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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十五章 異界の夏に向けて
444/616

444.新作に悩むところに

お待たせ致しましたー

 厨房に行くと、イシャールさんは何かを試作されているのか……調理台に向き合っていた。



「……こんにちは、イシャールさん」

「ふゅぅ(イシャール?)」



 声を掛けていいかなとか思ったけど、無言で近づくわけにもいかないので挨拶すれば。イシャールさんは『お?』と僕らに気づいて笑顔を見せてくれた。



「よ。カティアとクラウじゃねぇか? しばらくぶりだなあ?」

「はい」

「ふゅ(うん!)」



 お勉強とかが立て込んだりしたから、中層に来るのも実は久しぶりなのです。


 イシャールさんは僕らの頭を軽くぽんぽんしてくれた。クラウはサイノスさんの時ほどじゃないけど、一応は喜んでいた。



「……何かお困りで?」



 僕がそう聞くと、イシャールさんは苦笑いされちゃった。



「ああ。メニュー替えをな? 近いうちにエディの誕生日だろ? 式典があっから……解放区になるこっちは色々忙しくなる。去年の即位式典並みに押しかけられそうだ」


「……なるほど」



 デザートなどは、ティラミスが流行ったけど……あれは定番メニューになっているから、今更新しく……いや、待てよ?


 僕は、ひとつ思いついちゃった!!



「あら、カティアちゃん? 何か閃いたの?」



 僕の顔を見て、シャルロッタさんはすぐに気づいてくれたようだ。



「はい! デザートで良ければ……ですが」

「マジか、カティア!?」



 言いかけていた途中で、イシャールさんがアップで近づいて来たからびっくりした!?


 こくこく頷けば……脇に手を差し込まれ、抱き上げられたかと思えばクラウごと奥の厨房に連行されてしまいました!?



「……びっくりしました」



 シャルロッタさんの目の前とは言え、僕の外見は中学生くらいの子供だから……嫉妬とかは多分ないと思うけど。


 イシャールさん、必死過ぎだ。



「……悪りぃ。んで? 新しいデザートってなんなんだ?」



 謝ってはくださるけど、顔が少年のように輝いていた。


 これは……まあ、仕方ないかな?



「ティラミスには種類があるのを、以前お伝えしましたよね?」

「おう」

「さらに、変わったものを出すかどうかですが」

「……何を出すんだ?」

「果物も考えましたが……もっとシンプルに、ケーキです!」

「……は?」



 まあ、言ってもよくわからないよね?



「ティラミスは、基本的にクリームですが」

「……おう」

「焼いちゃうんです!」

「は? 焼く?」

「イシャールさんが、時間操作の魔術を扱えるので……なおさら時短で作れます!!」

「……面白そうじゃねぇか!」

「ふゅぅ(お菓子ー!)」



 小腹は空いてたけど、別にお菓子でも良いクラウだった。

次回は月曜日〜

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