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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
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68/84

信康とロマン編 5

前話は如何でしたか?

あんな感じのネーミングソング、作るの大好きなんですよね〜。

今話もちょっと変わった内容に成ってます。

信康とロマン編、特別仕様なので、ちょっと他の誰とも違う感じですが、お付き合い下さい。

では本編を如何ぞ…。

第68話 神話


信康とロマンは、2つ目のロマンの本体のカケラを求め、中国の国境付近からノルウェーに向かっている。

砂漠での体験は、終わって仕舞えば楽しかったと思うのだが、魂力を削られるのは勘弁だと言う事で、砂漠を避けての移動をしている信康。

聖セイの魂力とエネルギーを消費し、神音が信康達を最初の目的地に送り届けた後からしばらくの間、聖セイのご機嫌取りの通信がしょっ中入って来るのだ。

(なぁ信チョ、調子は如何だ?)

とか

(無理しちゃダメだぞ?信チョ)

(ちゃんと休んでるのか?心配だよ信チョ)

など、一々聞かなくても良いだろうと思う様な事ばかり。

正直ウンザリ…。

我が父にして、チキンハートの持ち主なのだと思う信康。

弥ンボー…違った弥カン…違う弥夜が以前に思った、他人の目を気にし過ぎる性格が、信康にしてみればチキンハートにしか思え無いのだ。

更には

(なぁ神音、お前も信チョの事心配だろ?)

(勿論です聖セイ様…)

(なぁ神音、お前も良い加減機嫌を直してくれないかな?せめてお前だけでも聖司とちゃんと呼んでくれよ…)

何と頼り無い言葉を吐くのかと、情け無く成る信康なのだ。

大好きで僕の誇りだと思えていた其れは、唯の勘違い…いや間違いだったのだと思えて来た。

聖司に対する父親像の下落が止まらない。

「なぁロマン…」

(ん?何信チョ?)

「やっぱり聖セイ父さんとの通信切ってくれない?」

(ハェ?切る?)

(ちょっちょい待て信チョ!な、何また突然そんな事言い出すんだよ!?如何したんだ!?なぁ信チョ!?)

「…コレだからさ、切ってくれる?」

(別に良いけど…)

「其れじゃよろ」

(待て待て待て!本当マジ待て信チョ〜!!頼むから!!な?お願いだから切らないでくれよ〜!)

必死に泣き付く聖司。

生きてた頃と、死んでからしばらくの間は、威厳と誇り有る偉大な父親に思えていた。

其々の宝具を探し出す為に別々に別れてから、段々と聖司の素を知り始めて、騙された感が膨れ上がって来るのだ。

まるで、出来る宝具を演じてたロマンの様だと思って仕舞う信康。

良い大人が我が子に泣き付くとは…情け無い…。

其う思い、ため息を吐きながら

「ちょっとダサいよ聖セイ父さん…。良い大人が子供に、其れも我が子に泣き付くなんてさ…」

(あぅぅ…)

「で!?何!?何がしたいの!?」

(冷たっ!薄っす!怖っ!)

「ウッさいよ!無意味な事言うんだったら本当に切るよ!」

(!!)

何時もなら、怒っていても少しだけ戯けて言えば笑って許してくれたのに、今初めて怒鳴り返された聖司。

この時聖司は、コレが反抗期なのか?と思って仕舞う。

(の…信チョ…あっ信康、ま、まさか今のは反抗期ってやつなのか?…なぁ其の其れって、反抗期の反抗なのか?)

と、バカな事を聞く聖司。

本当何処迄抜けているのだろうか…。

本当に反抗期だとしたら、本人に反抗期が訪れたのかと聞くバカは何処に居るのだ?と聞きたい。

自分は反抗期に突入しました!だから其のつもりで宜しく!と、答える訳が無い。

本人にも反抗期なのか如何なのかは、過ぎてみないと分からないのだから、其うですよとは絶対言わ無いと思われるのだが…。

案の定…

「はぁ〜〜…コレだから父さんは…はあ〜っ!」

小さなため息から大きなため息で、この“バカ親父”と伝える信康。

其れを理解した聖司は

(ややや、やっぱり反抗期じゃ無いかぁ〜!!あの家族思いの…何処の誰よりもしっかりした自慢で可愛い俺の息子が…そんな…そんな…そんな反抗期だなんてぇ〜!)

