罪を兼ねてだった…。

其の行為を見て、識は気付く。

識の魅了をキャンセリングされている事に…。

其の事を理解した識は、何故護都詞が、魅了されてないのかと、自分が掛けた魅了の力は既に、知られている事に気付くのだった。

其れなのに、何知らぬ顔で接してくる護都詞の懐の深さに感動しながらも、やはり罪悪感が増して行くのだった…。

(ご、護都詞様…。私は…私は、何て言うこ)

「識、如何したんだい?何か有ったのかな?)

と、言葉をワザと遮るのだ。

(何か有ったのか?などと仰いましたが、主人で在る護都詞様に、私はしてはいけない事を)

「し〜っ…其れ以上は言わなくて良いから…。分かってるから…」

フワッと微笑む護都詞。

何時もだったなら、此処でタラシスマイル発動なのだが、今回其れは無く、素の笑顔だった。

識にしてみれば、護都詞の権能であるタラシの力を使用した事など、直ぐに分かるのだが、あれ程使用していたのに、今回は使用していない事が不思議だった。

“何故?何故だ?“と、困惑していたら

「大分困惑してるみたいだね識…。私は識をちゃんと理解してから、口説き落としたいと思ってるんだよ。だから何度も繰り返してナンパしてみたんだが、逆に魅了されそうになったよ。でも其のおかげで、誘惑と魅了のキャンセリング能力が、大幅に増加したみたいだ…。ありがとう識」

我が主人にして、何を言っているんだ?と思う識。

口説くとナンパは同じだろうと…。

でも護都詞にすれば、違うみたいだ。

「今、口説くとナンパは同じだと思っただろ?何が違うのか?と思わなかったかな?」

と、ズバリ指摘され驚く識。

「…ハハハッ驚いて声も出ない様だね。何、其う思われるの何時もの事だから、簡単な事だよ。妻の弥夜にも言われた事だからね〜」

自分だけでは無かったのだと思う識。

(何時もの…ですか…)

「あははっ其う何だよ〜。本気で口説きたいって思うモノ程何故か、1っ発で口説き落とす事が出来無いみたいで、識も其うだったよ…。ナンパは私にしたら、唯の遊びみたいなモノで、口説きは本気で生涯を共にしたいモノだけにって、其う決めてるんだよ…。だから私にしてみれば、口説きとナンパは別物なんだ」

とまぁ、他人が聞いていれば、“本当に馬鹿何じゃねぇ?”的な事を抜かすのです。

其れも真剣な顔で…。

なのに

(護都詞様…其処迄私の事を…)

と、下手に魅了の力を所有しているからか、護都詞の戯れにしか聞こえない言葉に、感激して仕舞う識なのでした。

「でも済まなかったね…。幾ら口説き落としたいとしても、何度もナンパして、識の有り様を探る様なマネをして…。出来れば、嫌わないでいてくれたなら、私としては嬉しいのだが…」

少しオドオドしながら言う護都詞。

如何やら、本気で共に居たい存在に対しては、嘘偽りの無い言葉の様で、内心バックバクドッキドキの護都詞。

そんな護都詞に

(其れは出来ません)

と、返す識。

「エッ!?………」

護都詞のハートにヒビが、音を立てて入りました。

(あっ申し訳ありません。言葉が足りなかった様です…。嫌いに成る以前に護都詞様は、私の主人なのですから、嫌う選択は有りません。唯、主従関係を魅了などの力で築くモノで有ったなら、絆を破棄し、私は消滅しようと思っていたのです。魅了などで結ばれた主従に、未来など有りませんから…)

かなり真っ当な事を言う識。

思わず“ヤバッ”と、ビクつくアホ護都詞。

(……護都詞様……)

疑りを込めた呟きに

「其うか〜!其れは嬉しいモノだよ!確かに操り操られでの主従関係は良く無い!そんなモノは、最低なモノがする事だ!…良かった〜、識に嫌われて無いと思えるだけで、私は幸せ者だよ〜…」

………

このジジィ、よくも平然と言えたモノだ…。

流石、根っからのタラシだと、識は頭を悩ませるのでした…。

(護都詞様が幸せなら、とても良い事です。安心しました…)

「私も識が幸せなら、とても嬉しいよ。あ〜後付けみたいで何だがね、何度も繰り返してナンパしたおかげで、お互い魅了と誘惑のキャンセリングを完全取得したみたいだね。ハハッこう言うの、棚から牡丹餅って言うのかな?」

この男の思考は如何成ってるのだ!?と、言いたく成る識なのでした。

(良くも悪くもポジティブな方ですね…。護都詞様が其れで良ければ、私も其れで宜しいですよ?)

「其うかい?其れじゃ、これからもずっと一緒に居ておくれ?識…」

(仰せのままに…護都詞様…)

みたいな感じで、2人は纏まりました。

「…っで、この者等は如何すれば良い?」

(此処迄意志をハッキリと持つので、彼奴に再度取り込まれる事は無いとは思いますが、一応念の為にも、私が保護しておきます。我等宝具に護られれば、如何なる手段を使っても、魂を奪う事は出来ませんし、奪わせませんので)

「其うか、其れならお願いするよ。其の者達も其れで良いかな?」

ー 構いません、是非貴方様の元に居させて下さい。何時しかお役に立てる事も有りましょうから… ー

との事で、マルっと解決。

「さて、順調に事が進んだのは良いが、識、お前の本体も、こう順調なら嬉しいのだが…」

(其うですね、では今1度調べ直してみます)

其う言って、識本体の現状を改めて調べる識。

(分かりました。情報を共有なさいますか?)

「勿論だよ、直ぐお願いする」

(了承しました…では…)

護都詞に言われるまま、今得た情報を共有すると

「……成る程…こんな所に在るんだな…。でもコレは、なかなか手強そうだ…」

(ですね…)

()()()()()()()()()()()()()()()なぁ…。一癖も二癖も有るよ…」

(正に仰る通りですよね…。如何なさいますか?)

「如何なさいますかって、勿論麗しの識本体を我が手に、するに決まってるじゃないか」

(フフフ…麗しの私ですか…。今迄のどの言葉よりも魅力的なお言葉でした…。ではこの先へ進むと捉えても宜しいのでしょうか?)

「意地悪な事を言わないでおくれよ、勿論進むさ。これから先、本当に共に歩みたいと思ってるのだから…」

(ありがとうございます、では行きましょう。共に歩む為にも、私を見付け出して下さい護都詞様…。私も共に歩みたいと、強く思っていますから…)

「あぁ勿論だ。では行こうか、愛しの識本体に会う為にね」

(はい、宜しくお願いします護都詞様)

こうして識本体へと向かうのでした。


だが護都詞が言う、一癖も二癖もと言った、気になるキーワードの内容とは一体、何なのだろうか。

今しばらく、謎のまま次を待とう…。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

護都詞編第1話目は如何でしたか?

おさらいのつもりで、キャラ毎の1話目は、こんな感じにするつもりなので、次話から本格的に話が進みます。

では次話をお待ち下さい。

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