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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十七章 異界のバカンス旅行
534/616

534.鈍くても

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆











 もつれ込むことまではならなかったけど……かなり、かーなーり、濃厚なキッスをお見舞いされてしまったのですが。


 セヴィルさん曰く、



「……お前が可愛過ぎだ!」



 と、断言されたからだそうです。まる。


 ただでさえ、二十歳サイズに成長したことで年相応の身体付きになり、美貌(?)とやらも備わったことで。セヴィルさんは、僕が可愛くて可愛くて仕方がないようです。嬉しくないわけじゃないけど、体が保ちましぇん!?



「うふふふ! カティったら、早速試しちゃって」



 翌朝、朝ごはんの準備のために厨房に行ったら……ファルミアが僕の様子を見るなり、ニマニマ笑ってた。前世でも今世でも親友の彼女には、僕なんかの行動はお見通しだったみたい。



「……ちょっと、後悔してる」

「熱烈だった?」

「……キスだけだよ」

「あら? てっきり、ゼルのリミッター壊れたかと思ったわ」

「……流石に、時と場所は考えてると思うよ」

「城じゃない方が気兼ねないのに」

「僕未経験!!」



 君みたいに赤ちゃん出来る前段階とか、色々整っていないんだから!!


 プンスカ怒るしか出来ないけど……朝ご飯の支度はしなきゃいけないので、さっさと用意することにした。マリウスさんのように料理人さんがいたりはするんだけど、今回は僕とかがいるし、のんびりしたいとのエディオスさんのわがままもあって常駐していない。


 パンはフィーさんがお城で作ってた丸パンとかを収納の魔術に入れていたのを使うから、あとは卵のメインとかスープとか。流石に、朝からピッツァとかは胃に負担が大きいし。



「んーけど、覚悟はしておいた方がいいわよ?」

「……うん」



 ファルミアも言うくらいだから、昨夜のセヴィルさんはすっごく耐えていたんだと思う。茹でダコのように顔が真っ赤になっていた上に、僕への愛情表現はあれでも相当抑えていたんだろう。未経験はお互い様なので、その時が来たら……僕は、僕は!


 本当の意味で、セヴィルさんのお嫁さんになっちゃうんだ。御名手(みなて)って関係性以上に。


 オムレツをぽんっと包んで、お皿に盛り付けるのを繰り返していたら……皆さんが食堂にやってきた。


 のですが。



「エディオス様!?」



 セリカさんが、エディオスさんに怒ってた。なんだなんだって、そっちに行ったら、セリカさんが叩いたのかエディオスさんのほっぺに立派な紅葉が。



「人前だからっていいだろ?」

「よくない!!」



 なにをしたんだろうと僕はこっそりサイノスさんに聞くと、どうやら朝の挨拶も兼ねてエディオスさんがセリカさんにキスしたんだとか。ほっぺじゃなくて、唇に。


 そりゃあ、人前だったらセリカさんでも怒るわけだ。



(……セリカさんでも怒るんだけど)



 僕は、セヴィルさんが絶対しないって勝手に思ってるから怒らない。


 でも、昨日の朝とは違って、僕はもうセリカさんと同じくらいの体だ。昨夜のキッスの嵐のこともあったから、セーブはしてくれてもいつまで耐えられるかわからない。


 それくらいの認識は、鈍い僕でもちょっとだけ理解出来たから気をつけようと決めていると。


 やっと起きてきたセヴィルさんがユティリウスさんに引きずられながら、食堂の方にやってきたのでした。寝起きが悪いって聞いてたけど……いつも以上に顔が険しかった。

次回は土曜日〜

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