524.成長したことで
お待たせ致しましたー
◆◇◆
手足が伸びた。
身体付きも変わった。
水着は何故か、体に合わせて大きくなっていたけれど。
同じく大きくなったフィーさんと一緒に、自分の体を手でペタペタ触ってみた。もちもち肌で気持ちがいい。
「はい。カティアさーん。ご覧になってくださいまし!」
そして、アナさんが以前出してくれたように……魔術で出した鏡を借りることになった。
手鏡じゃなくて、姿見サイズ。アナさんくらいの身長になった僕は……どこぞのモデルさん並みに、色彩もだけどスタイルも良い女の子に大変身してしまってた!?
顔は奏樹だけど、金髪と虹目が際立って異色にも見える。けど、全然けばくない。
「……これ、僕ですか?」
「そうですわ! 今のカティアさんですわよ!」
「自信を持って、カティアちゃん!」
アナさんやセリカさんははしゃいでくれるくらい喜んでいるけど……セヴィルさんは、ってちらっと見たら目が合った。そして、ぼんって音が聞こえるくらい顔が真っ赤っかになる。エディオスさんらにすぐに茶化されてたけど……よっぽどお気に召したらしい。
二十歳くらいの僕も、セヴィルさんには好みの範疇に入っていることだろうか?
(……だったら、すごく嬉しい!)
あのおはようのキッスみたいなのも、今の僕だとわかった上での反動とくれば。仕方……ないのかな? 中学生サイズの僕にも好き好きアピールはしてくれたんだし。
そして、これからは……堂々と隣に立っていいんだ。セヴィルさんが保護者的立ち位置につくんじゃなくて。
「カティ? 今こそゼルに彼女らしいことしてあげたら?」
「彼女らしいこと?」
ファルミアが急にそんなことを言うんだけど……彼女らしいことってなんだろう? 僕、お付き合いすること自体が前世でも今でも初めてなのに?
「たとえば……そのナイスバディーでゼルに抱きつきに行くとか?」
「……僕君ほどじゃないけど」
「どこがよ。素直にゼルに聞いてみなさいな?」
「えぇえ?」
けど、ちょっと。
ハグしてみたいなぁって……思っていた部分はあったから、ちょっと頑張ってみようかな?
アナさん達にも騒がないようにお願いして……そっと、そーっと後ろから近づいて。ぎゅっと腕に抱きついてみました!
次回は木曜日〜