余程ショックだったのだろう、思った事を素直に其のまま、本人に直接言って仕舞う聖司。

目の前で言われていないだけ、未だマシだとは思うが、父親の本心を直接聞かされた信康は、堪らなく恥ずかしく成って仕舞う。

「ちょっとマジ其う言うの、本人に直接言わないでくれる〜?メッチャはずかしいんだけれど!」

(あっまた…恥ずかしいって口答えを…)

「〜〜〜!!ああーー!!もう!!僕の歳に成って来ると、親から可愛いとかの褒め言葉って、お子ちゃま扱いに思えて恥ずかしいんだけど!其れをサラッと何故言えるのさ!?」

(えっ?だって当たり前の事だろぅ?本当に其う思ってるんだからさ…。お前は俺の誇れる息子で、愛おしい息子で、可愛い息子だと、今でも思ってるんだからな?俺の息子に、其れを言って何がいけないんだ?)

「あぁ〜もう!今の僕達の状況では無理だけれどさ、生きてた時、友達の前でとか其の言葉を言われたら、後で友達とかに揶揄われて仕舞うかもって思わ無いの?」

(いや別に…だって未だ子供何だから、全く思わないがな…)

「ハァ〜?…ねぇちょっと聞きたいんだけれど…」

(ん?何をだ?)

「父さんも僕の年頃の時に、お婆ちゃんや護都Gちゃんに同じ事言われたらさ、恥ずかしいとか、反抗したりしなかったの?」

聖司に向けたこの質問をした事に、返って来た答えを聞き、後悔する事に成る。

(…信康…お前も俺の過去…知ってるだろ?)

「あっ!…」

(お前の年頃の時は、唯1人だけしか友達が居なかったからなぁ…。其の他の同級生とは全く関わらなかったから、父さんや母さんに同じ事言われても気には成らなかったよ…。其の後は知っての通り、心閉した期間が長かったからな…反抗期ってモノが分からないんだよ…。済まない…)

聖司の答えに、信康は言ってはいけない、聞いてはいけなかったと、とても後悔した。

「…ゴメン…僕こそゴメンなさい…。父さんの過去を知ってるのに、ちょっと考えれば分かるのに…嫌な過去を思い出させて…ゴメンなさい…」

(信康…。何謝ってるんだ、そんなの全然気にする事何て無いぞ。俺の過去の事、俺自ら知って欲しいと言ってたんだからさ、お前が罪悪感持つ事何て無いからな。逆に俺の事を思ってくれてると分かって嬉しかったよ、ありがとうな!信チョ!)

「最後の其れさへ無ければ素直に“うん”と言えたのに、本当詰めが甘いよ…。何で最後迄言い切れ無いんだよ!ったく…。でも父さんが其う言ってくれた事で少し気が楽に成ったよ、ありがとうね…父さん」

(信チョ…)

「信チョは止め無いのかよ…。僕は聖セイ呼び止めたのに…」

(あっ…)

「まぁいっかぁ〜、僕も権ケンと同じ、聖セイ呼びが面倒だからってだけだからね〜」

(おまっ…まぁ其々が好きな様に言えば良いよな…。其れよりお前の機嫌が直ってくれたみたいで、俺は嬉しいし安心したよ。ありがとな信チョ、本当済まなかった…)

「あぁ〜はいはい…。其れじゃもぅ良いよね?安心したんだからさ」

(何だか未だトゲが有る気がするが、其うだな…俺は大丈夫だぞ)

「其う?其れならそろそろ通信切って…」

(信チョ様、ちょっと宜しいでしょうか?)

「おい神音!お前迄真似しなくて良いんだけれど!?」

(あっコレは申し訳ありません…。ですが、聖セイ様呼びする事に決めましたので、このまま信チョ呼びする事も既に確定ですので、変更する気はございません)

マジかよコイツは!?と思う信康にロマンが

(ね?ワシが言った通りだったでしょ?キツいって〜)

「だね…身に染みたよ…。で?()()()はさ、僕に何か用が有るの?」

(なっ!か、神ネン!?)

「ん?何か文句が有る?神ネン…。コレ決定で変更無しだから…」

(か、神ネン〜〜!アキャキャッ神ネン〜〜!笑えるよ〜!アキャキャキャキャ〜!!)

(ナイスネーミングだぞ!信チョ!)

(ちょっ…其の呼び方)

「止めませんから!神ネン!これ、王族の命令!」

(!!ハッハイ!!)

