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シトワイヤン  作者: かめ屋吉兵衛
一 はじまり
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 幸運としか言えないが、俺は彼女達と棚橋付きでは有るが仲良くなれた。

 時間が合えば四人でお茶をしたり食事をしたり、話題は固いが元々そういう話は嫌いでない。

 少し派手目な美女は佐伯愛華、大学入学早々、男子学生達の注目を集めているが、今の所、俺と棚橋以外の男子とはあまり交流していないみたいだ。

 棚橋康太はそこそこのイケメン、美女二人が彼目当てで合っても驚かない。

 清楚系美女の柚木清香は色恋沙汰に興味がないという振る舞い、遠慮のない発言もするが自然な気遣いをしてくれる。

 まだ、出会ったばかり、友達になれたと思っているのが自分だけではないと信じたい。

「ね、和馬はお兄さんとも政治の話を良くするの?」

 和馬とは瀬田和馬、俺の事だ。

「最近はね、兄貴は、実社会ではとても不可能なことを架空の世界でシミュレーション出来ないかと考えているんだ。」

「それって現実逃避ではないのですか。」

「う~ん、現実的な事も検討してるそうだけど、兄貴に影響されて俺が考え始めてるのもネット上に架空の政党を構築出来ないかという事だから、現実逃避かな。」

「シミュレーションと言っても、ネット上でならリアルな人の考えによって政党が形作られて行くのだろう、面白いかもな。」

「ああ、ただ政党を拡大して行くのは難しいし、拡大したら荒らす人が確実に増えると思うんだ。」

「党員資格とか明確にして、荒らしたら即退会とか出来ないか?」

「康太、俺はそこまでネット上のシステムに詳しくないんだ、SNSも狭い範囲でしか使ってなくてさ。」

「その前に、和馬が考える政党ってどんなものなの?」

「俺自身、まだ学習が足りてない、まあ一人の人間が国政すべてを把握出来る訳はないだろ、日本を良くする、その方向性の中で多少の違いを妥協し合いながら人が集まり、それぞれの力を発揮し協力して行く存在かな。」

「ならば市民政党を生み出せないでしょうか、今の日本に市民が意見を出し合って方向性を決めている政党は無いですよね。

 新党が出来ても古い人達が名前を変えて自分達の職を維持しようとしているだけです。」

「同じ方向性持つ市民が集まって政党を形成する、和馬の発想は悪くないと思うわ。」

 それから四人で話し合った。

「政党とは何かを考えながら、党としての基本方針を作ってみたいですね。」

「うん、まずはネット上で、それを公開して反応を見る場を検討してみようか。」

「でも党首が必要だわ。」

「ただ、人の輪を広げて行くとして俺達で責任が取れるのかな?」

「和馬は弱気なのね。」

「ええ、てっきり党首になって下さると思いましたのに。」

「ま、待て、俺はそんな器じゃない!」

「ですよね、軽い冗談です。」

「い、いや、清香さん、真面目な顔して重い冗談をおっしゃらないで頂きたいのですが。」

「でもさ、和馬が党首なら私はついて行くよ。」

「愛華さんまで…、党首は党のイメージでも有るのだから康太の方が相応しいと思わないのか。」

「だめです康太は、裏で悪事を働いていそうです。」

「え~、そんな事してないって。」

「まあ、軽い冗談です。」

「ねえ、市民政党が実現したら、すごい労力が必要にならないかな、四人だけでも大変なのに。」

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