表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十六章 異界のバカンスのために
473/616

473.目立つ(ディシャス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ディシャス視点)










 竜種の巨体とは違い、靴とやらのとてとてとした音しか聞こえぬ。


 カティアに会いに行ったあの時は……まあ、強引ではあったが。


 この姿なら……いくらかは怪しまれぬだろう。


 注目とやらは集めてしまっているが。



「「「「「可愛い〜〜!!?」」」」」



 と、ヒトの子らには……どうやら愛らしく写っているらしい。かなり赤子ではないが……カティアよりも下くらいか?


 ヒトで言う50歳程だろうか?


 やはり目立つらしく……このままでは、カティアの元へ行けぬのではと思っていると。


 何かに、身体を浮かされた。



「……どこの子供だ?」



 男の声だ。


 主ではない。主が来たら式典期間中ゆえに、色々問題があるが。


 しかし……聞き覚えのある声だ。


 たしか……風の噂では、主の妹君と御名手(みなて)になったと聞く。紫の髪と顔の傷跡が勇ましい男。


 我は抱き上げられたようだが……男の正体は『サイノス』だった。



「サー!」



 名を口にしようとしたが、どう言うわけじゃ厩舎でもまともに言葉を紡げず……赤子のようになってしまう。


 だが、効果があったのかサイノスは目を見開いた。



「……俺を知っているのか?」

「う!」



 知っているとも。


 我がこの城に、主より連れて来られてからずっとだからな?


 守護獣であるラージャとは、区画が違うゆえに最近はあまり会えていないが……彼奴の主人であるからこそ、知ってはおるぞ?


 神域に行く以来だが、今日も元気そうであるな?


 しかし……拙いとは言え、名を呼ぶのはいけなかったか?



「「「「「将軍のお子ですか!?」」」」」

「違う!!」

「あー!」



 周りの者が興奮気味で言ったが、我もサイノスも即座に否定した。


 たしかに……我の髪は妹君の赤毛に近いが、断じて違う!!


 カティアに会いたいために、このような姿となっただけだ!!



「……とりあえず、保護用の区画まで連れていく。あまり騒ぐな」



 と、サイノスが言うので……我は嫌な予感がした。


 このままでは、カティアに会えぬ気がしたのだ!


 ならば、とサイノスの腕の中から飛び降り。


 カティアの気配を探しつつ、駆け出した!!



「お、おい!?」



 すまない、サイノス。


 擁護は有難いが、カティアに会えぬのがもっと辛いのだ。


 気配は上の階層だったが、幼子でもヒトではないので……ヒトの波をかき分けて。


 上に行けば……さらにヒトは多いが、とても良い匂いがした。



「……あー」



 なんと、香ばしい。


 良いの匂いなのだ。


 この先に、カティアがいるのだろうか?


 そう決めて、我はさらに進んだのだ。

次回は金曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