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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十六章 異界のバカンスのために
476/616

476.無理をしていない(ファルミア視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)










 小さな可愛い男の子が来て。


 カティとフィーは、イシャールがいる個人厨房に行ってしまったけど。


 何かしら? あの子?


 気配はとても馴染み深いのだけれど。




「……ファルよ」




 とりあえず、作業しながら考えていると……窮奇(きゅうき)が話しかけてきたわ。



「あら? どうかして?」



 なんか、珍しく冷や汗出している様子だけど。



「……あの幼子。変幻(フォゼ)した、神王の守護獣だと思う」

「……なんですって?」



 ってことは……ディシャス?


 たしかに、カティには大層懐いているのは……クラウの卵発見の話題で聞いてはいたけれど。



(え? なんでなんで?)



 なんで、今更になって……変幻(フォゼ)してまでカティに会いに?


 フィーにはバレて当然だとは言え……ああ、そう言えば、イシャールにも私やカティの転生事情は知っているから……ひとまず行ったのかしら?


 そこで、ピッツァの生地を調理台に置けば……饕餮(とうてつ)らが慣れた手つきでトッピングなどを仕上げてくれたわ。



「……えーと、妃殿下」



 生地の残りが減ってきたので、まだ戻ってこないフィーとかを呼びに行こうとしたんだけど。


 ここの副料理長であるシャルロッタが、私に声をかけてきたわ。



「なにかしら?」

「その……お身体のこともありますし、あまりご無理なさらぬよう」

「心配ありがとう。大丈夫よ」



 次のつわりが酷い時期手前だし……ピッツァも食べたいし。


 とは言え、何もせずに食べる精神は日本人の記憶が完全に戻った今……気後れしちゃうのよね? (けい)の人格が戻っても……やっぱり、三百年以上生きると『ファルミア』の方が強いとこはある。もともと、前世の記憶があったものだから……謙虚な部分はあるにあったから。



「そうそう、無茶しない方がいいよー?」



 先先代が変幻(フォゼ)しているラディンと言う料理人も頷く。


 流浪の旅人、腕利きの料理人のラディンは有名ではあったけれど……まさか、先先代の神王陛下とは思わなかったわ。孫の誕生日式典なのに……ここでのんびりしてて良いのかしらと思うけど、私やカティの事情は知っているそう。


 であれば、蒼の世界の珍しい料理を人一倍知りたいときた。


 私も……教えられなくないけど、腕が上のカティほどじゃない。


 彗だった時も、仕事では奏樹(かなた)の方がずっと上だったもの。



「ご心配ありがとう。けど、カティが戻ってくるまでの繋ぎは出来なくもないわ」



 自分から言い出したんだもの……それくらいはしたい。


 つわりも今のところ無いし……と思っていると、個室が開いたわ。



「お待たせしましたー」



 カティは、あのディシャスらしい子供を抱えて……げんなりしているフィーとイシャールを連れて出てきた。クラウはちょっと嬉しそうだったけど。


 何があったのかしら??

次回は日曜日〜

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