573.神と人間の違い
お待たせ致しましたー
◆◇◆
「焦った〜……」
「僕も焦りましたよ!!」
サフィーナさんの話題を出さなきゃ、クロノさんにもピッツァをデリバリー出来なかったからね!
とりあえず、無事に転送出来たのでほっとは出来たけど。
「……そんな怖い姉貴なのか?」
ひとり会ったことのないイシャールさんはクラウを抱っこしてもらっていた。彼の質問に、フィーさんはげんなりした表情で頷く。
「姉様の中で一番穏やかだけど、怒らせると孫一同の中で一番おっかない!! シャルと比較にもなんないよ」
「……そいつは怒らせられんな」
「いい人でしたけどね?」
「気に入った相手にはね! まあ、僕は一番下の弟だから可愛がってもらった方だけど」
「ほーん? その姉貴との婚姻はないのか?」
「じい様や父様たちが決めているから、人間とは違うね」
「しきたりが色々あるんですね」
近親婚でもちゃんと決まり事はあるみたいだ。人間じゃないから、奇形児の出産とかは気にしなくていいみたいだけど。
「あるもある。シアとは数万年の月日を経てだからね! いや〜長かった!!」
「長過ぎるわ!?」
「どんな長期計画だったんですか!!?」
「まあ、カティアはともかく……こっちだと三世代くらい長生きしてるからねー?」
「くそ長いわ!」
「え……レストラーゼさん以上?」
「そーそー」
改めて、この美青年になった神様はやっぱり人間じゃないと納得出来ました……。
「とりあえず……神様同士のご結婚は凄いと思っておきます」
「無難だな……。俺でもそう思う」
「君たちも婚礼挙げるんだから、いいじゃんいいじゃん。僕はしょっちゅう会えないし」
「あ? そうなのか?」
「僕らは世界の管理者だからさ? それぞれ存在してなきゃいけないんだよ。安定すれば、行き来はしやすいけどー」
「面倒なんだな?」
「そ」
そういう意味では、僕とかは恵まれているんだ。一度死んで、クロノさんたちのおかげで転生して……セヴィルさんと結ばれる結果になったんだから、神様皆さんには感謝しても仕切れない!!
「ふゅ!(ぼくもいっしょー!)」
イシャールさんから、クラウがひゅんと飛んできて僕に抱きついてきた。かわいくいっしょって言ってくれるのは嬉しいから、僕もだよと抱っこしてあげた。
「クラウもずっといっしょだよー」
「ふゅふゅ!(うんうん!)」
「カティア〜、そろそろ僕らのピッツァも作ろうよー」
「そうですね! お昼ごはんに遅れちゃいますし」
材料はまだたくさんあるから、シーフードピッツァを思い思いに作ることができた!
そして、食堂に持って行って食べる前に……エディオスさんから宣言というものがあった!
「セリカと年内に婚儀を挙げる!!」
「おお!?」
「「マジか!?」」
「まあ!」
誰にも言っていなかったので、セリカさんもだけど皆さんもめちゃくちゃびっくりしましたとさ。
次回は木曜日〜