459.受け止めづらい(ユティリウス視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ユティリウス視点)
物凄い真実を……知ってしまった。
「み、ミーアが……?」
我が妻が……異界の転生者であることは、ずっと昔に知ってはいたが。
今朝、眠りから覚めた彼女によって……告げられた真実は。
すぐにうまく飲み込めなかった。
「……本当よ、リース」
ミーアは俺が驚いても、静かに頷くだけ。
本性の四凶らも驚いていたけど……主人の様子を見て、それぞれ顔を見合わせてもいた。
『ファルよ……真か?』
『カティアの……かつての、友。朋友であったと』
『『真なのか??』』
「……ええ」
信じられない気持ちが強い。
カティが……実は、転生者だったこともだけど。
ミーアが……カティの親友だったこと。
お互いに……殺されたことで、転生させられたことも。
信じられなかった。
ミーアが……自然死ではない方法で、死んだことについて!
「……君は、一度殺された?」
「ええ。……けど、それが無ければ……あなた達に出会えなかったわ」
ミーアだ。
少し落ち着いてはいるけど……いつもの、ミーア。
俺が愛してやまない……たった一人の女性。
俺は……我慢できずに、お腹の子を気遣うのも忘れずに……彼女に抱きついた!!
「そんな! そんな……ことって!!」
「……仕方がないわ。カティに固執していた私は……あの時に殺されなきゃ、自分で自害してたと思うの」
「けど……けど! 君が殺されただなんて!!」
辛い。
苦しい。
哀しい。
それは、ミーアの方が辛いはずなのに。
何故……ここまで落ち着いているのだろうか?
俺の方が、悲しくなってしまうよ!!
「……リース。ひとつだけ、お願いがあるの」
俺が涙をこぼすと、ミーアは俺に頼み事をしてきた。
なんとなくだけど……内容はわかった。
「……カティと、『水鏡』越しに話すんだろう?」
「ええ。出来れば……早い方がいいわ」
「使って。俺が王として許可するから」
「……ありがとう」
そんな淋しい笑顔……俺の求婚を受ける前以来だ。
カティはどう……受け止めてくれるのだろうか?
次回は金曜日〜