500.異世界のスイカ割り-③
500話でーす
「……うっし、やるか」
次はサイノスさんです。
アナさんの、刺激マックスなスイカ割りが終わってから……数分で、落ち着くことが出来たようです。顔はまだちょっと赤いけどね?
目を隠し、木剣を持ってくるくる回され。
ふらつくかなあ? と思ったけど……意外と大丈夫?
全然足元がおぼついたりせずに、ビシッと立っていた。気持ちを切り替えたのだろうか? 目を隠しているのに、すっごい気迫を感じる!?
「サイノス様ぁ! 右にまっすぐですわ!!」
アナさんは、元気いっぱいにサイノスさんを応援しつつ指示を出していた。
笑顔全開ですねぇ? そりゃあ、婚約者さんの活躍は応援したくなるものです。
「そっちじゃねー! ひだ」
そこに、エディオスさんがわざと違う指示を出そうとしたら。
サイノスさんは、アナさんが言った方向に……素晴らしい足捌きでさっさとスイカの前に立ってしまい。
「ここか!?」
って、誰も指示してないのに……スイカの場所がわかったのか。
剣を思いっきり振り下ろして……男性らしく、豪快にスイカを割ってしまいました。まる。
「素晴らしいですわ!」
アナさんは大喜びしてたけど……ほとんどの皆さんは呆然。僕もだけど。
だって……あれって、エスパー?
フィーさんのような魔術とか魔法を使っていないはずなのに……目隠ししたまま、ほぼ気配察知で解決した?
もしくは……アナさんからの愛の応援?
後者の可能性は強い。だとしたら、すごい……。
「はーい。シャリー割りもとりあえず三つ目だから休憩にしましょう」
と言うことで、割ったスイカを切り分けて食べるのかと思いきや。
四凶さん達が配ってくださったのは、ゴブレット。
中身はスイカ色の液体。
「ジュース?」
「蜂蜜加えてあるから、甘くて美味しいと思うわ」
「「わーい!」」
「ふゅぅ(わーい!)」
たしかに、スイカだけじゃ食べ切れるかわからないから……ジュースはありがたい!!
さっそくひと口、と飲んでみれば……爽やかな風味に甘味がたっぷり!
さっぱりもあるから……色止め兼ねて、レモン汁も入れたのかな?
とにかく、ごくごくと飲めちゃう!!
「ぷは!」
一気に飲めちゃうくらい美味しい!!
もう一杯欲しいなぁと、クラウと一緒にパラソルの方に向かえば……窮奇さんが胸の前でバツを作った。
「……終わってしまった」
「……ありゃ」
まあ、ジュースは結構材料必要だもんね?
となれば!!
自分で確保するしかない!!
次はちょうど僕の番だった!!
「はーい。カティ、目隠すよー?」
「お願いします!」
クラウはセヴィルさんに預けてあるから……ここはしっかり頑張らなくちゃ!!
次回は火曜日〜