「ふぅ〜…本当はこんな何様感満載な言い方、嫌なんだけどさぁ神ネン、いや神音…お前の性格では、こんな言い方しないと言う事聞かないだろ?」

(…………)

「しかもロマンとは違ってさ、1度決めたらトコトン貫くみたいだし、間違いでも認めなかったりしてるだろ?違う?」

(……はい…まぁ…其うです…)

「其れは直さないとさ、父さんとの絆も消えて仕舞うぞ?」

(信チョ…いえ信康様…)

(信康〜…お前…)

「其れに父さん直ぐ拗ねるからさ、拗ねると権ケンよりタチ悪いんだぞ?」

(成る程…良く理解しました信康様…)

(おいおい信康!?其れ如何言う事何だ!?言い過ぎじゃ無いのか!?権ケンよりタチ悪いだなんて!)

「なっ?」

(はい、更に理解を深めました)

(おいおいおい!お前達!!俺の何処が拗ね易いんだよ!俺はそんなす)

「神音、分かってくれたなら、僕の呼び方好きにして良いから。其れと王族でも無いのに、王族を使って命令した事謝るよ、ゴメン…」

(いえ信康様、貴方は歴とした王族の魂をお持ちの方です。無礼を働いたのは私しです。如何かお許し下さい…)

「其れじゃお互い許すって事で良いよね?」

(…何と寛大な…ありがとうございます…)

(おい!コラッ!俺を放って置いて、何勝手に良い感じに成ってるんだよ!)

「何かヤジが五月蝿いけど放って置いて、なぁ神音、お前僕に何か言いたい事とか有ったんじゃ無かった?」

(あぁ其うでした、スッカリ忘れてました…)

「しっかりモノのお前が忘れて仕舞う何て、父さんとの絆のせいで、抜けて来たんじゃ無いのか?」

(其うかも知れませんね…)

(お・ま・え・らぁ〜…良い加減にしろ!本気で拗ねるぞ!泣いちゃうぞ〜!)

「で、如何したのさ?」

(実は今信康様が向かっている場所は、創造主に縁の有る場所でも有るのです…)

(お前等…って…)

「(エッ!?)」

(あっ、其うだったよね神ネン)

(ロマン…後でゆっくりお話ししましょう…)

(うひっ!)

(自由人のロマンの後始末は(のち)にするとしまして、創造主についてお話ししても宜しいでしょうか?)

(ウゲッ…止めて〜!後始末何て面倒いから〜!)

「喧し!ロマン!…うんお願い、是非聞きたいよ!」

(俺もだ神音)

(では…創造主がこの世に生を受けたのは、今から遥か昔の15万年前だとお聞きしております)

「(15万年前!?)」

(はい)

「其れ…本当なのかよ…?」

(其の時代に私は未だ創られていませんので、何もお答え出来ませんが、あの方なら有り得ると思います)

「ヒャァ〜…スケールが違い過ぎて、如何リアクションして良いのか分からないや…」

(心中お察しします…。創造主が生を受け成長した時代は、私達が創られた時代よりも遥かに文明やテクノロジーが進んでいた時代で有り、五千年前の王族よりも強力な力と()寿()()を持つ種族が、其の時代の世を支配していたと言っておられました)

信康と聖司は、五千年前のあのテクノロジーよりも進んだ時代が在った事と、少なくとも14万5千年は生きていたのが本当なら、超寿命所では無いと思った。

最早神話の神々にしか思え無い…。

五千年前の自分達ですら、神々の様だったと思っていたのに、更に其れを遥かに凌ぐ種族が支配してた時代が在ったとは、考えるだけで恐ろしく成る。

(其の話を創造主にせがんで聞いていたのは、他ならぬロマンなのです)

「エッ!其れ本当なの!?」

(本当ですよ、其のおかげで封印を解いてカンちゃんと巫阿燐を引き連れて、良く遊んでましたから)

(アキャッ!其うだったね〜。冒険ゴッコの発端は、創造主の真似しよ〜って成ってさねぇ〜、神音以外の宝具全員で遊んだ事も有ったっけ〜。な〜つかし〜い!)

