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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十五章 異界の夏に向けて
437/616

437.嗜みのひとつ

お待たせ致しましたー








 ◆◇◆













「まあ……お肌のお手入れですの?」



 セリカさんとクラウも一緒に、アナさんのお仕事部屋に突撃すれば。


 アナさんは、『キンジ』って人達を退室させて僕らで話しやすいようにしてくれました。



「はい! アナさんもとってもお肌綺麗ですし!」



 王女様だから、絶対何かお手入れされているはずだ!!



「……そうですわね? と言っても、洗顔はお風呂上がりなどで化粧水を使って、潤す程度ですわ」

「……それだけ?」

「はい」



 なんで、美人さんってチートな存在なんだ!?


 多分……ファルミアさんに識札飛ばしても、同じような返答をもらうかもしれないなあ。


 春先に事情説明とかのお手紙を出した時のお返事は、かなり問い合わせが来たけど。



「……アナお姉様もなのね」



 せっかく、セリカさんの提案だったのに……これでは振り出しに戻ったのも同じ。


 どうすれば!?



「あら、ゼルお兄様のためですの?」

「……はい」



 正直に答えると……何故か、アナさんの目が光った気がした。



「ですと、お手入れもですが……まだ手段はありますわ!!」

「「他に?」」

「ズバリ、お化粧ですわ!!」

「お、化粧?」



 たしかに、女性の嗜みではあるけれど……考えたら、今の僕……すっぴんなのを思い出した!?


 公の場ではともかく……他の日常生活じゃ、口紅すらしていない!!



「そうだわ! カティアちゃん、お化粧よ!」

「ゼルお兄様のために、美しくなられるカティアさん……素敵だわ!!」

「お姉様、お仕事は?」

「急ぎのものはすべて終わらせてあるわ。一刻程度なら平気よ」

「となれば……」

「わたくしのお部屋に行きましょう、カティアさん!!」



 と言うことは、着せ替えごっこもですね……なんとなく、そんな予感もした。


 とりあえず、お化粧の練習だと……アナさんの部屋に向かい、ドレッサーの前に道具を並べていただくと。



「……わぁ」



 蒼の世界と似たようで全然違う道具は、とてもお高そうで触るのが恐れ多いと思うものばかり。


 王女様だから……きっと、グレードの凄い素材ばかりだろう。



「ささ! まずはわたくしがお手本を!!」



 と言って、アナさんによりささーっとお化粧を施していただくと。


 鏡に出来上がっていくのは……プロのスタイリストさんにやっていただいたってくらいに、美少女が出来上がっていくのだった!?



「まあ、可愛い!」

「ふゅぅ(カティア、可愛いよー!)」

「まずまずの出来栄えですわ!!」



 これを……僕も自分で出来れば。


 セヴィルさんにも……喜んでいただける、かな?

次回は月曜日〜

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