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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十七章 異界のバカンス旅行
501/616

501.異世界のスイカ割り-④

お待たせ致しましたー

 真っ暗。


 のようでそうでない。


 視界は遮断されているけど、布越しでも光とかはちゃんと見えた。


 けど、それだけ。


 あとは何も見えない。


 手には木剣が。


 足には砂の感触が。


 感じるのはそれもだけど。


 この悪条件から、本当にスイカを見つけて割ることが出来るのかな?



「はーい。カティア、回すねー?」



 フィーさんの声がすぐ近くで聞こえて。


 ゆっくりゆっくり、慣れたら少し早くなってきて……十とフィーさんが言い終わったら止まったんだけど。


 平衡感覚が落ち着かないぃ!? 



(ふぁ〜!)



 アナさんがああなっちゃったのがよくわかる。


 僕も前世、まったくじゃないけど……スイカ割りってほとんどやったことがないから。こんな感覚だっけ? とちょっと戸惑ってしまう!



「ふゅぅ!(カティアがんばれー!)」



 クラウの声は聞こえたけど……指示の声がまだだ。


 誰か! わざとの指示でもいいから何か言って!?



「ど、どこでしょう?!」

「カティー! 右!」

「ちげぇぞ、左だ左!」

「お兄様! わざとはいけませんわ!」

「そう言う遊びだろ?」

「カティアちゃーん! まっすぐよー!」



 今度は聞いたからか、いっぺんに言われたからわけがわかんない!?


 とりあえず、右に動いてみたんだけど……倒れそうでふらっとしちゃう。


 回転の感覚は抜けても……目が見えていないから、体が思うように動かない。障がい者さんとかって……これが普通?


 だとしたら、それを苦にしないって……相当な努力をしてきたはず。


 少しでも擬似体験出来ている今……ちゃんと頑張らなきゃと思った!



(……とりあえず、セリカさんの言葉を信じて)




 まっすぐ歩いてみたけど……進んでいるかどうかよくわかんない。ちょっと熱い砂の感触がある程度。


 この先に、スイカがあるかだなんてわかんない。


 ちょっと、右に歩いてみても……同じ。


 皆さんは……僕から聞こえる感じだと左側のどこかで騒いでいた。



「そう! そのままよ、カティ!」

「左行け!」

「右よー!」

「真っ直ぐだって!!」



 もう、わけわかんないんですけど!?



「……カティア、そのまま前に歩け!」



 最後にセヴィルさんが、声を上げた。


 すっと……その声が体に染み込むように広がり。


 ゆっくりゆっくり……まっすぐに歩いて行けば。


 布の感触と、スイカが足に当たり。



「えーい!!」



 ここだ! と剣を振り下ろしたんだけど!!



 ゴン



 って音を立てただけ。


 中学生サイズもだけど……やっぱり女だとスイカは簡単には割れないみたい。


 布を外せば、下には傷ひとつないスイカが転がっていただけだ。


 そのスイカはそのまま次に使用することになり。


 次は、エディオスさんだった。

次回は金曜日〜

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