517.痛いの次は
お待たせ致しましたー
◆◇◆
痛いのは、過ぎ去ったけれど。
今度は、全身がめちゃくちゃ怠くて……重い!?
(なんなのこれ!?)
痛みの次は、倦怠感!?
僕風邪でも引いたの!?
の割には、咳や頭痛とかは全然ないんだけど……激痛からの反動なのかな?
とりあえず……眠くもなってきたから、寝るしかない。
(いやいやいや? 寝ちゃダメでしょう!?)
僕は、セヴィルさんやクラウと合流しなきゃ!
心配してくれている人達のとこに行かなくちゃいけない。
でも、この倦怠感を思うと……正直言って、眠気が勝ちそう。だんだんと、意識も遠のいていきそうだった。眠い意味で。
蕩けそうな意識の中、ふいに体が動いたような……と言うか、持ち上げられた?
誰かが、僕を見つけてくれたのだろうか?
セヴィルさん??
「……おい、おい!」
セヴィルさんだ。
やっぱり、セヴィルさんだ!
嬉しくて、怠い体のままだけど手を伸ばせば……セヴィルさんらしいその人は、僕の手を掴んでくれたんだけど。
成長したらしい、僕の手はやっぱり大きかった。
と言うことは、成功したんだ。
「……ゔぃ、る……さ」
「カティア? カティアなのか?!」
「……は、い……」
そうです。あなたのカティアです。
って言いたかったけど、まだ体が本調子じゃないので応答しか出来なかったけれど。
すぐに、セヴィルさんは僕をぎゅっと抱きしめてくれた。あったかい体温が心地良い。小さな体越しとは違い、全身できちんと感じ取れるくらい範囲が広がっていたんだけど。
「……流れ、問え。元の糸口」
セヴィルさんがゆっくりつぶやくと、僕の体の怠いものとかがどんどん消えていって……目がなんとか開くことが出来た。
セヴィルさんの顔を見ると、セヴィルさんはポロポロと涙をこぼしていたんだ。
「……セヴィルさん」
僕は、きちんと彼の名前を呼ぶと……セヴィルさんは、ゆっくり僕に顔を近づけてきたので、僕は拒絶することなく……重なる唇を素直に受け止めたのだった。
次回は木曜日〜