471.最愛を思うと(ユティリウス視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ユティリウス視点)
「思ったより、元気そうじゃねぇか?」
「……ああ、うん」
式典の儀式が終わった後。
俺はエディに呼ばれて……上層の食堂に来ていた。
カティやミーアはいない。
いるのは、エディとゼルにサイノスとかだった。
「……ファルのことか?」
サイノスに聞かれると、俺はただ頷くことしか出来ない。
しばらく経ったとは言え……俺の妻に起きた出来事は、あまりにも受け止めにくい。
ただでさえ、今までの出自についても……ミーアは負い目を感じていると言うのに。
さらに、前世での記憶をほとんど取り戻した。
その記憶が……カティもだけど、ミーアまで殺されただなんて。
俺は……もう処罰されていると思っても、ミーア達を殺したやつを……殺してやりたいと思っているのだ。
「……愚かなことを、しようとするなよ」
ゼルには、俺のことはお見通しなのか。
軽く小突かれたが……気持ちはまだまだ晴れない。
けれど、ゼルも……カティは殺された上での今がある。
それを……きちんと受け止めているようだ。
「はは。最愛の存在が出来ると、いつも以上に馬鹿になるみたい」
俺の愛しい人。
俺の最愛をさらに宿してくれた存在。
だからこそ……尽くしてやりたい。
おこがましい願いかもしれないが……大事なんだ。
御名手であるからこそ……大事過ぎて。
だからこそ……愚かな復讐までしたいと思ってしまう。
「そりゃそーだ。最愛だからこそ……てめぇが馬鹿になっちまう。俺も、セリカを付け狙っている馬鹿野郎は……とことん処罰したがな?」
「あくどい笑顔してるけど、笑えないよエディ」
「事実を言ったまでだ」
エディも、身近な存在が御名手だと気づく前から。
尽力しまくって……けど、実はあっさりと見つけることが出来た。
百年以上かけてだけど……俺もまあ、似た感じだ。
けど、ミーアを傷つける存在は許さない。暗部の家柄がどうだと言うんだ? 国のために尽くしてくれる臣下らに変わらない。汚れ仕事が主だったとしても。
だからこそ、そこを履き違えてはいけないんだ。
エディもそこは同じだろう。
「とりあえず、暗い相談はこの辺にしとこうぜ? カティア達が頑張ってくれている間に……こっちはこっちだ」
と、サイノスが卓に乗っているものに指を向けると。
まあ、色とりどりの布やら装飾品とやらがあったよ。
「海辺に行くのに?」
「女らの仕上げはコロネ達にやらせるが、俺らは俺らで決めようぜ?」
「……肌をさらすのか」
そう言えば、ゼルはカティの前で肌を見せる……のはやってなさそう。
あの子の外見が、少し成長したとは言え……まだまだまだ120歳ちょっとくらいだ。口付け程度はしたとしても……それ以上は流石に、ねぇ?
カティも早くミーアくらい大きくなってほしいよ。
ゼルの欲望が、落ち着かないだろうから!!
次回は土曜日〜