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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十六章 異界のバカンスのために
470/616

470.久しぶりのピッツァ回し

お待たせ致しましたー


「やあ、ヴァスシードの」



 レストラーゼさんは、ほんの一瞬だけ……顔を元に戻し、またラディンさんの顔にされたので……魔法以上に手品に見えた。


 魔術って、すごぉい!!



「……あ、あら。今の」

『……ファルミア。あの人はレストラーゼさん。エディオスさん達のお祖父様だよ。こっちの姿はラディンさんだけど』



 シャルロッタさんがこっちに来ようとしていたので、コソコソと伝えると……ファルミアは、目をまんまるに見開いてしまった。



『え、え? 先先代!? なんでこんなとこに!?』

『式典中……暇だって言うから、来てるんだよ。僕らの事は知ってるから、普通に話していいよ?』

『……色々、繋がりがあるのね?』



 と、納得してくれたのか……ファルミアは軽く、レストラーゼさんに会釈したのです。



「ラディンだよ、よろしく」

「ヴァスシード王妃、ファルミアよ。よろしく」



 とりあえずのご挨拶も終わったことで……まだお昼ご飯中だから、ファルミアにもパンツェロッティを食べてもらうことに。四凶(しきょう)さん達も!



「「「「美味!!」」」」



 油物はカロリーの暴力だけど、美味しいからね!!



「さ、カティ? 準備は出来てよ?」



 ファルミアは(けい)だけど……三百年以上はこっちで生きているから、口調は変わらない。記憶が戻ってそんなに経っていないのもあるけど、彼女らしいと言えばらしいかも。


 とにかく、ピッツァ回しをやる気満々だったから……まずは、僕が手本を見せて。



「こうだよ?」

「……改めて見ても、基本は同じね?」

「出来そう?」

「やってみるわ」



 ファルミアは魔術で、チャイナ風コックスーツに着替えたので……生地を渡してから、自分なりに伸ばし始めた。


 均し。


 広げ。


 ぱたぱたと……そして、宙で広げて。


 クルクルと……均一に大きくしていく作業は、僕と同じだ。


 かなり久しぶりとは言え……感覚で覚えていたのか。


 きちんと出来ました!



「出来てるよ!!」

「……出来るものね?」



 さすがは、ファルミア!


 三百年ぶりでも、『彗』の記憶を取り戻したから……イメージでも頑張っていたかも!!


 これで、さらに中層の回転率が上がっていくよ!!



「くっそぉ!? ファルも出来んのかよ!!」



 で、イシャールさんは、めちゃくちゃ悔しがっていました。



「ふゅふゅぅ!(すごーい!)」



 一番凄く出来るクラウは、また自分で伸ばしていたけど。


 いつの間にか……三枚も伸ばしていた!?


 ベンチタイム入っちゃうから、四凶さん達にはトッピング班に入ってもらい、作業を再開することにしました!!

次回は水曜日〜

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