「エッ…神音以外皆んなが…?ハア!?其れ、仲間外れにしてたって事なのかよ!?」

(エ〜だってさね、マジマジ面々の真面目ん神音に声掛けてもさ、ズ〜〜〜〜っとダンマリしてるんだもの〜)

「ハァ?其れ本当?神音…」

(本当です。正直な所、毎回創造主に連れ戻す様に言われますので、()()()()()()()だと思えば良いかと考えまして、楽しく叱り付けてました。おかげでストレス発散出来ました…)

信康と聖司は思った…。

“神音を怒らせてはダメだ”と…。

神音を怒らせたら、とても面倒な事に成るとも思った。

「(ハ…ハハハ…)」

2人共、乾いた笑いしか出て来ない…。

「所で神音、普通に湧いた疑問何だけどさ、聞いても良いかな?」

(お答え出来るモノならば)

「あのさ、創造主の種族は超寿命って言ってたけど、もしかして、僕達の成長速度と違っていたのかな?」

(其れは何とも言えませんが、私達をお創りされた時のお姿は、丁度信康様と変わらない若々しいお姿でした)

「エッ?其うなの!?」

(はい、五千年以上前のどの王族よりも、若く生命力に溢れた方でした)

「其れが本当なら、1万年で僕達で言うところの1歳に相当するのかな…。ウッワ!凄過ぎて、頭がパンクしそうだよ…」

創造主について、アレコレ考えるのは無駄だと思った。

色々聞いても理解出来そうでは無く、無駄に頭が痛く成るだけだと判断した。

(今信康様が向かっているこの先に、創造主が師として仰いだ方が居たと聞いています)

「其うなの?」

(私は余り詳しく無いのですが、創造主に対てはロマンが1番詳しい筈です。誰よりも事細かくねだって聞いていましたから)

「其れも其うなの?なぁロマン」

(そっ!ワシ、創世主の話大好きだったのよん!ドキドキワクワク止まらないからね〜♪)

(なので、この続きはロマンからお聞きして頂くとして、向かう先に()()と思われる武器や宝具を一緒に探して欲しいのです)

「(武器や宝具ー!?)」

信康と聖司が息ピッタリに、同時に驚いた声を上げる。

(はい、武器と宝具です)

「エッ!?宝具はロマンや神音達以外にも存在しているの!?」

(確実とは言い切れませんが、創造主の師で在る“ロキ”でしたか、其の方が創られた様々な武器や宝具に、多くの道具が世界各地に今でも残されている筈です)

「(“ロキーー!!”)」

またも、同時に驚いた声を上げて仕舞う。

(ちょちょちょちょっと確認だが、確か“ロキ”ってのは、あの有名な北欧神話に出て来る悪戯好きな神様の名前じゃなかったか?なぁ、其うだよな信康…)

「うん其う…。オーディーンや特にトールとかに、しょっ中チョッカイを出してた悪神だった筈だよ…」

(エッ…オーディーンを知っておられるのですか?)

(確かロキロキの義理の兄弟でトールドルのライバルだったよね?神ネン)

(ロマン、今度再会した時は、覚悟を決めておいて下さいね…)

(ウィ〜〜嫌だ〜怖いよ〜!面倒〜!)

(で、話は戻りますが、オーディーンをご存知なのですか?)

「いやいや知ってるも何も、超有名な北欧神話の主神の親じゃん!」

(俺でも知ってる名前だ…)

(其うなのですね…。あの方達は聖セイ様の時代でも、語り継がれていらっしゃるのですか…。流石は創造主のもう1人の師ですね…)

「(もう1人の師!?)」

(はい、武術などを師事して頂いた様です。ロキには聖セイ様達で言う術や魔法の様なモノ、世界の理りと其の理りを使う術を教えて頂いた様です)

神音が言った内容が本当なら、創造主は、人を超越した存在である神々と同じ種族だった事に成る。

だが少し、自分が知っている内容と違うのだ。

其れを確かめ様と信康が

「幾つか聞きたいんだけれどさ、確かロキは小人とかの他の種族に武器を創らせたり、他人任せばかりしてたんじゃ無かったか?」

(申し訳ありません…其処迄詳しくは無いので、明確な事をお答え出来ません…)

「そっか、其れなら別に良いよ。何せ15万年も前の事だもんね…。神音が気にする事無いから」

(其う言って頂けたら助かります)

「うん。さ〜〜て、神音の頼みも含めての宝探ししないとね。あっ其う言えばさ、其の“ロキ”が創った武器とかは、どんなモノなのか分かる?」

(其れに対しては私達と同じ、どんな形かどんなモノなのかは分かりません。ですが、特殊な波長を発している筈ですので、直ぐに分かる筈です。特にロマンは、其の波長を知っていると言うか、其の1つを持っていますから、ロマンにお聞き成ると宜しいかと思います)

