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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十七章 異界のバカンス旅行
495/616

495.大事なこと

お待たせ致しましたー

 とりあえず、僕も海に入るために準備運動をしたんだけど。



「……カティアのそれはなんだ?」



 ラジオ体操を、曲を口ずさみながらやってたらセヴィルさんに話しかけられた。



「日本の伝統的な準備体操です」

「……そんなものまであるのか?」

「夏の長期休暇に、子供達が早朝に集まってやったりしてますね? 幼少期を含めると、僕やファルミアはそれに十年近く通っていました」

「……あちらからすると結構な長さだな?」

「そうですね?」



 こっちの基準だと、一年にも満たないだろうけど。あれはあれで楽しかったなあ? スタンプ満タンの御褒美にジュースを一本とか。


 セヴィルさんにも一緒にやってもらうと……美形さんにラジオ体操やってもらうのが、ちょっとだけ嬉しかった。相思相愛とは言え、こう言う文化共有も出来るんだって。


 けど……どのタイミングで、僕の身体がおっきくなるかわかんないから……スキンシップもあんまり出来ない。ここにいる皆さんは、僕が子供じゃないのは知ってても。



「ふーゅぅ(こーう?)」



 僕の守護獣であるクラウは見よう見まねで体操をやってたけど……まあ、可愛いからいいか?


 ちょっと面白いけど……可愛いは正義って言うし。


 体操が終わってからは、海水に慣れるのに……ちょっと足をつけたり、パシャパシャしてたら。クラウがばしゃーん! って呼び込んできた!?



「クラウ!?」



 勢いで、思いっきり海水が僕にもかかったけど……異世界でも海水はしょっぱい!?



「ふゅふゅ!(気持ちいいー!)」



 お風呂でもよくバタ足で泳ぐから……すぐに慣れてぐるぐる泳いでいた。自由だなあ……この子。



「……楽しそうだな」



 向かいにセヴィルさんがいたことを思い出して!!


 クラウの水飛沫が思いっきりかかったからか!?


 水もしたたる良い男完成です、まる。


 色っぽくて、鼻血出そう……!!



「ふぉ……」

「……どうした?」



 セヴィルさんは、ご自分の顔面偏差値が高いと自覚しているようでしてないから……今すごいとは思っていないのだろう。


 四凶(しきょう)さんとフィーさんは相手さんがいないとは言え……非常に目の毒。


 僕の羞恥心のメーターがマックスになっちゃいそう!!



「……ナンデモナイデス」

「……今日はそればかりだな」

「…………だって」

「だって?」



 もうここは言うしかないです!!


 クラウはちょっと遠くまで泳いじゃっているけど……ビーチにはフィーさんとかいるから大丈夫だ。


 だから……僕は、濡れたセヴィルさんのパーカーをちょっと掴んだ。



「……セヴィルさん、かっこいいんですもん」



 正直に言うと、セヴィルさんがちょっと笑ったのか。


 僕を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめてくれました!?

次回は月曜日〜

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