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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十五章 異界の夏に向けて
438/616

438.従兄弟と恋事情(セヴィル視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(セヴィル視点)










 ……悪寒がしたような気がした。


 寒気などは感じないから、風邪ではないと思うが。



(……気のせいだろう)



 とにかく、今日も執務の日々だ。


 エディオスを少し見たが、黙々と書簡などに目を通しては……印を押すのを繰り返していた。


 セリカと御名手(みなて)となる前なら……いくらか適当で脱走などを試みたりしていたが。


 セリカと御名手となり……あと数ヶ月先に、婚姻を迎えることが決まった今では、奴は生まれ変わったと言うくらい変わっていた。


 政務にも意欲的であるし、サボる様子が見られない。


 やはり……神王妃を得ることが出来たのが大きいのだろう。


 妹のアナも、サイノスと御名手となり……婚約したのだから。色々あった不安などは落ち着いた。


 俺自身は、カティアと言う存在(御名手)が……記憶なども戻り、実は転生者と言う真実を知ったが。慈しむことは今も変わりがない。


 記憶などが戻っても……クラウが成長した以降の一度だけ、身体の変化があっただけだが。


 幼児より多少マシではあっても……まだ妙齢の女性には程遠い。


 それでも非常に愛らしく……俺は暴走しかけたが。


 今でさえあれだけ愛らしいのに……セリカと同年代にまで身体が整えばどうなるのか。


 俺は、自分を律する自信がなかった。



(……今は仕事だ)




 そのカティアとは、日々ささやかな幸せを育んでいる。


 共に茶会をする事とか……少しずつ、触れ合うとか。


 後者は、カティアが恥ずかしがってしまい……ほとんど抱きしめるだけとなっているが。



「ゼル?」



 いきなりエディオスに呼ばれたが……何か不思議そうでいた。


 俺か? と手元を見れば……書簡を逆向きにして読んでいたのだった。


 近侍らは書簡の配達らでいないので、そのような失態を見せずに済んだが。



「……すまない」

「いや……いいけどよ」



 寄越せ、と手を差し出してきたので俺はそちらに足を運ぶ。



「……腑抜けか?」

「そうは思わねぇよ。カティアんことだろ? だいたいは」

「……お前達は、どうなんだ?」

「俺? セリカとか?」

「……ああ」

「そりゃもう! めちゃくちゃ愛してんぜ!!」



 婚約して数ヶ月経っているから……すべきことはしたのだろう。


 非常に羨ましいが……カティアには無理をさせたくない気持ちもきちんとある!



「……そうか」

「ゼルだって、出来る範囲はしてんだろ?」

「……………………本当に、少しだが」

「…………キスとハグくらいか?」

「…………笑いたければ、笑え」

「……いや、よく我慢出来んな?」

「……負担はかけたくない」



 まさか……従兄弟とこのような語らいをする日が来るとは。


 フィルザス神の導きもあるだろうが……クロノソティス神やレイアーク神の導きも重要だ。あの二神がいなければ……カティアは、今がなかった。

次回は木曜日〜

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