「エッ!?其う何だ!うん分かった!後は任せといてよ」

(ありがとうございます。では宜しくお願いします)

(あれ?何か2人で話し進めて、其れじゃまたね!みたいに成ってるけど、俺は未だ話し足りないんだが)

(通信エネルギーを使い切りましたから、これ以上は無理です)

(そんな!ちょっともうす)

プツン…

相変わらず、話の途中で通信を切られて仕舞う聖司。

良い様に弄ばれていると感じた信康だった。

「父さんって、思ってる以上にイジられキャラだったんだ…。何か凄く納得いくよ…」

(聖セイって、かなり神音に気に入られてるみたいだねぇん…)

「はい〜?あれでかぁ!?」

(うん其う。神音ってね、あんな性格だからさぁ〜、他人を弄る人やモノを選ぶんだよねぇ〜。同じ宝具でもね、リン以外は小言言われるだけだったんだもんねぇ〜。ワシなんて怒られてばっかだし〜、カンちゃんと巫阿燐は愚痴ぐち小言いわれ続けてたんだよなぁ〜。シルバとは、ライバルみたいにしてたし、識とは犬猿の仲って感じ?)

「うわぁ…また要らない情報聞かされたよ…」

(だからね、余程気に入らないとさね、弄ったりしないのさね…)

「僕は弄られ無い様に、距離を置く事を心掛けるよ…」

(だねぇ〜、其の方が良いさねぇ〜)

「さぁ〜てと、ロマンを探すのをメインにして、其の武器とか其の他諸々も探しますか…。で、先に言うけどロマン、面倒臭がるなよ。お前の好きな冒険ゴッコ何だから」

(わ〜てるって〜!ワシ、今超〜ウキウキガツガツなのよ〜ん♪メッチャ楽しみ〜!)

「ガツガツ…まぁノリ気なら良いや…。でさ、ロマンが唯一持ってる“ロキ”の創ったモノってどんなの?」

(ヘッ!な〜んでワシの大切なモノを其うホイホイ教え)

パチィーーン!

(ます!もぅ〜止めてよね!直ぐ暴力で訴えるの!其れ、DVDよ?Blu-rayよ?)

「其れを言うならDVだろ!僕はデジタル記録の媒体じゃ無いからな!」

(あっ今自分でD()V()を認めたね?認めちゃったね?認めちゃってるよね?)

「ウウゥッ…」

ロマンに言い負かされる信康。

(え〜会見を開きます。信チョさん、今のお気持ちは如何思われてますでしょうか?率直にお答え頂けますか?)

「今の気持ちは…とても悔しく恥ずかしい気持ちでいっぱいです…。まさか、バカロマンに言い負かされるとは…って、何言わせるんだよ!僕も何故素直にロマンのボケに乗っかってるんだよ〜!」

完全にロマンとの絆により、馬鹿さ加減が増した信康。

(アキャキャキャキャ〜!あぁ〜スッキリした〜!やっぱり信チョはこうで無くっちゃね〜!)

ロマンの中で信康は、バカのツッコミ担当が確定した様だ。

「〜〜〜〜!!」

(面白かったから、特別見せちゃるっスわ。ほいコレよ〜ん)

其う言って、ロマンが持つロキの創ったモノをホログラムで映し出す。

「!!な、何コレ!?」

映し出されたモノは、如何見ても羽の生えたオマルにしか見えない。

(ん?分かん無いの?子供用のト)

「其れ以上言わなくて良いから!」

(へっ?…あっ其う…)

「本当にコレ…ロキが創ったモノなのか?…」

(うん其うだよ〜。創造主に見せたらね〜、“懐かしい”と言ってたから、間違い無いよ)

(間違いじゃ無いのかよ…。コレ…一体どんな機能が付いてるんだよ…。使用目的以外に、何か隠されたモノが有るのかな…)

「なぁロマン、このオマ…ト…あぁ〜もう便器!には、何か特殊な力とか有るの?」

語尾を強めに言う信康。

(何もぉ〜おっきな声出して〜。あ〜コレ?特に何も無いよ〜?)

