表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十七章 異界のバカンス旅行
507/616

507.洞窟観光から

お待たせ致しましたー



「正解」



 と、饕餮(とうてつ)さんに言ってもらったのと、絶対ファルミアお手製だと思う『◎』の札を持ち上げたので……準備期間相当楽しんだんだろうなと言うのは予想が出来た。


 それから彼には奥に行くように言われたので、また歩きながら目的地を目指すと。



「わぁ!」



 奥に行けば行くほど、壁に虹が出来たんじゃ? と思う光景が広がっていたんだ。虹色以外にも、金や銀とか……本当に色んな色があって綺麗!! 蝋燭の灯りがなくてもだんだんと光が強くなっていくから、目が光で慣れていくようだ。



「……これが魔鉱石だ。密売人も欲しがるような美しさだが」

「……欲しがりますよね」



 セヴィルさんの情報も納得の美しさだもん。たしかに、デュアリスさんが観光制限した意味がよーくわかった。


 ちょっと、一個、欲しいとも思っちゃったけれど……ここは我慢だ。持ってたら大問題かもしれないし。



「……あそこか」



 次のチェックポイントをセヴィルさんが見つけたようで、先に進もうと足を早くすると。




 ぐにゃり。




 って、体が変な具合に曲がった?


 何が? と、セヴィルさんに振り返ったんだけど。


 そこには……セヴィルさんがいなかった。真っ暗で、洞窟の石の光もない……本当に真っ暗な空間に僕は立っていたんだ。



「セヴィルさん!?」



 ファルミアとかの仕業にしてはおかしい。(けい)にしても、ここまで意地悪な魔術とかしない子だもん。


 けど、前後左右真っ暗で、足場は何とかあるんだけど……これは何事??


 歩いてみたけど、やっぱりセヴィルさんも誰も居なくて。


 僕だけ……になってしまったんだ。



「セヴィルさん!」



 もう一度呼んでも、セヴィルさんの声どころか何も聞こえない。


 いきなりのことに、びっくりしたけど……泣いている場合でもないから、とにかく走ろうと足を動かしたら。



「う……わっ!?」



 地面がいきなり無くなって……落とし穴のように落ちてしまったんだ!?


 落ちても落ちても先がわかんなくて、死んじゃうかとも思ったけれど……いきなり、体が思いっきり水の中に叩き込まれて、しょっぱい海水が口いっぱいに入ってきた。



「げほごほ!?」



 ぺっぺっと吐き出して、目を出来るだけこすらないようにぐしぐしすると……暗さが消えて、虹色の空間が目の前にあった。


 椅子と机が浮いてて……そこには、ひとりのおじいさんが座っていたんだ。



「ようこそ、愛し子よ」



 おじいさんは、ある人に似ていた。


 僕の記憶を戻してくれた……クロノさん。そして、フィーさんに。


 二人を年老いたような感じに、そっくりだったんです。

次回は火曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