436.女としての悩み
お待たせ致しましたー
◆◇◆
あと二ヶ月くらいで……夏!
夏です!!
「……う〜ん」
僕はその日、お城のお部屋で姿見と睨めっこしていた。
記憶の獲得、トリップじゃなくて転生。
さらに、クラウとテレパシーが可能になっても……僕の身体の成長は、よくて中学生より少し下程度。
同じような外見年齢の、この世界の神様であるフィーさんと比較したって、まだまだ小さい。
胸も……ほんのちょい膨らんだ程度。
手足はスラリ、お腹も特に膨らんでいない。
顔は……目がびっくり色彩な虹色だけど、普段は魔法で隠しています。
だから、金髪青目の外人少女にしか見えないんだ。
……お互い気持ちを確かめ合い……キッスをした関係にもなった婚約者さんはいるけど。
「ふーゅ?(カティア、どうかしたのー?)」
お昼寝から起きたクラウが、すぐに僕の後ろにまで飛んできたんだ。
「……うん。もっと大きくなりたいなあって」
「ふゅ(大きく?)」
「……セヴィルさんと並んで、恥ずかしくない外見に!」
ほとんどの人が……この世界では特別な関係である『御名手』って公表しているのに!!
僕は外見がちょっとだけ成長したこの姿だけど……大人じゃないから!!
セヴィルさんと御名手って公式発表が出来ないんだよ!?
だから……僕もきちんと恋する乙女(?)になったので体型が色々と気になるわけです!!
「ふゅふゅ(カティアは可愛いよ?)」
「可愛いだけじゃないんだ。……出来れば、綺麗になりたい」
「ふゅぅ(綺麗?)」
「たとえば……セリカさんみたいに!」
あんな風に……綺麗で可愛らしい人には憧れる!!
ファルミアさんやアナさんのような美女は無理だと思ってるし……せめて、とは思うけど。
フツメンではないと常々言ってもらえているのなら!!
少しでも美意識は向上したいものだ!!
と言うわけで!!
「……え? お手入れ?」
セリカさんをお部屋に呼んで、頼み込んだわけです!!
「はい! そんなにももちもちプルプルのお肌のお手入れとか!!」
最近、少しずつ白くなっていっているセリカさんのお肌。
これは絶対、何か秘訣があると思うんだ!!
「……特にしてないんだけど」
と、お決まりのお返事しかいただけませんでした!?
「え、だって! お肌……少しずつ白くなって!!」
「あ、それ? それは……薬品のせいね?」
「……お薬ですか?」
「と言っても、シミとかを取るだけよ? カティアちゃんにはないから意味はないわね……」
「……なんと」
ファンタジー要素満載の黑の世界だから、そんなチートアイテムがあるとは。
けど……たしかに、僕の今の体にはニキビやシミはないから、意味ないんだよね?
だとしたら、どうすればぁあ!?
「カティアちゃんの肌は充分綺麗でもちもちしていると思うけど?」
ちょんちょんと触ってくださるので……僕は、ちょっと嬉しい。
綺麗な人にそう言われるのなら、自信持っていいのかな?
「……そうですか?」
「ええ。……アナお姉様に、助言をもらうのもどーぉ?」
「あ」
たしかにそうだ。
セリカさんは将来的にアナさんの義姉さんになるけど……まだエディオスさんと結婚してないから、呼び名はそのまま。
さておき、アナさんもサイノスさんと結婚する以前からも……日夜お手入れはされているだろう!
アナさんに聞くべく、僕らはそちらの執務室に突撃することにした!!
次回は金曜日〜