474.いきなり来た子供
お待たせ致しましたー
◆◇◆
……なんだか、食堂側が騒がしい?
ファルミア達と、ピッツァの追加を作っていると……表側でもある食堂の声が、扉越しでも騒いでるのが聞こえたんだ。
「あら、騒がしいわね?」
ファルミアにも聞き取れたようで、僕らは顔を合わせた。
どうしようかとも思ったが、僕らは絶賛仕事中なので行けましぇん!
「僕が見てくるよ」
生地の次の発酵作業をする前に、フィーさんが言ってくれたのでお任せすることにしました。
僕らが頷けば、彼はピューッとすぐに行って……またすぐにピューッと戻って来た。何かを手に持って。
「……フィーさん? その子は」
首根っこ掴んで持っていたのじゃ、小さな男の子……だと思う。
赤い髪は短いし、服装も男の子ぽい。
僕が近づくと、男の子は顔を上げた。綺麗なエメラルドグリーンの瞳と目が合ったんだけど。
「カー!」
しゃべるのはあんまり得意じゃないようだけど……僕を見て、嬉しそうに笑ってくれた。めちゃくちゃ可愛い!! と思っていると、クラウがこっちに飛んできて。
「ふゅ!(ディシャスお兄ちゃん!)」
「へ?」
僕とフィーさんにしか、クラウの言葉はわかんないので……改めて男の子を見たんだけど。
あのバカでかい竜姿のディシャスに全然見えない。
と言うか……魔法とか魔術で人間みたいになれるの!?
なんでここに居るの!?
疑問のオンパレードになっていると、フィーさんが空いてる手で僕の腕を掴み……ディシャスらしい男の子と一緒に端へ移動させられた。
「フィーさん?」
「……あー」
「ふゅぅ!(待ってー!)」
クラウもなんとかついて来て……フィーさんが止まった場所は、個室の厨房。
中には、まかないを作っているイシャールさんが居て……僕らを見ると、ギョッとしたんだけど。
「なんで……ディシャスがそんな姿でいんだ!?」
イシャールさんにも、やっぱり男の子がディシャスだと分かったらしい。そう言えば……この人は魔眼持ちだったね?
次回は月曜日〜