495.大事なこと
お待たせ致しましたー
とりあえず、僕も海に入るために準備運動をしたんだけど。
「……カティアのそれはなんだ?」
ラジオ体操を、曲を口ずさみながらやってたらセヴィルさんに話しかけられた。
「日本の伝統的な準備体操です」
「……そんなものまであるのか?」
「夏の長期休暇に、子供達が早朝に集まってやったりしてますね? 幼少期を含めると、僕やファルミアはそれに十年近く通っていました」
「……あちらからすると結構な長さだな?」
「そうですね?」
こっちの基準だと、一年にも満たないだろうけど。あれはあれで楽しかったなあ? スタンプ満タンの御褒美にジュースを一本とか。
セヴィルさんにも一緒にやってもらうと……美形さんにラジオ体操やってもらうのが、ちょっとだけ嬉しかった。相思相愛とは言え、こう言う文化共有も出来るんだって。
けど……どのタイミングで、僕の身体がおっきくなるかわかんないから……スキンシップもあんまり出来ない。ここにいる皆さんは、僕が子供じゃないのは知ってても。
「ふーゅぅ(こーう?)」
僕の守護獣であるクラウは見よう見まねで体操をやってたけど……まあ、可愛いからいいか?
ちょっと面白いけど……可愛いは正義って言うし。
体操が終わってからは、海水に慣れるのに……ちょっと足をつけたり、パシャパシャしてたら。クラウがばしゃーん! って呼び込んできた!?
「クラウ!?」
勢いで、思いっきり海水が僕にもかかったけど……異世界でも海水はしょっぱい!?
「ふゅふゅ!(気持ちいいー!)」
お風呂でもよくバタ足で泳ぐから……すぐに慣れてぐるぐる泳いでいた。自由だなあ……この子。
「……楽しそうだな」
向かいにセヴィルさんがいたことを思い出して!!
クラウの水飛沫が思いっきりかかったからか!?
水もしたたる良い男完成です、まる。
色っぽくて、鼻血出そう……!!
「ふぉ……」
「……どうした?」
セヴィルさんは、ご自分の顔面偏差値が高いと自覚しているようでしてないから……今すごいとは思っていないのだろう。
四凶さんとフィーさんは相手さんがいないとは言え……非常に目の毒。
僕の羞恥心のメーターがマックスになっちゃいそう!!
「……ナンデモナイデス」
「……今日はそればかりだな」
「…………だって」
「だって?」
もうここは言うしかないです!!
クラウはちょっと遠くまで泳いじゃっているけど……ビーチにはフィーさんとかいるから大丈夫だ。
だから……僕は、濡れたセヴィルさんのパーカーをちょっと掴んだ。
「……セヴィルさん、かっこいいんですもん」
正直に言うと、セヴィルさんがちょっと笑ったのか。
僕を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめてくれました!?
次回は月曜日〜




