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治療用(豊胸)クリーム

なんだか最近、乳首の辺りが少し腫れている気がします。


しかも、どこかに当たると鈍い痛みを感じてしまい気になって仕方がありません。



何かの病気かと思い調べてみると思春期特有のホルモンバランスの乱れで起こる女性化乳房という症状のようです。


ただでさえ女っぽい見た目で弄られることが多くてコンプレックスなのに胸まで膨らんでしまったら、体育の着替えや水泳の時間が地獄になってしまいます。


症状自体は自然治癒するそうなので、すぐに治まることを祈りながら様子を見ることにしました。




それから二ヶ月が経った頃、腫れは治まるどころか胸全体に広がり、少し膨らんだ感じになっていました・・・。



これは流石に自然治癒は期待できないと思い、一先ず病院へ行くことにしました。


この場合は胸のことだし婦人科なのかな?




診察室に入ると、お医者さんが綺麗な女性で、女性化乳房の治療のためと言うのはなんだか恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら遠慮がちに相談してしまいました。


「む、胸の膨らみを診察してもらいたいのですが・・・」


・・・思えば、ここで女性化乳房の治療をしたいと言わず、女性の患者だと勘違いされてしまったのが全ての始まりだったのかもしれません。



「こ、この胸が恥ずかしくて、どうにかできませんか!?」


服を捲って胸を見せる。急なことで先生は驚いたが、すぐに冷静になる。


(胸の膨らみ・・・胸が恥ずかしい・・・・? 綺麗な胸だけど小さいことで悩んでいるのかしら? 私も小さくて悩んでいたから気持ちはよくわかるけど・・・)


「(胸が小さいことで悩むのは)思春期にはよくあることなんだけど大体は時間が解決してくれるわ。 周りと(胸のサイズ)の違いが気になるかもしれないけど、少なくとも二次性徴が終わるまでは我慢してみるのが良いと思うわよ」


「やっぱりそうなんですね・・・だとしても何か方法はありませんか?」



(そうよね・・・わざわざ病院に来るほど思い悩んでいる訳だし成長期ならどうにかなるかも)


「ちょっと待っていてね・・・・えっと、あった! 気休めにしかならないかもしれないし、医療用ではないのだけど(豊胸)クリームを渡しておくわ」


と言って私物であろうクリームを渡された。



「え?良いんですか?」


「これを毎日お風呂上がりに胸に塗り込めば効果があるかは分からないけど何もしないよりはマシなはずよ」


「ありがとうございます!えっと・・・クリーム代は?」


「今しかない青春を胸のことで後悔せぬよう人生の先輩からのプレゼントよ」



こうして自分のことのように(先生の方は本当に青春時代の自分と重ね合わせていたようだが・・・)親身になってくれた先生に治療用?のクリームを貰い帰宅したのです。






それからしばらくの間、言われた通りに毎日クリームを塗り続けたのですが症状は(当然)治まらず、それどころか(豊胸クリームが体質に合ってしまったのか)胸がさらにふっくらとしてしまいました・・・。







現在の胸のサイズ:AAAカップ未満→AAカップ

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