498.異世界スイカ割り-①
お待たせ致しましたー
「あら、カティアさん? 泳ぎはもう良いですの?」
パラソルのとこに行くと……アナさんも泳いだ後なのか、水着が体に張り付いていた。
ボディライン目立つんですけど!?
いつもお風呂は一緒でも!!
なんだか、いけないものを見てしまったようなこの羞恥心は同性でもきつい!!
ちなみに、サイノスさんは照れ顔しながら視線逸らしてました。まる。
エディオスさん達は? とキョロキョロしたら……別のパラソルでセリカさんに膝枕されて、介抱してもらってた。どうやら、まだ回復してなかったみたい。
スイカ割り……出来そうにないかなあ?
「大丈夫です! と、とりあえず、シャリーを使った遊びをするってファルミアから聞いたんですけど!」
「大丈夫ですわ。フィルザス神様が、今あちらで取り出してくださってますの」
ほら、と指を向けた方向には。
大きな布の上に、いくつもの大玉スイカが。
うちひとつを……別の布の上に置いてたフィーさんが見えた。その近くには、事前に説明した木刀も。剣の形してるから、日本らしい雰囲気じゃないけどね?
「おお! スイカ割りぽい!!」
「シャリーをあちらでは『スイカ』と呼ぶのですか? 素敵な名前ですわ」
「こちらだとどんな意味ですか?」
文字の組み合わせは、まだあんまりよくわかっていない。
フィーさんのお勉強の方は、まだそっちをあんまり受けていないせいもあって。
「スイは、水の俗称。カはカティアさんの『カ』と同じですわ。陽光のようなものですの」
「んー? ざっくり言うと、お日様に縁のある水とか?」
「そうですわね。そのようにとらえて良いかと」
僕の今の名前をつけてくださったのは……セヴィルさんだけど。『カ』は奏樹から取ったとも言ってたし……今更だけど、めっちゃこしょばゆい!!
僕の体のカラーが異質なだけで!!
美少女ではないはずなんだけど!?
(……けど、セヴィルさんの隣に立っても良いくらいのスペックは欲しいなあ?)
本音は贅沢な悩み持ちだーけーどー。
とりあえず……全員集合して、エディオスさんはセリカさんがかけた治癒魔術で落ち着き。
改めて……ファルミアから、スイカ割りの説明をするところから始めます!!
「じゃあ、改めて説明するわよ? シャリーを置く場所と割る側は一定の距離を開ける。割る側には布で目隠しをして、十回身体を回されてから始めるの。当然位置はわからないから、外野に声援ついでに場所を教えてもらうのよ。もちろん……外野はわざと嘘をついていい。これはイタズラでもあるけど、遊びの醍醐味でもあるの」
「「「へー?」」」
「面白そうですわ!」
「女性がやってもいいけど……変な指示はしないでよね?」
ファルミアが釘を刺すと、エディオスさんとユティリウスさんは固まって首を縦に振った。ファルミアがなんかバーベキュー用の串をそっと見せたから……二人が変なアドバイスしそうだと察したのね?
セリカさん、あなたの危機は多分脱しました!!
次回は水曜日〜