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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十八章 バカンスも終わって
587/616

587.懐かしのパンツェロッティを-①

お待たせ致しましたー

 美味しいお茶を飲んだら、小腹が空いてきてしまった。


 緊張が高まっているのに、体は正直だ。虫の音も響いたので、セヴィルさんには苦笑いされたのでありまする。



「何か用意するか?」

「……ここって、使用人さんとかいるんですか?」

「管理人のようなものは置いているが、常駐ではない。俺が作れなくないからな」

「セヴィルさんが?」

「城ではほとんどしないが、俺もエディオスらと昔はあちこち行ったりしていたからな。簡単なものなら出来る」

「……じゃあ、いっしょに作ります?」



 セヴィルさんと共同作業ができたら、きっと楽しいだろう。なので、提案してみればセヴィルさんは頷いてくれた。



「貯蔵庫に行こう。食材は保存の魔術がかかっているから、悪くなっていないはずだ」



 それでも定期的に入れ替えてはいるらしく……案内された貯蔵庫に行けば、新鮮な野菜から保存のきくものまでなんでもあった。これがセヴィルさんのために、と用意されているものだと思うと……料理する姿がどんなものになるのか、想像するだけで楽しい。


 とりあえず、僕らの思い出の味であるピッツァ……パンツェロッティを作ることにしたよ!



「生地の仕込みに必要な材料もあるだなんて」

「俺は作れないが、たまに管理人が自分でパンを作るらしい」

「なるほど。セヴィルさん、時間操作の魔術……出来ます?」

「? 生地に使うのか?」

「はい。僕だとまだ成功しにくくて」

「わかった」



 発酵の手間を省けるのであれば、ここは協力しなくちゃだからね。セヴィルさんだと無詠唱でパパッと出来るから、相変わらず凄い。


 具材はシンプルなトマトソースとベーコンにチーズ。


 もう片方は、ジェノベーゼ。にんにくあるけど。僕らだけだから気にしない。


 キス……するかはわかんないけどね!?


 それはともかくとして、セヴィルさんの料理技術は普通より少し上くらいだった。つまり、手際がいいのだ。



「閉じて……セヴィルさんひとつずつでいいです?」

「とりあえずはそうだな」

「余ったら、クラウが全部食べちゃいそうですもんね」

「違いない」



 緊張が少しずつほぐれてきたけど……やっぱり、ずっとドキドキしちゃう。


 バカンス以来だから、セヴィルさんとこんなにもたくさん話すのが。


 なので、進展はともかく……セヴィルさんともっとたくさんいっしょにいたい。


 料理も嬉しいけど、そんな穏やかな時間も過ごしていきたいのだ。


 パンツェロッティは、美味しそうに出来上がったから食堂の部屋で食べることになった。クラウは起こしてあげたら、いい匂いってよだれを洪水のように流したので、拭くのが大変だった……。

次回は月曜日〜

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