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シトワイヤン  作者: かめ屋吉兵衛
一 はじまり
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 柚木氏との歓談後は清香の部屋に移動した。

「俺のワンルームの十倍は有るな、さすがお嬢様だ。」

「そういう康太だって実家は広いんだろ?」

「いやいや田舎だから敷地が広いだけで、そんな事より和馬の受け答えには驚いたよ、柚木氏との対話を和馬がしてくれなかったら、俺はやばかったな。」

「貫録有る方ですものね、和馬、ちょっと見直したわよ、またお邪魔しますなんて社交辞令も言えたし。」

「別に社交辞令じゃないよ、うちの親からは大人との付き合いを大切にする様にと、日頃からね。

 言うだけでなく、そういう機会を作ってくれるんだ、柚木氏からは経営の事とか学べそうだろ。」

「父の前で緊張する人は少なくないですが、なんか、和馬は私と話す時よりリラックスしてる様で少し複雑な気分でした。」

「だから、清香や愛華みたいな美人というか同年代の女性と話した経験が少なくてさ。」

「少ないだけで有るのね?」

「まあ、友人の姉や妹と話す機会は有ったさ。」

「そういう時はドキドキしたの?」

「そりゃあ少しは、でも、君たちほどの美人じゃなかったからね…、愛華さん、そろそろ許して下さいませんか。」

「で、大人の男性とは話す機会が多かったって事なの?」

「相手に失礼のない会話が出来る様になってからは、親父の取引先の方とバーベキューをしながらとか。

 少し背伸びした質問をさせて頂くと色々教えて下さるんだ。」

「へ~、バーベキュー、今もやってるのなら私も参加したいな。」

「ぜひどうぞ、肉ばかりでなく畑で採れたての野菜も食べてね、親父も喜ぶと思う、次の日程が決まったら教えるよ、場所はうちの畑だけど雨だったら室内、雨天中止はないからね。」

「俺も良いのか?」

「勿論さ。」

「和馬の謎が一つ解けました。」

「えっ、俺には謎なんてないよ。」

「そうかしら、それで市民政党はどうしますか?」

「俺達の学習は決して進んでいるとは思ってない、もし立ち上げるとしても俺達は教えられる立場になると思う、それでも実験的に始める事は可能だと、柚木氏と話していて思ったよ。」

「和馬を党首に始めるか?」

「康太、少し考えていたのだが、暫定的な党首は美貌と明るさを兼ね備えた愛華が良いと思うんだ。」

「私?」

「まだ中身が無いから、絶世の美女が微笑まないと人は集まらない、その傍らに清楚系美女とイケメン男子が立っていれば、何人かは確実に集まるだろう。」

「和馬は?」

「あっ、愛華、俺をさり気にイケメン男子から外したな…、そうだな俺はカメラマンから始めるとしよう、愛華を中心に三人集まってくれよ。」

「だめよ、四人一緒じゃなきゃ。」

「そうね、お父さまから三脚を借りて来ます、和馬のスマホでなく私のカメラで写しましょう。」


 自分が思っていたより俺達四人は親密になっているのかもしれない。

 ただ…、女という奴は良く分からなくて…。

「和馬、表情が固い、康太を見習って、はい次のポーズはね…。」

 モデル気分なのだろうか、楽しそう。

 でも…、清香お嬢様、愛華お嬢様、今回のは少し近過ぎませんか…、そんなに近づいて下さると私の胸の鼓動が…、もう限界です。

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