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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十五章 異界の夏に向けて
463/616

463.嬉しいから(ファルミア視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)










 ……やっぱり、あの子は『奏樹(あの子)』だった。


 私が『(けい)』であっても……これまでと同じように接して、いいえ。



(……私を『ファルミア』として、接しようとしてくれたわ)



 外見も中身も……彗とは程遠いのに、奏樹(かなた)は……『カティ』は、対等に接してくれた。


 今までは、あの子の方が歳下だと言う理由で……カティは私に敬語だったけど、やめてくれた。


 彗と奏樹だった頃のように……普通に話すことが出来た。


 凄く……嬉しいことだわ。



「……ミーア? 泣いてる?」



 水鏡を解除したリースが、私の顔を見ると……自分も泣いているのか、抱きしめられた時に頭に涙が落ちてきたわ。



「……嬉しい、の」



 大丈夫と抱き返しながら……私はその言葉を口にした。


 本当のことだ。


 とても……嬉しかった。


 奏樹に怒られるとか、もっと悲しい事を想像していたのに。


 あの子は……全然違うことを、全然違う言葉をたくさんくれた。


『彗』であっても、『ファルミア』として。


 また、私を……一人の人間として、変わらず接してくれたのだ。


 それが……何よりも嬉しいのだ。



「そっか……無理をしていない?」

「……ええ。落ち込む以上に嬉しいの。あの子は……転生しても、あの子だってわかったわ」

「カティは……ずっとカティだってこと?」

「……そうね。あの子は変わらず、ああだわ」



 ゼルって存在が出来ても……根本的なところは、何ひとつ変わっていない。


 お互いに……大切な存在が出来た事からの、心の余裕かもしれないが。


 私も……リースやお腹の子供のために、強く生きなくてはならない。


 王妃としても、一人の人間としても。


 その自信を……改めてくれたのが、奏樹、いいえ……カティだから。


 エディの式典で、また会えるから。


 あの子と一緒に……またピザが作れる。


 そう思えば、楽しみで仕方がないわ。



「……ちゃんと、会いたいね?」

「……ええ。もうすぐだわ」



 成長した姿も、クラウもだけど。


 楽しみが多いわ。


 私のお腹の大きさは変化がないけど……まだ先は長いもの。


 ゆっくり……育んでいくつもり。


 生まれたら、カティにも抱っこして欲しいわ。

次回は水曜日〜

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