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輪廻家族 〜五千年の怨恨呪詛 呪われた家族の輪廻の旅〜  作者: 喜遊元 我可那
終わりの始まり
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呼びし古の声

第4話 呼びし古の声


 深夜0時になった瞬間、聖司達の周りが明るく光る。

 突然の出来事に、またもや驚く一家。

 そして光の中心から、古く擦れているが、しっかりとした声が聞こえる…。

 何処と無く、其の声に聞き覚えの有る一同。

 だが其れは今は如何でも良い。

 其れより、また起きたこの不可思議な現象が、家族を不安にさせている事が、何よりも腹立たしく思える聖司だった。

「一体何処の誰だか知らないが!俺達に一体何をしたいんだ!?」

 流石一家の長、億する事もなく叫ぶ。

「何とか言えよ!答えろよ!」

 更に怒鳴りつけると、続いて

「其うだ!私達に何をした!?」

 と、護都詞が言う。

「其うよ!」

「其うですよ!」

「其うだそうだ!」

 等と、其々もヤジを飛ばす。

 何だかんだと、気の強い龍乃瀬一家。

 先程迄の不安や驚愕に怯えていた者達だとは、とても思えない程の怒号が飛び交う。

 そんな感じで、一家が騒いでいると

「あぁ…遂に…遂に我の呼び掛けに応える程の、魂の強さを持った者達が…ようやく現れたか…」

 光の中心から、またあの古びた擦れる様な声がする。

「永かった…本当に永かった…よもや五千年も掛かるとは、思いもしなかった…」

 と、其の声は語るのだ。

 聖司達は

“五千年?呼び掛け?何を言っているんだ”

 と、其れ迄飛ばしていたヤジを止め、自分達に話し掛ける其の声に、耳を傾ける…。

 そして聖司が、其の声に問い掛ける。

「一体何の事なんだ?…五千年とか、呼び掛けとか、分かる様に説明してくれ!光の声よ!」

 光から発せられる声に、其う問うと

「…良かろう…では語ろう…」

 光からの声が語り始めようとした時、聖司達の居る更に上空から、眩い光が発する。

 其れは聖司達を焼き尽くした、あの稲妻と同じモノだった。

「マズイ!気付かれたか!」

 其う光の声が言うなり、稲妻に向かって光の円盤を放つ。

 間一髪、稲妻の直撃を避ける事が出来たのだが、目にした稲妻の威力の凄さに、これが直撃したら生きてはいないと悟った一家だった…。

「如何やら魂が砕けて、転生して無い事を知られた様だ…」

 光の声が其う言うと

「転生?魂…?何の事だ?おい!」

 聖司が問うのだが

「時間が無い!今直ぐ我の元へ集まれ!説明は後でする!」

「な、何を一体!?」

 と、其う聞き返すのだが

「本当に時間が無いのだ!良いから早く我の元へ!」

 切迫詰まった迫真の言葉に、思わず仰け反りそうになるのだが、皆んなは言われた通りに、光の中心へ向かおうとする。

 遂先程まで一歩も動けなかったのに、何故か今はすんなり動く事が出来て、光の中心に集まる事が出来た。

“えっあれ程動けなかったはずなのに!?”

 と思った時

「今またあの稲妻が落ちて来よう…。その瞬間に皆を消滅させたと思わせられる様、稲妻の直撃を受けながら、安全な別空間へ飛ばす!」

 また理解の範疇を超えた事を言って来るのだ。

「なっ何を言…」

 其処まで言い掛けたのだが、それを遮る様に

「後だ!」

 其の言葉と同時に、また稲妻が一家を襲う。

 しかも今までとは打って変わって、更に激しさを増した稲妻だった。

 音も無く眩い光が、全てを掻き消す。

 今度こそ、確実に消滅したかに思える、其れ程迄の高出力の稲妻だった。

 これを最後に、何度も襲った稲妻は、其れ以降降り注ぐ事は無かった…。

 そして静寂が、この空間を包む…。


──────────


 何処からか、声が聞こえる…。

 誰かに呼ばれている気がする…。

 でも少しほっといて欲しい…頼むからもう少し…今はそっとしていて欲しいんだ…。

 お願いだから、もう少しだけ…。


──────────


「目覚めよ!良い加減目覚めるのだ!」

 強い呼び掛けに、ハッと意識を取り戻すと其処には、家族の姿と人の形をした光が在った。

 其の呼び掛けの声に、聖司が最後に意識を戻したみたいだ。

 家族の皆んなは、中々意識を戻さない聖司を心配そうに覗いていて、ようやく目覚めた聖司を確認すると、安堵の表情を浮かべる。

「ようやくお目覚めですね、貴方」

 と、夕香が言う。

 続いて阿沙華が

「良かったお父さん、目が覚めて…。何処か辛いとこ…無い?」

 心配そうに聞くのだった。

「いや…俺は何処も何も無い…無事だよ…。其れよりも一体此処は何処で…一体…何が有ったんだ…?」

 其う言いながら、聖司は未だ少し朧げな意識で周りを見渡しながら聞く。

 見渡す限り、自分の知っている場所というか、空間?では無かった。

 水面に垂らした幾く(しょく)ものマーブル模様の様な、空間自体が歪んで、色んな光が入り乱れてる。

 其の中に、自分達の身体の周りに薄い光の膜を纏、この不可思議な空間に浮いていた。

 自分達が居るこの場所は、一体何処なのだろうか…?

 全く理解が追い付かない…。

 唯一理解出来るとしたら、この不思議な場所に、家族全員が確かに居ると言う事だけだった。

「此処は一体…何処なんだ…?」

 其う呟く聖司に

「私達にも、全く分からないんですよ…聖司さん…」

 夕香が答え

「本当に何処なんだろう、此処って…」

 阿沙華が言う。

 不思議な空間に、ポツンと取り残された家族は、其れ以上言葉を発する事は出来無かった…。

 どれくらい時間が経ったのだろうか…。

 声のする光に飛ばされる前なら未だ、日の明け暮れによって、何と無く時間は分かったのだが、此処に飛ばされてからというもの、目安となる日の明け暮れは無く、目に入って来る風景は、ウネウネするだけの空間なので、時間の経ち様が分からないでいた。

 そもそも此処には、時間の概念が有るのかさへ、全く分からない。

 何時の間にか、考える事を止めて仕舞っていた。

 唯何も考えられず、唸る空間を見つめてるだけの聖司達…。

 そんな聖司達に、思考停止の時間も終わりが訪れる。


コ───ン…コ───ン…コ───ン…


 まるでししおどしの様な音が響く。


コ───ン…コ───ン…


 其の音と共に、声が聞こえる。

 聖司達はまた何が起きたのかと思い、辺りをキョロキョロしながら

「…またか…良い加減疲れたよ…」

 と、聖司が嘆く様に言う…。

「本当ストレスだな…」

 と、護都詞も言うのだった。

「今度は、何が起きるのですかね?」

 弥夜もか弱く呟く…。

 そして、鳴り響いていた音が止んだ。

 誰もが其の状況に、息を呑む…。

「一同全て、無事な様だな…」

あの光の声が、其う語り掛けて来るのだった。


 一体何に対して無事なのか、事の真相も何もかも分からないのに、光の主は其う語り、また時は流れて行くのだった。


第4話 呼びし古の声 完

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