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もふもふ

猫専用! トイレの水洗レバーになったような、体験談

作者: 山目 広介

 夏のある日。

 私が寝入って間も無くだろうか。ウチの猫が私を起こしにやって来た。

 頬にチョンチョンと触れる感じ。

 目を開けると、目の前にウチの猫と目が合う。

 眠いのだが経験上、それをしばらく無視(スルー)すると猫パンチが飛んでくることになるので、仕方なく起きて猫を引き連れ、移動を開始する。




 私の家は普通の民家であるため、そこまで広いわけではない。

 当然、猫のトイレも廊下や部屋の真ん中にドドンと占領してはいない、邪魔だから。

 そのため、壁にくっ付いている。邪魔にならないように隅の方へを押しやっている。

 すると猫が用を足すとき、壁にお尻を向けると、困ることが発生するのだ。

 それは猫が綺麗好きだから起こること。

 猫は自分の排泄物を隠す。周りの砂を掛けてだ。しかし猫は手前にしか砂を掛けない。

 だから壁際にある自分の排泄物を隠すことが出来ないのだ。押せたら隠せたかもしれない。だが出来ない。




 それでも隠したい猫はどうするだろうか。

 それは自分(ネコ)の『飼い主』――と書いてルビを『奴隷』と振る――に処理を任せるのだ。

 賢い。常日頃の経験ですかね。

 従って、この日、ウチの猫が私を起こしてまでしたかったこととは、排泄物の処理、だった。




 ええ、しますよ。しますとも。当然です。でもね、尿はしたばかりだとまだ固まっていないので、崩れるからもう少し時間が経ってからの方が嬉しいのだけど、ね。




 次の日も、そのまた次の日も、夜中に起こされた。

 夏の昼間。(ダル)くなるような熱を帯びる日が射す日中。そこまで暑くなると、猫も動きたくないらしい。夜行性に戻る、というか、涼しくなる夜、または明け方に活動を開始するのだろう。

 人も朝起きたら、用を足す。そんな感じだろうか。猫も起きてトイレに行くらしい。




 だが、寝入ってから起こされるとこちらとしては、非常に眠い。連日だと寝不足にもなる。

 そして、排泄物の処理だけで終わり、ならまだよかった。

 しかし、活動し始めるのでメシも要求される。お腹が空いた、と訴える。


「ちょっとエサ場まで来い」


 と、顎で使われる。

 出来れば!

 できれば、トイレの片付けと同時に来て。再度寝てから再び起こさないで。

 寝ようとしている所を何度も起こされる。この辛さ。分かるでしょ。






 ふと思う。

 まるで水洗トイレのレバーのようだ、と。

 臭い物に蓋をするというが、水で蓋をしたのが水洗トイレだ。

 最後の仕上げにレバーを捻れば排泄物を処理してくれる。

 もしかして私は、猫の排泄物処理レバー?


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