437.嗜みのひとつ
お待たせ致しましたー
◆◇◆
「まあ……お肌のお手入れですの?」
セリカさんとクラウも一緒に、アナさんのお仕事部屋に突撃すれば。
アナさんは、『キンジ』って人達を退室させて僕らで話しやすいようにしてくれました。
「はい! アナさんもとってもお肌綺麗ですし!」
王女様だから、絶対何かお手入れされているはずだ!!
「……そうですわね? と言っても、洗顔はお風呂上がりなどで化粧水を使って、潤す程度ですわ」
「……それだけ?」
「はい」
なんで、美人さんってチートな存在なんだ!?
多分……ファルミアさんに識札飛ばしても、同じような返答をもらうかもしれないなあ。
春先に事情説明とかのお手紙を出した時のお返事は、かなり問い合わせが来たけど。
「……アナお姉様もなのね」
せっかく、セリカさんの提案だったのに……これでは振り出しに戻ったのも同じ。
どうすれば!?
「あら、ゼルお兄様のためですの?」
「……はい」
正直に答えると……何故か、アナさんの目が光った気がした。
「ですと、お手入れもですが……まだ手段はありますわ!!」
「「他に?」」
「ズバリ、お化粧ですわ!!」
「お、化粧?」
たしかに、女性の嗜みではあるけれど……考えたら、今の僕……すっぴんなのを思い出した!?
公の場ではともかく……他の日常生活じゃ、口紅すらしていない!!
「そうだわ! カティアちゃん、お化粧よ!」
「ゼルお兄様のために、美しくなられるカティアさん……素敵だわ!!」
「お姉様、お仕事は?」
「急ぎのものはすべて終わらせてあるわ。一刻程度なら平気よ」
「となれば……」
「わたくしのお部屋に行きましょう、カティアさん!!」
と言うことは、着せ替えごっこもですね……なんとなく、そんな予感もした。
とりあえず、お化粧の練習だと……アナさんの部屋に向かい、ドレッサーの前に道具を並べていただくと。
「……わぁ」
蒼の世界と似たようで全然違う道具は、とてもお高そうで触るのが恐れ多いと思うものばかり。
王女様だから……きっと、グレードの凄い素材ばかりだろう。
「ささ! まずはわたくしがお手本を!!」
と言って、アナさんによりささーっとお化粧を施していただくと。
鏡に出来上がっていくのは……プロのスタイリストさんにやっていただいたってくらいに、美少女が出来上がっていくのだった!?
「まあ、可愛い!」
「ふゅぅ(カティア、可愛いよー!)」
「まずまずの出来栄えですわ!!」
これを……僕も自分で出来れば。
セヴィルさんにも……喜んでいただける、かな?
次回は月曜日〜