「ハア!?何も無いのに、何故大事に持ってるんだよ!?」

(ん〜?だってさね、面白いでしょ?持ってるだけで〜♪其れにね、正直ワシ達宝具には必要無いけれど、このトイレはね、た〜く山出たらさ、天高く羽ばたくんだよねぇ〜!しかも超スピードで回転しながらねぇ〜♪)

マジふざけ過ぎてて欲しいとは思わない、()()アイテムだと思った。

「赤ん坊が用を足してる時に、錐揉みしながら超スピードで飛び立ったら、怖過ぎてトラウマに成るわ!バカなの!?其のロキってのは!」

(アキャキャキャキャ〜!だよね〜!だから創造主の話しが好きだったのよ〜♪)

酷く納得する信康。

確かに悪戯好きな神だと知ってはいたが、無意味なモノに情熱を掛けるバカにしか思えなく成って仕舞い、宝を探すのを止め様かと思い始めていた。

(確かビリビリトールのハンマーとか、色々な武器も試作してたんだよね。其れを加工の得意な種族に創らせて、ロキは信チョの時代で言う、魔道具をメインに創ってたって言ってたっけ…)

ロマンの其の話で、一気に気を持って行かれる信康。

目を輝かせながら

「なぁなぁロマン、其のビリビリトールってのは、雷神トールの事だよね?オーディンの息子の!」

食い付き気味に尋ねると

(其だよ〜ん。雷神って怖そうで頭悪そうだからさぁ、ビリビリの方が知性有って格好良さ其うでしょ〜?)

「あ、うん、其だね」

ネーミングに関しては、ツッコむのを止めた信康は、適当な相槌で済ませた。

だが

「ロマン1つ聞くけどさ、さっきトールドルって言わなかったか?何故ビリビリトールに変更されてるんだよ?」

(も〜面倒〜だわ〜…そんなの其の時の気分で宜しく無い?違う?)

聞いた自分がバカだった…。

聞かずに其のままスルーしておけば良かったと思う信康は、ロマンの相手が面倒に成って来るのだ。

「あぁ無駄に疲れた…。でもコレは聞かなきゃダメだから一応聞くけど、ロマンはロキの創った武器とか宝具に道具の波長は分かるんだよな?」

(勿論ロチモだよん!)

「其の言い回し止めろよ!独特過ぎて意味分からん!っで、其の波長は何処から発しているか分かる?」

(う〜ん…微妙〜…。だけど、大体の目安?には成る所くらいなら、イメージ共有出来るけど…)

「其れで良いから、教えてくれないかな?」

(ホイホイサー!…でもね、今分かってるだけでも結構在るよ?其れもこの世界中に点在してるけど、本当に宜しい?)

とても嫌な予感がするが

「あ…あぁ良いよ、良いさ!楽しく冒険ゴッコするんだろ?其れなら丁度良いんじゃ無いのか?ロマンにしてみれば…」

この言葉を言った事に、直ぐヤラかしたと嘆く事に成る。

(本当に!?ヤッタァ〜!うっれし〜すわ〜♪ほなコレ!ホイホイホイッ!)

ロマンから送られたイメージには、存在している所が世界各地に在り、少なくとも100を超えていたのだ。

マジか…。

ロマン(あほ)のせいで、唯でさへ大陸大移動をしなければいけないのに、了承したとしても、まさかこんなに在るとは思ってもいなかった。

其の上ロマンが大事に所有しているオマルの様な、無駄なモノも数多く在る筈なのだ。

全てを見付け出すのに、どれだけの時間と労力が掛かるかも分からない…。

憧れの古代ロマンを求め、つい神音のお願いを聞き入れた自分が憎い…。

時間を巻き戻し、やり直せたならと、唯悔やみ続けるしか出来無い信康だった…。

「ハハ…ハハハ…もぅ如何でも良いや…深く考えるのはよそう…」

気力を無くした信康は

「先ずはロマンのカケラを先に見付けようか…」

(えっ?何で?)

「先ずは最初の目的を済ませた方が、後々面倒臭く無いだろ?本体を見付ければロマンの本来の力も戻って、其の力を使って各地を巡る方がさ、安心して探しに行けるだろ?本体に何か有ったら宝探しも出来無く成るからね…」

(ほ〜ぅ成る程ね〜。信チョの其の案に意義無し!ですわ)

そんな感じで話が纏まり、2つ目のカケラを目指して歩を進める。


思っていた以上に大変な旅と成った、信康のロマン探し。

古代ロマンに思いを馳せるのは、程々にしておこうと思う信康なのでした…。


第68話 神話 完

有名所を僕也にアレンジしてます。

其の状態で次話をお待ち下さいね。

其れにしても、錐揉みしながら飛んで行くオマル…。

有ったならちょっと欲しいかも…。

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