562.期待大!
お待たせ致しましたー
◆◇◆
セヴィルさんから、お話があると告げられた。
(……おはなし?)
艶めかしい声音で告げられた直後、僕の頭の中はぽわぽわのほえほえになってしまった。
鈍い鈍い僕でも、あの意味をわからないわけではない。
特に昨日と今日の、周囲の空気は薔薇色まみれ。
アナさんとサイノスさんの事もあったから……つまり、つまり……その!?
(待っててくれるとは言ってくれたけど……箍が外れちゃったの!?)
ないとは言い切れない。
セヴィルさんとて男の人だから……充分にあり得る。
僕の体は、無事に成人体になれたし……そういう関係になることも可能だ。まだ二、三日程度だけど……ちょっとずつ扱いは慣れてはいる。
と言うことは、僕の準備も整いつつはある。
気持ちは全く追いついていないけど。
(でも……いや、じゃない)
セヴィルさんにだったら、全然嫌じゃない。
むしろ……嬉しい。嬉しすぎて溶けちゃうくらい。
女の喜びってこうなんだ。日本にいた頃は、男になりたいとか駄々をこねてたけど……転生して、二度と会えないと思ってた初恋の人と恋人になれた。
それだけでも奇跡なのに、心だけでなく体もそうなったら……もっともっと幸せになるかもしれない。
未知の怖さだけは、どうしても奥底にはあるけれど。
(……もしくは、プロポーズもされたりして!?)
事実上のプロポーズはいただいたけど、この世界は特殊な関係が大事とされているから……セヴィルさんとは既にその関係ではあっても。
体が小さい時にも言ってもらったが、この状態ではまだだ。
あのマジトーンは、その可能性が大だ。大いに期待してしまう!!
という気持ちが昂り、僕は……僕は!!
「……カティ? 普通の窯で焼けないわよ?」
「……ごめんなさい」
ピッツァ回しに熱が入り、ジャンボ過ぎる生地を作ってしまったのでしたぁ!!
次回は土曜日〜