461.親友との再会?
お待たせ致しましたー
『カティ!!』
ファルミアさんだ。
ちょっと、困った顔してたけど……綺麗なお顔とかは、式典で会った時以来から変わらない、彼女のままだ。
真実を知った今……彼女が彗だなんて、まだ信じられないでいるけど。
でも……あの様子だと、自分が『ツッコミ親友の彗』だと言うのは、クロノさん辺りから記憶は戻されたみたい。
僕は、鏡の前に立つと……大きく深呼吸をしたのだった。
「えっと……」
『…………』
なんて言っていいのだろうか。
僕が、質問しようにも……彼女を『彗』と知ってしまったんだから、敬語とかどうしようかなとかめちゃくちゃ悩んだが。
ファルミアさん自身は……少し俯いちゃった。多分、僕の今の呼びかけで……彗の記憶も戻ったことがわかったのかも。
「…………彗、って呼んでも?」
『…………やっぱり、奏樹も?』
「…………思い、出して?」
『……ええ。クロノって、フィーの兄神に無理矢理』
「…………そう」
やっぱり……クロノさんが、戻したんだ。記憶を全部。
とは言っても……なんで、彗も転生を?
僕の記憶だけだと……殺されたのは、僕だけだったような?
『……奏樹は知らないのは当然よ。私が死んだの……あなたの後だもの』
「……それなのに、転生したのは……先?」
『ええ。リースと結ばれるためだって』
「……そっかぁ」
クロノさんだったら、それくらいお安いご用だろうね? あの夢以来会っていないけど……僕らのために、色々動いてくれてたようだから。
今は、どうしているんだろう?
「……マジで、お前ら……前世でもダチだったのか?」
エディオスさんに聞かれたので……僕らは首を縦に振った。
『本当よ、エディ』
「僕の前世での名前が、すぐに出て来たのが何よりの証拠です」
『……奏樹もね?』
「でしょー?」
元気ないけど……多分複雑だったかもしれない。
僕が覚えてなくても……目の前で、親友が死んだのを見たのだから。
哀しい以上の感情を思い出すのは、無理ないもの。
「ふーん? 兄様だったら……機会伺って、戻すのは楽勝だもんね?」
フィーさんがこう言うのは、やっぱりクロノさんの性格をよく知っているからだろう。
「……カティアの記憶を戻したからか?」
「それもあるかも。ミーアへの負担も一応は考えたかもね?」
「妊婦さんへのショックは大きいですよ……」
そこは、大丈夫かもだけど……一応考えて欲しかったです。
『……大丈夫よ。奏樹。お腹の子は無事よ』
「……無理、してない?」
『ええ。むしろ、変なマタニティーブルーになる前で良かったわ』
「そっか」
まだ少しぎこちない部分はあるけど……ちょっとずつ進展していこう。
とりあえず……呼び方は、僕だけ『ファルミア』と呼び捨てになりました。
次回は木曜日〜