585.親友の心配(ファルミア視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
カティがゼルの御名手だと、神王城から世界中に報告が成された。
冷徹宰相に、最上の美少女が!! って、報告が国内外に飛び交うのは仕方がないわ。カティは色彩の豊かさもだけど、奏樹のルックスまんまを受け継いでいるから……モデル顔負けの美少女出来上がりだもの。
口調はちょっと男の子っぽいけど、それもまた魅力のひとつ。ゼルは全然気にしていないようだしね?
(エディとセリカの結婚式が先だし、カティも今の身体にもう少し慣れてからでしょうけど……)
ほとんどスピード婚に近いから、色々あたふたしてるでしょうね? 私はリースと結婚するのもそれなりにスピード婚ではあったけど……子どもが出来るまでは時間がかかった。
カティたちはどうなるかわかんないけど……見た目からして精力が有り余るくらいの男たちだもの。リュシアも初体験で結構大変そうだったから、カティの方も倒れないことを願うのみね。
「二人のこともちょっと心配だけど……今は自分のことね」
報告書を読んだあと、私はすぐにベッドに横になった。
妊娠初期症状なのかよくわかんないけど……眠くて眠くて眠いのよ。
つわりについては、こちらの妊娠期間によるとまだだけど……めちゃくちゃ眠いのよね。
『ファルよ、肉体の流れに任せて今は寝るのだ』
『子のため』
『我らの主の子』
『愛おしい命だ』
「そうね、ありがとう」
四凶たちも気遣ってくれるくらい、お腹の子は将来のヴァスシードにとっても大事な子だ。この世界では、王族の即位は女でも問題ないのだけど……出来れば、男の子がいいわ。気苦労への負担が少しでも軽い方がいいもの。
と言っても、リースは私を愛し続けてくれるから、次の子も欲しいって言っているけれど。ひとり目でこんなにも大変だから、本当に妊娠って命懸けなのね。
(親になるだなんて、前世もだけど……リースに出会う前は諦めていたのに)
ほんと、生きていく上でイレギュラーってよくあるものね?
「ミーア! 調子はど」
『『『『静かに』』』』
リースが勢いよく入ってきたのに、四凶らが咎める光景もいつも通りだわ。おかしくて、ついつい笑っちゃう。
「……ごめん」
「いいわよ。心配してくれてありがとう」
「うん。カティのことはもう知ったよね? いよいよ、ゼルと婚姻かぁ」
「まだ先にエディやサイノスがいるわ。二人のあとじゃないかしら?」
「それは仕方ないよね」
二度と会えないと思っていた相手との結婚だもの。急ぎ過ぎて慌ててはいけない。寿命は長いこの世界だから、ゆっくりがいいもの。
イレギュラー要素もゆっくり受け入れていかなくちゃね、カティ?
次回は火曜日〜




