506.他の組は苦戦
お待たせ致しましたー
◆◇◆
とは言っても、組は四組しかいない。
チェックポイントの問題数もそんなに多くはないだろうから、それぞれ十分か十五分程度で戻ってくるかと思いきや。
「難しいですわ!!」
「……ありゃなあ?」
「おい、ファル!? 蒼の世界の問題ばっかだろ!?」
「僕でもわかんないの多かったー」
「ふゅぅ(ぶー!)」
とかなんとか……僕らの前の皆さん、なかなかに時間がかかってしまったので。僕が念のためにと、セヴィルさんと淹れてたアイスティーをがぶ飲みするくらいお疲れ様になっちゃいました。
麦茶があればいいけど、僕では下ごしらえ出来ないからここはアイスティーで。レモン入りにしたせいか、皆さんがぶ飲みだけどスッキリしたお顔になられました。
「「くぁー、うめー!!」」
「んもぉ、ファルミア様!! いじわる過ぎますわ!!」
「……四凶様方のヒントないとつらかったです」
「そうよね? セリカ」
「僕でもわかんないの多かったよ!」
と言うことは、僕の組は僕がいるから有利??
セヴィルさんを見ると苦笑いされちゃったけど。とりあえず、僕とセヴィルさんの番になったら……身長差があるので、セヴィルさんが蝋燭のお皿を持って……洞窟に入ったんだけど。
「……暗いですね」
外から見ていた以上に暗い。慌ててセヴィルさんの手を握ったけど、セヴィルさんは全然嫌がらずに握り返してくれた。握った手が蝋燭持ってた手じゃないから良かった。慌ててたら、人間誰だってちゃんとした判断出来ないもん。
蝋燭の灯りを頼りに、ゆっくりゆっくり進んだけど……ちょっとだけ目が慣れてきたら、少し奥の方にチェックポイントらしきテーブルがあったのです。明らかに岩とかそういうのには見えなかったから。
それと、近くに饕餮さんが立ってたと思う。髪色でなんとなくそうかなって思っただけだけど。
「……俺が見て来ようか?」
「いえ、一緒に行きます」
目が慣れてきても、まだ魔鉱石とかがないから全然明るくないんだもん!
首を強く横に振って、自分の意思を伝えるとくいっと手を引かれたのでテーブルの方に向かい、僕の今の身長でも届く高さだった。問題文を見るのに、セヴィルさんに蝋燭を近づけてもらえば。
【ウサギと亀がいます。かけっこして勝つのはどっち?】
内容を読み上げたんだけど……これ、蒼の世界出身者じゃなきゃわかんない内容なのが納得。
まず、動物自体がこっちの黑の世界じゃいない存在だし!!
迷わず、僕はセヴィルさんと饕餮さんの方に行きましたとも。
次回は土曜日〜




