552.我慢させてる
お待たせ致しましたー
◆◇◆
ずっと避けているのも終わりを迎え。
ただいま僕は、セヴィルさんに捕まって……岩場でお説教中です。
「……恥ずかしいことなのはわかるが、何かしたかと思ったぞ」
「……ごめんなさい」
何回かとは言え、濃厚なチッスはお見舞いされたことはあるけど……それ以上の触れ合いについてはセヴィルさんは我慢してくれている。僕が子どもの体だったけど、今は成人体になったし……リミッターを外すのを抑えているんだもん。
とはいえ、お互いに大好きな相手……他の人達が済ませている出来事に興味がないわけがない。
つまり、意識しちゃうんだよね。
なので、僕はファルミアにアナさん達のことを聞いてから一方的に避けてしまったが……セヴィルさんもユティリウスさんに聞いたらしい。で、僕を捕まえてお説教というわけです。
「……俺は嫌われたかと思ったぞ」
「それはないです!」
「! そうか……」
その言葉にはすぐに否定すれば、嬉しかったのか蕩けるような笑顔になってから僕をきゅっと抱きしめてくださった。
「……ご心配おかけしました」
「いいんだ。……とは言え、この機会に便乗するつもりはないが」
「え?」
「お前は、身体が整ったばかりだ。馴染むまで、その……待つつもりだ」
「……いいんですか?」
僕の体が第一だというのはもちろん嬉しい。
だけど、それを聞いた時に胸の奥がちくりと痛んだ。僕のせいでセヴィルさんが我慢するのが申し訳ないと思う反面……僕の魅力が足りないとも思ったが。
後半を言ったら、キスの嵐をお見舞いされるかもと言うのをやめた。体がもちそうにない。
セヴィルさんを見上げていれば、彼は顔を近づけて軽くキスをくれた。
「……永久に叶わないと思っていた時期に比べれば、些細なことだ」
「……本当に?」
「……その顔をするな。反故しそうになってしまう」
「……わかんないです」
「……お前はそれでいい」
だから、もう少しだけ……と、キスだけはたくさんすることにしましたとさ。
次回は木曜日〜




