577.注目は二つ
お待たせ致しましたー
(うぅう……視線が痛い痛い!!)
アナさんが側にいてくださっていても、綺麗なお姉様方からの視線が僕に集まっているのは嫌でもわかる。
今日も目は魔術で青色にしているけど……本当にこの世界では金髪がレアだから、髪色でめちゃくちゃ目立つ!!
子どもの体じゃなくて、成人した本来のものになったから……まあ、目立つよね? フィーさんが記憶改竄してくれた反動で、僕の立ち位置は『神王族の縁戚の子ども』じゃなくて、令嬢のような扱いになった。
ファルミアたちが言うくらいの美少女になっているらしい僕。自覚は相変わらずわからないけど、セヴィルさんに喜んでもらえているなら、いいかなとは思っている。
けんど!? こんな大注目される事態に陥いるとは思ってもみなかったんですけど!? 男性よりも女性からの視線が痛いんでっす!!
「うふふ。カティアさんの愛らしさに、皆驚いていますわね」
アナさんは盾になってくださってるけど……楽しんでいらっしゃる!? 僕はチクチク痛い状況が辛いんですけど!?
「僕は辛いですよ!?」
「けど、事実ですわ。カティアさんはとても愛らしく成長されましたもの」
「体の成長だけでここまでですか?」
「あの年代の頃も十分愛らしかったですが、磨きがかかっていらっしゃいますの」
「磨き……」
それでセヴィルさんのラブアピールの暴走にまで至りそうになるのか……内面はともかく、外見の変化も恐ろしい。フィーさんもすごく変わったけど、僕もめちゃくちゃ変わったからか。
「さ。そろそろ始まりましてよ?」
アナさんが指を向けた先には、エディオスさんが玉座に腰掛けようとしていた。
これには僕に視線を向けてた人たちも、姿勢を正してエディオスさんに深くお辞儀をしていた。僕もアナさんを真似してなんとかしてみせたけど。
「皆、顔を上げよ。此度は余から知らせたいことがある」
エディオスさんが王様らしい態度をしているのは、まだ慣れないなあ。普段は気さくなお兄ちゃんだからそれくらいしか見てないもん。
「ふふ、お兄様。神王らしく振る舞っていらっしゃって」
けど、アナさんはなんだか楽しんでいらっしゃるんですけど!?
「噂などで知っている者もおるだろうが、余はある女性を神王妃に迎えようと思っている。この場にはいない。今呼ぼう」
エディオスさんが、片手を上げたら少し奥の扉が開き。そこから、美しく着飾ったセリカさんのご登場となったのだ!!
「セリカさん綺麗です!」
「ええ、ええ! コロネたちも張り切ったのでしょう!」
ゆっくり入ってきたセリカさんを見ながら、僕とアナさんはきゃっきゃとはしゃいでしまった。
次回は土曜日〜