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とりとめなくあふれる  作者: 通行人C
5/30

独唱

とある人の歌に影響を受けて。

こういうの書きたくなったので



死ねもしないくせに 今日も屋上に上がった

下を見たら足が震えた

夜の街はまだ騒がしい だから僕の声なんか

響くはずがないんだ 歌を口ずさんだ


あの日はどうも心が冷め切って

なのにどこか浮ついた気分で

捨てられるのならこの身ごと全部全部

捨てようと思ったんだ


ねえこの歌は聞こえてますか?

聞こえているはずもありませんね

誰もがみんな忙しくって

僕の歌など聞いている暇はないから

ねえなら何を叫んだっていい

そうは思いませんか?

僕の喉が擦り切れるまで 通り過ぎてください



平凡並みにもならない 僕の人生なんかはもう

このまま放り出しちゃおうか

落ちた痛みを思うと怖い だけど今更だろう

フェンスを飛び越える勇気もないんだ


あの日から僕は冷め切って

なのに行くあてなんかなくてさあ

全部を捨てる前に 少しだけ少しだけ

言葉にしてみようと思ったんだ


ねえ君には僕がどう見えますか?

そもそも見えていなかったなんてオチ

笑えないよそんなの

君には僕をきちんと見つめて欲しかったのに

ねえなら何をしたっていい

そう思ってもいいかな?

僕の姿が消えてしまうまで 踊ってみせるから



ああ、弱虫

飛び立つ気なんてさらさらないくせに

こんな真似事だけして

結局何がしたいんだよ


ああ、弱虫

いらないよ僕はお前なんかさあ

消えてくれよ、今すぐ

消えてしまえよ、ここで終わらせよう


ねえこの歌は聞こえてますか?

聞こえているはずもありませんね

誰もがみんな忙しくって

僕の歌など聞いている暇はないから


ねえこの歌を聴いてください

聞こえないならイヤホン外して

僕の声だけに集中して

君の歌ならまたあとで聞くから

ねえ僕はこんな歌を歌うよ

君のためじゃない、僕だけのために

僕の喉が擦り切れるまで 数分間だけのリサイタル




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