604.さてさてクラウは(クラウ視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(クラウ視点)
やれやれ、だと思うんだ~。
僕はカティアの守護獣なんだけど、特別な神獣。カティアを通じて、いろんな姿に成長出来たり思考を巡らせることが出来たりするようになったんだ。
だから、まあ。
カティアが実はわかっていない部分も結構あって。
僕が成人した人間たちと同じような思考回路に育ったことはまだまだ言えていないんだよね?
カティアが必要以上にセヴィルに触れたい本音とか、僕でもわかっちゃっているんだよ。それを上手に誘導してあげようと、今日は先に寝たふりしてたの。
そして、それっぽい雰囲気になってくれたから……僕は、最近覚えた転移の魔術で移動しようっと。こっそりこっそり、移動したよ? カティアのいた世界だとたしか……『お邪魔虫は退散』?だったかな?
実行する僕も僕で、だいぶ成長したなあ。
移動先は、サイノスのとこがいいかと思ったけど。サイノスはアナといっしょだろうから我慢~。いちゃいちゃはいっぱいあるからね? エディオスもセリカと同じだろうし~。
創世神様のフィー様は、きっと寝ちゃっているからやめておこう。
なので、来た場所が。
『……何故。我のところに?』
『なんだかんだで、君とも会っていなかったからさ』
エディオスの守護獣のディシャス。大きな大きな竜種。
成獣しきった僕の姿より断然大きいけど、いっしょにいるならこの子の方がいいかなって来たんだ~。
『……カティアのところへは?』
『お邪魔だから、こっそり抜けてきたんだよ』
『邪魔?』
『人間同士の睦み合いに、守護獣は邪魔でしょう?』
『……とうとう』
『ふふ。君もカティア大好きだもんね?』
人間化してまで会いに行くくらいだもん。僕と同じかそれ以上にカティアが大好きだから。
カティアは可愛いもん。
今はそれに綺麗まで加わって、人間の男たちを虜にしちゃうくらいだ。
だけど、カティアの御名手はセヴィルだ。世界を超えてまで結ばれた大事な運命の恋人。
その二人が心身ともに結ばれるんだもん。守護獣としては、この上なく嬉しいし祝福してあげたい。だけど、普段は人形のように小さくても意思のある存在だからね? お邪魔はよくない。
それに、こういう機会じゃないと、ほかの守護獣たちと交流出来ないから……ここで寝させてもらうんだ~。
ディシャスに横で寝ていいかってお願いしたら、しぶしぶ了承してくれたよ。
『カティアたちの子どもが出来たら、誰が守護獣になるかなあ?』
『……我には番がいないので、子がまだですが』
『じゃあ、僕立候補しようか?』
『は?』
『僕、自分の性別まだ決めてないからね?』
ディシャスとはカティア大好きがいっしょだから、これからもっとお互いを知っていけば……素敵な御名手に似た番にはなれると思うんだ!
あ、でも神獣と聖獣ってそもそも番になれるのかな?
明日とかに、フィー様に聞こうと思ったけど……ディシャスは、ずーっと口をあんぐり開けたまま驚いていたんだよね?
次回はまた明日〜