ふしぎなおみせやさん
あるところに、お店屋さんがありました。そのお店屋さんに、いつもやってくるお得意様がいました。そのお得意様は、なんとクマのぬいぐるみでした。お店屋さんは、おばあさんが一人でやっていたのですが、お得意様であるクマのぬいぐるみがあまりにもかわいすぎるので、おばあさんはクマのぬいぐるみをキラキラした目でみていました。
ある日、お店屋さんには、またクマのぬいぐるみが来ていました。おばあさんは、この日もぬいぐるみをキラキラとした目でみていましたが、おばあさんは、なんでクマのぬいぐるみが毎日来てくれるのか、不思議に思いました。そこで、おばあさんはクマのぬいぐるみに、なんで来てくれるのかたずねてみました。
「なんで、こんなに来てくれるの?」
クマのぬいぐるみは、元気よく答えました。
「だって、ぼく、おばあちゃんのことがすきだもん!」
おばあさんは、とてもうれしい気持ちになりました。おばあさんは、クマのぬいぐるみにプレゼントをあげたいと思ったのです。
次の日、またまたクマのぬいぐるみがやってきました。おばあさんは、クマのぬいぐるみにやさしいこえで話しかけました。
「いつも来てくれてありがとう。これは、わたしからのプレゼントだよ」
そう言って、おばあさんはクマのぬいぐるみに白い何かが入った袋をてわたしました。クマのぬいぐるみは、いつものおばあさんみたいに目をかがやかせました。
「ありがとう、おばあちゃん!」
それから、クマのぬいぐるみはおばあさんにたずねました。
「いま、ここであけていい?」
おばあさんは、やさしく「いいよ」とこたえました。クマのぬいぐるみは白い袋をあけて、中から何かをとりだしました。それは、自分と同じ、クマのぬいぐるみでした。おばあさんは、毛糸でがんばって、ぬいぐるみを編んでいたのでした。クマのぬいぐるみは、おばあさんにもらったクマのぬいぐるみを持って、
「ありがとう、大切にするね!」
と言いました。
こうして、おばあさんのお店屋さんに、また一つ笑顔がふえました。
おしまい