559.気を許せない
お待たせ致しましたー
◆◇◆
食堂に戻ったのはいいとして。
アナさんが、僕の後ろから離れません。サイノスさんが見えたら、さらに縮こまって出てこないときました。おそらく、羞恥心が込み上がってきたのでしょう。
「…………」
「…………」
サイノスさんはお茶を飲むのをやめて、こっちに来たんだけど……アナさんは僕の服をぎゅっと握ってきたのです?! 僕を間に挟まないで欲しいですよ!?
「……あ、あのー?」
僕以外にも、クラウが頭に乗っているのでクラウも『どうしたのー?』って鳴いているくらい。
けど、お二人は黙ったままです。他の人達も、セリカさん以外面白がって見守っているだけ!? 僕をバリケードにしないで欲しいですよぉ!?
「ふふ。リュシア? 観念なさい? カティが困っているわよ?」
ファルミアの助け舟に感謝!! 割って入ったその言葉に、アナさんは『むぅ』とうなり……サイノスさんは軽いため息を吐いた。
そうして、少し経つと僕から離れてくださったけど……まだ本当の意味で観念していないのか、セリカさんの隣の席に腰掛けましたとさ。
「……まだダメかよ?」
「……………………加減していただければ」
「無茶言うな」
「何故ですの!?」
「アナ。お前男を知らなさ過ぎだぜ?」
エディオスさんが煽る言葉を言ってしまったことで、アナさんはさらに猫っぽく髪を逆立て……怒りが爆発してしまいましたよ!?
男の人って、なんで地雷踏んじゃうんですかぁ!!?
「……カティ。他人事だと油断しちゃダメよ?」
「ぴ?」
あわあわしてたら、ファルミアにぽんぽんと肩を叩かれ、セヴィルさんを見るように指を向けられると。
「…………なるほど」
とか言ってるセヴィルさんが、感心している雰囲気だったんだ!? これは……もしかしなくとも、近々ピンチになっちゃうの!? 僕ぅ!!?
次回は木曜日〜