580.住む前の問題-①
お待たせ致しましたー
◆◇◆
セヴィルさんと正式に婚約者となったことで、問題点がひとつ出来た。
結婚後の、お互いの住まいについてだ。
「今のままで良くね? それか増築して同じ部屋に住むか?」
と、エディオスさんはちょっと暢気なこと言うんですけど!?
「ど、どどど、同居!?」
「アナはサイノスんとこの屋敷に降嫁すっけど、ゼルは寝起きのこともあっから城に居た方がいいしな?」
「そんなに?」
「ガチで酷い」
隣でコーヒーを飲んでるセヴィルさんを見ても、明後日の方向に首を動かすくらいだ。これは自覚があるほどやばいものなのだろう。
「だったらさ〜? カティアに見せてあげたら?」
フィーさんがそんな提案をされたので、僕は盛大に驚きの声を上げた!!
「ど、どこから!?」
「ん? 起こすだけじゃん。なんか想像した?」
「そうですよね! 起こすだけですよね!!」
セヴィルさんのスキンシップが増えつつあるから、我ながらよこしまな想像をするのは仕方がないと思う。
「まあ、保険でサイノスとフィー連れてけ。いきなり一人はまずいしな」
「え、そこまで保険が?」
「ないとしんどいのはお前さんだ。カティア」
「僕はいいよ〜」
と言うことで、セヴィルさんの了承もなく起床時間の様子を見に行くことになり。
決行日にサイノスさんに案内していただくと、男性側の居住区域は結構シンプルで造りがかっこいいイメージを持った。
「ここですか?」
見たところ、僕の使っている部屋を男性向けにした感じ。扉を見ただけだと何もわからない。
寝起きが酷いイメージは、低血圧とか眠りが浅いとかだけど……セヴィルさんに直接聞いてないから、どっちなんだろう? もしくはどっちも?
「とりあえず。何が飛んできても、フィーの後ろに隠れてろ?」
「へ?」
「うんうん、そうだね?」
いくぞ、とサイノスさんはノックもせずに扉を開け放つと。
奥の方から、いきなり何かが複数飛んで来た!?
「はへ!?」
びっくりして、慌ててフィーさんの後ろにクラウといっしょに隠れると。すぐに『ぼす』とか『どん!』って音が響いてきた。
そっと覗いてみると、サイノスさんが魔術を使ったのか結界のような壁を展開していて、その向こうには椅子とかクッションなどのインテリアがぶつかっていたのです!?
「あらら〜。やっぱりこうなるかー」
フィーさんはのんびり言っているけど、これなんかの襲撃ですか!?
そして、肝心のセヴィルさんは無事なのでしょうか!!?
「なんですか、これ!?」
「セヴィルの寝起きによる魔力暴走」
「はい!?」
この襲撃者はセヴィルさんの寝起きのせい?
サイノスさんはいつもこれを対処してるってことですか!?
次回は月曜日〜