597.協力者の意見
◆◇◆
「……由々しき事態ですね」
中層に行くから、まさかイシャールさんのとこに行くかと思えば……シャルロッタさんをアナさんが呼んで、空き部屋で緊急会議のようなものを開かれたのだった。
「そうなの、シャルロッタ。貴女もカティアさんの事情を知っているからこそ、協力してほしいのよ」
「お願いします。シャルお姉様」
セリカさんはシャルロッタさんをそう呼んでいるんだと、感心しているのはさておき。
シャルロッタさんは僕とセヴィルさんの事情を最近知ったから、フィーさんからの記憶改竄なども修正された。
僕が以前の子どもの身体だった時の記憶が戻っているのだ。
だから、それらの記憶と照らし合わせて……改めて、僕をじっと見るのです!!
「……カティアちゃん」
「は、はい」
詰め寄られ、肩をガシッと掴まれた。そして、その表情はとても険しいものだった!
「……その身体になったのに。閣下と、『事実上』なにもしてないの!?」
「き……口付けだけです」
「嘘でしょう!?」
「……本当です」
ということは、シャルロッタさんはお済みということかな? イシャールさんは、好きになった相手は大事にする人だと思うし……激しいと勝手に予想しちゃうけど!!
「閣下も閣下よ!? こんな美女に我慢出来る!?」
「び、美女ってほどじゃ」
「どこが!? 君を普通と思ったら、そこいらの女どもが美形に見えるのと同じよ!!」
「えぇえ」
やはり、僕は色彩以外にもフツメンではないようだ。
シャルロッタさんはある程度喚いたあとに、アナさんたちも居ることを思い出したので咳払いしました。
「それで……殿下方は何故私に?」
「ちょっと意見を聞きに。カティアさんがゼルお兄様の私室への同居を考えられているのよ」
「邸を持たずに、宰相の仕事へ行きやすいようにとの案なのです」
「……閣下の私室? 閣下は昔から寝相が悪いのでは?」
「ぼ、僕がいっしょだと……魔力暴走もないです」
「是非同居した方がいいわ!」
シャルロッタさんが、即答するくらい素晴らしい案だったようだ。
なので、さらに引き込もうとイシャールさんも連れてきて。
「……ゼルの懐入れんの。カティアだけだかんな?」
と、事情説明したら、ニヤリの笑顔をつけるくらい賛成されました。
だったら、もう実行だと全員でエディオスさんたちが居る執務室に向かえば。イシャールさんが扉を開けて、すぐ様セヴィルさんの首根っこを捕まえに行った!?
「なんだ!?」
「ゼル。事情はあらかた聞いたぜ! カティアとあの部屋で暮らせ!!」
「は?」
「お? その案、カティアが言い出したのか?」
「「「「「はぁあ!?」」」」」
セヴィルさんはぽっかーん。
エディオスさんはニヤニヤ。
部下さんたちは、絶叫。
フィーさんもたまたま居て、思いっきりハイジャンプ。
「準備だー!」
と言って、僕とセヴィルさんを引っ張ってあの部屋に連れて行かれました!?