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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十六章 異界のバカンスのために
471/616

471.最愛を思うと(ユティリウス視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ユティリウス視点)











「思ったより、元気そうじゃねぇか?」

「……ああ、うん」



 式典の儀式が終わった後。


 俺はエディに呼ばれて……上層の食堂に来ていた。


 カティやミーアはいない。


 いるのは、エディとゼルにサイノスとかだった。



「……ファルのことか?」



 サイノスに聞かれると、俺はただ頷くことしか出来ない。


 しばらく経ったとは言え……俺の妻に起きた出来事は、あまりにも受け止めにくい。


 ただでさえ、今までの出自についても……ミーアは負い目を感じていると言うのに。


 さらに、前世での記憶をほとんど取り戻した。


 その記憶が……カティもだけど、ミーアまで殺されただなんて。


 俺は……もう処罰されていると思っても、ミーア達を殺したやつを……殺してやりたいと思っているのだ。



「……愚かなことを、しようとするなよ」



 ゼルには、俺のことはお見通しなのか。


 軽く小突かれたが……気持ちはまだまだ晴れない。


 けれど、ゼルも……カティは殺された上での今がある。


 それを……きちんと受け止めているようだ。



「はは。最愛の存在が出来ると、いつも以上に馬鹿になるみたい」



 俺の愛しい人。


 俺の最愛をさらに宿してくれた存在。


 だからこそ……尽くしてやりたい。


 おこがましい願いかもしれないが……大事なんだ。


 御名手(みなて)であるからこそ……大事過ぎて。


 だからこそ……愚かな復讐までしたいと思ってしまう。



「そりゃそーだ。最愛だからこそ……てめぇが馬鹿になっちまう。俺も、セリカを付け狙っている馬鹿野郎は……とことん処罰したがな?」

「あくどい笑顔してるけど、笑えないよエディ」

「事実を言ったまでだ」



 エディも、身近な存在が御名手だと気づく前から。


 尽力しまくって……けど、実はあっさりと見つけることが出来た。


 百年以上かけてだけど……俺もまあ、似た感じだ。


 けど、ミーアを傷つける存在は許さない。暗部の家柄がどうだと言うんだ? 国のために尽くしてくれる臣下らに変わらない。汚れ仕事が主だったとしても。


 だからこそ、そこを履き違えてはいけないんだ。


 エディもそこは同じだろう。



「とりあえず、暗い相談はこの辺にしとこうぜ? カティア達が頑張ってくれている間に……こっちはこっちだ」



 と、サイノスが卓に乗っているものに指を向けると。


 まあ、色とりどりの布やら装飾品とやらがあったよ。



「海辺に行くのに?」

「女らの仕上げはコロネ達にやらせるが、俺らは俺らで決めようぜ?」

「……肌をさらすのか」



 そう言えば、ゼルはカティの前で肌を見せる……のはやってなさそう。


 あの子の外見が、少し成長したとは言え……まだまだまだ120歳ちょっとくらいだ。口付け程度はしたとしても……それ以上は流石に、ねぇ?


 カティも早くミーアくらい大きくなってほしいよ。


 ゼルの欲望が、落ち着かないだろうから!!

次回は土曜日〜

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